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契約社員と正社員の違いは?制度や条件の差を理解してキャリアアップを目指そう

契約社員と正社員の違いは?制度や条件の差を理解してキャリアアップを目指そう

「契約社員」と「正社員」は、ともに転職サイトなどでよく見る単語ですが、違いをしっかり理解されているでしょうか。契約社員と正社員の間には、雇用期間をはじめとして、さまざまな違いがあります。この記事では、契約社員と正社員の具体的な違いや、メリットとデメリットなどについて幅広く解説していきます。

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目次

契約社員と正社員の定義

契約社員と正社員の定義

「契約社員」とは、期間に定めのある雇用契約で働く労働者のことです。この契約を「有期雇用契約」と呼びます。一方、「正社員」は期間に定めのない雇用契約により、フルタイムで働く労働者を言います。こちらの契約は「無期雇用契約」です。

契約社員は雇用期間が限定的で、業務の範囲や条件が明確だという特徴を持ちます。仕事以外に優先したいことがある人などに適しているといえるでしょう。正社員は雇用期間の更新がなく、継続的に働くことが可能です。企業の指示により業務や勤務地の変更があり得ます。

契約社員や正社員は、法律上の定義はありません。企業によっては契約社員と呼ばずに、「非常勤」「準社員」「パートナー社員」「嘱託」「臨時社員」などの呼び方を使う場合もあります。

契約社員と正社員の違いは?

契約社員と正社員の違いは?

契約社員と正社員は、雇用契約の期間によって定義づけが異なることがわかりました。ここでは、契約社員と正社員の違いについて、以下の7つの項目に分けて細かく見ていきます。

一番の違いは「雇用形態」

前述のとおり、契約社員と正社員の大きな違いは、雇用される期間が決まっているかどうかです。

契約社員は「有期雇用」の非正規社員で、一定期間で契約が満了した後、契約を更新するか終了することになります。正社員の場合は契約期間の定めがない「無期雇用」です。契約社員も正社員も、勤務先の企業に直接雇用される点では変わりはありません。

契約期間の有無

正社員であれば、自主的な退職や解雇などがない限り定年まで働き続けることが可能であり、雇用側もそれを前提として採用しています。契約社員の労働契約期間は、通常1年更新とされ、1回の契約期間は最長でも3年です。

契約社員でも、高度に専門的なプロフェッショナルや60歳以上の場合は、契約期間が最長5年となりますが、有期の契約である点は同じです。

参考:労働基準法第14条(契約期間等) 

ボーナスの有無

正社員がボーナス(賞与)の支給対象であるのに対し、契約社員はボーナスが支払われない企業も多いのが実情です。契約社員に賞与を支給する企業もありますが、その場合でも、ほとんどは正社員よりも少ない金額となってしまいます。名目もボーナスや賞与ではなく、「一時金」など、正社員とは異なったものにする場合があります。

ボーナスの制度は企業が独自に定めるものであるため、契約社員に賞与が支給されないとしても、それ自体は違法ではありません。

昇進・昇給の有無

契約社員は、契約期間中の昇進や昇給を期待することは、基本的にできません。契約社員の場合、労働契約を結ぶ際に職務や役割を定められているためです。ただし、契約更新時の査定や交渉により、昇給する可能性はあります。

職務が同じであれば、契約社員と正社員の基本給には差をつけないのが原則です。しかし、仕事をするうえでの励みとなる昇進や昇給は、必ずしも同じ尺度ではおこなわれません。昇進や昇給を果たすには定期的な査定で好評価を得る必要がありますが、契約社員は査定の機会を得られない場合がほとんどです。

福利厚生の手厚さ

福利厚生には、法律によって加入が定められている「法定福利厚生」と、企業が独自に定めている「法定外福利厚生」があります。前者は雇用保険や健康保険などのことをいい、入社後は必ず加入しなくてはならない制度です。40歳以上になると、介護保険が加わります。後者には交通費や慶弔見舞金などが該当し、こちらの充実度は企業ごとに大きく異なります。

法定内の福利厚生は雇用形態にかかわらず同じですが、法定外の福利厚生の対象は、契約社員と正社員では異なることが多くなっています。正社員のほうが、より多くの福利厚生を受けられるのが通例です。

近年、正社員と同じ内容の仕事をする契約社員も多いため、福利厚生に違いをつけ過ぎると、職場の人間関係を壊す誘因ともなりまねません。企業は、契約社員の待遇にも配慮する必要があるでしょう。

諸手当の有無

諸手当の有無は企業によってそれぞれです。住宅手当や家族手当などの制度を設けていても、正社員には支給する一方で、契約社員は支給の対象外とする企業も見られます。

福利厚生はすべての従業員が平等に利用できるものである一方、手当は条件に当てはまる従業員のみが使えるものです。役職手当は部長や課長などの役職がついている従業員にのみ払われるものであり、家族手当は扶養している家族がいない従業員には支払われません。

退職金の有無

退職金はその名のとおり、退職時に企業から退職者に支払われる金銭のことです。企業によっては、定年退職のときだけでなく、自己都合退職や解雇された場合にも支払われるケースがあります。契約社員は、退職金制度に関しては対象外の企業がほとんどです。就職や転職で契約社員を選ぶ場合には、念頭に置いておくとよいでしょう。

企業が退職金制度を設けることは義務ではないため、正社員でも退職金がない企業もあります。退職金制度がなかったとしても、違法ではありません。

契約社員を守る法律・制度

一般に「非正規」と呼ばれる契約社員は、待遇面において正社員と格差をつけられてきました。しかし近年、政府による働き方改革の推進などもあり、正規・非正規に関係なく均等な待遇を保証しようとする動きが具体化しています。

ここでは、契約社員を守る法律や制度についてまとめました。

非正規雇用から正規雇用へ「正社員登用制度」

非正規雇用から正社員となるには、企業の設けている「正社員登用制度」を利用する手段があります。この制度はすべての企業にあるわけではないので、正社員へのステップアップを考えているなら、事前に制度があるかどうかを確認しておきましょう。正社員登用制度の利用については、契約更新のタイミングにあわせて交渉するのも一案です。

制度はあっても実際に活用されている例が少なく、非正規雇用から正規雇用への登用の道は事実上閉ざされている企業もあるので、注意が必要です。正社員登用制度があまり利用されないのは、企業にとって、契約社員よりも正社員のほうがボーナスや福利厚生などのコストがかかるためだと考えられます。

企業が契約社員から正社員に登用する場合、以下のような基準をクリアする必要があるのが通例です。

  • 一定の勤続期間
  • 働きぶりや売り上げなどの実績
  • 面接や試験での合格

通常は直属の上司の推薦を経て、正社員登用試験を受けることになります。試験内容は、面接のみ、または面接と筆記試験でおこなわれることが多いようです。筆記試験は、一般常識、適性、作文などが課されます。

正社員登用の面接でよく聞かれる質問は、以下の3つです。

  • 正社員になりたい理由
  • あなたを採用する企業のメリット
  • 会社の概要や業務について

営業実績などを基準としている企業では、条件を満たさなければ正社員への登用はありません。企業によって登用の基準は異なり、一定期間を過ぎると全員が正社員になれる企業もありますが、一般的には、企業がコストをかけてでも正社員にしたいと思えるような優秀な人材でなければ、契約社員から正社員への登用は難しいといえるでしょう。

無期雇用になる「契約社員の5年ルール」

2012年に労働契約法が改正され、有期契約期間が通算5年を超えて契約が結ばれたとき、契約社員側が望めば、以降の契約を無期契約にできるようになりました。通算5年を超えると自動的に無期契約へと変更されるのではなく、契約社員から企業に対して通知する必要があるので、注意しましょう。

無期契約になることは、正社員になることではありません。5年ルールにより、契約期間終了後に、企業側からの意思表示により次の契約を結ばない「雇止め」がおこなわれなくなるのであって、正社員と同じ待遇になるかどうかは企業次第です。より確実に正社員を目指すのであれば、正社員雇用を条件としたうえで、無期雇用転換を申し出てみることをおすすめします。

参考:労働契約法第18条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)

不当な待遇差を禁止する「パートタイム・有期雇用労働法」

2020年にパートタイム労働法が改正、拡充され、「パートタイム・有期雇用労働法」と呼称も変更されました。改正のポイントは、以下の3点です。

  • 不合理な待遇差の禁止
  • 労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
  • 裁判外紛争解決手続(行政ADR) の整備

改正により、同一企業内において、正社員と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されました。いわゆる「同一労働同一賃金」を定めたもので、厚生労働省は、待遇差が不合理であるかどうかについて、原則的な考え方を示した「同一労働同一賃金ガイドライン」を示しています。

ガイドラインには、正社員と契約社員など非正規雇用者との賃金格差について、「賃金の決定基準・ルールの相違は、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情の客観的・具体的な実態に照らして、不合理なものであってはならない」などの注意喚起が盛り込まれました。

改正によって非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」などについて、事業主に説明を求められるようになっています。事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。

裁判外紛争解決手続(行政ADR)は、事業主と労働者との間の紛争を、裁判をせずに解決する手続きのことで、都道府県労働局において、無料かつ非公開の紛争解決手続きをおこなうものです。

参考:厚生労働省「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」
参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」の概要

正社員のメリット・デメリット

契約社員と正社員は、雇用期間が有期であるか無期であるかの点で大きく異なります。安定していて待遇も良いように見える正社員にも、メリットもあればデメリットもあるのが現実です。

ここでは、正社員のメリットとデメリットをまとめました。

正社員のメリット

正社員のメリットとして大きなものは、雇用の安定です。無期雇用契約であり、自分で退職を選択しなければ、よほどのことがない限り雇用は継続します。前述のとおり、福利厚生の範囲が広いのも正社員のメリットの1つです。

給与や賞与など、収入面でも正社員は恵まれています。正社員の給与は月給制か年俸制がほとんどで、祝日が多い月に出勤日数が減っても、給与額は変動しません。長く勤めることで昇給したり、成果に対して報奨金が出たりすることもあるので、正社員はほかの雇用形態に比べ、収入が多くなる可能性が高まります。賞与は、契約社員には出ないことが多く、出たとしても正社員との金額の差が大きいことが一般的です。

正社員は、キャリアアップの機会を得やすい雇用形態だといえます。任される仕事の範囲や責任が大きい分、実務で成果を上げれば成長を実感できるでしょう。企業によっては、成果に応じて昇給や昇格の制度を設けていることもあります。社会的な信用度が高くなるため、ローンの契約やクレジットカードの発行などの面で、正社員は有利です。

正社員は同じ企業の中で長く働くので、安定した人間関係が築かれます。一緒に仕事をしたり、顔をあわせていたりするうちに絆が深まり、仕事のやり方などもわかってくるため、スムーズな業務運営が可能になるのです。

正社員のデメリット

正社員のデメリットとして挙げられるものの1つに、転勤の可能性があります。家を建てたばかりなのに転勤を命じられたり、大きな会社になれば、海外への異動を言い渡されたりすることも考えられます。雇用契約や就業規則に定められている場合は、転勤を断ることは難しいでしょう。

大企業になればなるほど、希望の部署に配属されず、自分のしたかった仕事を担当できない可能性が高まります。部署異動の希望などを出し続けても、実現する保証はありません。人によってはモチベーションが下がる懸念もあります。

近年、副業を解禁する企業も増えていますが、正社員には副業を禁止している企業もまだあります。禁止されていなくても、正社員の副業を良しとしない気風を残す企業もあるようです。

これはメリットと裏表の関係になりますが、正社員は同じ企業で年月を送るので、上司や同僚などと気が合わなくても長く付き合わなくてはなりません。仕事は仕事と割り切って過ごす必要があります。

契約社員のメリット・デメリット

契約社員のメリット・デメリット

正社員もメリットばかりでなく、デメリットがあるように、不安定で待遇面でも差をつけられている契約社員にも、メリットとデメリットの双方を兼ね備えています。

ここでは、契約社員のメリットとデメリットについて解説していきます。

契約社員のメリット

契約社員の大きな特徴として、契約時に役割を決められている点が挙げられます。企業が望む人材を明確にしているので、自分の経験やスキルに合った求人を探しやすくなります。専門知識や資格を持つ人には好条件で採用されることも夢ではないでしょう。

正社員としての入社は難しい人気企業などでも、契約社員としてなら条件が緩和され、入社できることもあります。契約社員として入社し、期待を上回る成果を上げ続ければ、人気企業で正社員に登用される希望も持てるでしょう。

契約社員は勤務時間帯に柔軟性があり、自分の都合にあわせて働きやすくなっています。残業も比較的少なく設定されていることが多く、家事や育児、趣味などと仕事を両立させた働き方には好適です。

契約社員には副業を認めている企業が多い点も、人によってはメリットとなるでしょう。副業で収入を増やすことによって、そちらを本業にするなども考えられます。キャリアの複線化により、収入がなくなるリスクの軽減や新たなスキルの開発などに結びつく可能性も広がるでしょう。正社員だけでなく契約社員にも副業を認めない企業もあるので、確認は必須です。

契約社員になると、正社員より責任を負う範囲が限定的になる点にも注目です。契約社員は有期雇用であり、昇進の機会がほとんどない分、責任の範囲が小さくなる点はメリットとも捉えられます。契約社員には転勤もないことが多いため、原則的に採用時に決められた勤務地で働き続けられます。家庭の事情などで住む場所を動けない人などにとっては、選択のポイントとなりそうです。

契約社員のデメリット

契約社員のデメリットとして大きいのは、収入が不安定な点です。契約社員として働いている間は、定期収入が確保できます。しかし、契約期間満了後は収入がなくなるため、新たな仕事が見つかるまでは収入の確保に悩まされる人も多いようです。

収入面の不安は在職中でもあります。契約期間中の昇給は見込めないほか、賞与や退職金はない場合が多く、あっても正社員より少なくなるのが一般的です。基本給に関しては、職務が同じであれば正社員と契約社員の間に差はありませんが、賞与の有無によって年収ベースでは差額が大きくなります。退職金をもらえない場合は、契約終了後に当座の生活費に窮する心配まで生じるかもしれません。

福利厚生の中には契約社員が対象にならないものもあります。例えば住宅手当など、企業が独自で定める「法定外福利厚生」が受けられるかどうかは、収入全体に大きく影響してきます。雇用期間が定められているため、住宅ローンのような長期のローンでは、審査時に不利になることも少なくありません。待遇の差によって、思わぬ弊害が出てくる可能性も押さえておきましょう。

契約社員は正社員に比べ、責任ある仕事を任される機会が少ないとされます。契約社員での経験をキャリアアップのきっかけにしたい人にとっては、満足できない可能性がありそうです。

契約社員として就職した後のキャリアは主に4通り

契約社員として就職した後のキャリアは主に4通り

契約社員は有期の雇用契約を結ぶ雇用形態であるため、契約社員として長く同じ企業で働き続けることはできません。では、いったん契約社員として就職した後のキャリア形成はどのようになるのでしょうか。

ここでは、契約社員の「その後」について、パターン別にまとめました。

1.正社員登用制度を利用して「正社員」になる

就職した企業に正社員登用制度があるなら、それを利用して正社員になる可能性が開けています。契約社員から正社員になれるかどうかは、日ごろの働きぶりに影響される要素が大きいといえるでしょう。

企業が正社員登用の可否を判断する際には、業務上の成果や組織への貢献度、勤務態度などから総合的に検討される傾向にあります。常に高く評価される働きをしていることが重要です。

正社員登用の試験を複数回受けても登用されない場合は、企業側が正社員に求めるスキルなどのニーズと見合っていないことが考えられます。この企業で正社員になることは諦めて、次の就職先にターゲットを変更する見切りのよさも必要です。

2.5年ルールを利用して「無期契約社員」になる

前述したとおり、同一の企業との間で有期契約労働者の契約期間が通算して5年を超えて更新された場合、無期雇用契約に転換できる、通称「5年ルール」があります。条件が整っていれば、これを利用して「無期契約社員」になる選択肢を採ることも可能です。

無期契約に転換するためには、契約社員側から申し出る必要があります。契約期間が5年を過ぎたからといって、漫然と待っていても無期契約に転換されることはありません。契約社員からの申し出があった場合、企業側は断れません。

無期雇用契約になることは、正社員になるのとイコールではなく、給与や待遇などの労働条件は、直前と同じ条件で引き継がれるのが一般的です。無期転換後の扱いは企業によってまちまちなので、転換を申し出る際に確認しておきましょう。

3.契約終了後「別企業の正社員」になる

契約社員は通常、契約期間が満了し、更新がおこなわれない場合は雇止めとなります。それまで勤めていた企業との契約が切れるタイミングを捉えて、別の企業の正社員となることも狙えます。こうした転身ができることは、1つの同じ企業に縛られない、契約社員ならではのメリットといえるでしょう。

契約社員として培ったスキルや知識を生かして、より責任の重い仕事にチャレンジしたい人や、管理職階層を目指したい人は、別の企業の正社員を目指すのも一案です。

4.契約満了後「別企業の契約社員」になる

雇止めを契機に、別の企業で再び契約社員として働く手段を、あえて選ぶ人もいるでしょう。正社員になるか契約社員を続けるかは、その人の人生観やキャリアプランにかかわる問題です。

自らの技術を生かして特定の職種で仕事を続けたい、育児や趣味などのため勤務時間を短く限定したい、家庭の事情で転勤はできない……などのケースでは、別の企業の契約社員になることがベストチョイスとなり得ます。

契約社員として働くときに確認したいポイント

契約社員として働くときに確認したいポイント

契約社員として働くことは、近い将来に来る契約満了時にキャリアの転機を迎えることでもあります。契約社員として就職するのであれば、契約満了となったときに慌てないよう、その後のキャリアプランまで見据えておくことをおすすめします。

ここでは、契約社員として働く際に確認しておきたいポイントをまとめました。

契約更新があるか

契約期間の更新があるかどうかは、最初に確認したい重要ポイントです。契約満了となると、契約社員は退職の扱いになります。契約が更新されると思い込んでいて、実はその時点で終了だったとしたら目も当てられません。

「業績が良好な場合には契約を更新する」などの条件がついていることもあります。思いがけず退職しなくてはならない事態を防ぐには、契約更新の有無と条件をチェックすることが必要です。

契約更新がある場合も、期間についての確認は怠れません。前述したとおり、契約社員の場合は1回の契約で最長3年の契約が可能です。労働基準法は、3年という契約期間の上限のみを定めており、下限の規定はありません。一般的には、契約社員は1年刻みの契約となりますが、6ヶ月や3ヶ月などの契約期間でも無効にはなりません。

参考:労働基準法第14条(契約期間等)

ボーナスが出るかどうか

契約社員にはボーナスが支給されないことが多く、支給されるとしても正社員より低額となるのが通常であることは、前述のとおりです。

契約社員の場合は、ボーナスや賞与などの呼び方ではなく、一時金や金一封などの形で事実上のボーナスが支払われることもあります。呼び名はどうあれ、ボーナスが出るかどうかは年間の総収入を見積もるうえで大きなインパクトを持つ要素です。

ボーナスが出るのかどうか、出る場合はどの程度の金額になるのかを事前に確認しましょう。

労働時間や残業手当はどうか

労働基準法は第15条(労働条件の明示)で、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定めています。正社員でも契約社員でも変わらず、労働契約を締結する際に書面で交付することが義務付けられているものです。

交付が義務付けられている書面を「労働条件通知書」といい、労働時間や残業の有無、賃金計算の方法などが記載されています。よく読んで、納得できる内容かどうかを検討し、不明点があったら企業側に確認しましょう。

労働基準法施行規則で労働者に明示しなければならないとされている労働条件は、以下の各項目です。

  • 労働契約の期間に関する事項
  • 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
  • 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
  • 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
  • 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
  • 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
  • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
  • 臨時に支払われる賃金、賞与、最低賃金額に関する事項
  • 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
  • 安全及び衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰及び制裁に関する事項
  • 休職に関する事項

参考:労働基準法第15条(労働条件の明示)
参考:労働基準法施行規則第5条

正社員登用制度の実績があるか

契約社員として入社した会社で、ゆくゆくは正社員として働きたいと考えている場合は、正社員登用制度があるかどうかを確認してください。制度があっても、実際に正社員に登用された例はわずかしかないこともあります。これまでに正社員登用された実績と、登用されるための条件についても確認しておきましょう。

実績や条件などをお問いあわせする際、「ぜひとも正社員になりたいと思っている」という意欲をあわせて伝えると、企業側の心証が良くなる可能性があります。

4つの社会保険すべてに加入しているか

社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険(労災保険)の4つがあります。健康保険は「業務外でケガや病気を患ったときなどに、診療にかかった費用の一部が給付される保険制度」、厚生年金保険は「会社員などの老齢、障害などに備えて月の給料から一定額を積み立てる保険制度」、雇用保険は「労働者が失業した場合や職業訓練を受けた場合などに必要な給付をおこなうとともに、労働者の生活及び雇用の安定を図るための保険制度」、労災保険は「労働者が業務中や通勤中の事故などで、負傷したり死亡したりした際、当事者や遺族に必要な保険給付をおこなう制度」です。

4つの社会保険すべてに加入しているかど載うかも、就職先として選択するうえでは重要です。求人票などに「社会保険完備」と明記載されている場合はすべてに加入していると考えられますが、「社会保険あり」などとだけ書かれていたら注意したほうがよいでしょう。

参考:健康保険法
参考:厚生年金保険法
参考:雇用保険法
参考:労働者災害補償保険法

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よくある質問

契約社員よくある質問

契約社員として働くためには、いろいろな角度からの情報収集が必要です。そのうえで、疑問点を整理しておくことも大切です。ここでは、契約社員の働き方に関して、よくある質問について解説していきます。

「企業が正社員ではなく、契約社員を雇用する理由はなぜですか?」

契約社員を雇用するにはいろいろな背景があります。まず、人員不足解消の目的が挙げられます。業務の繁忙期はもちろん、事業拡大にともなう人員不足が生じた場合など、それを補う必要が出てくるためです。しかし、正社員として採用するための選考や、既存部署から人員を異動させるためには、少なからずコストがかかってきます。そのようななか、雇用期間が限られている契約社員の存在は大きいといえるでしょう。

また、人件費を削減したい狙いもあります。その背景には、契約社員には賞与や退職金を出さなくてもよい点が挙げられます。さらに、雇用リスクを減らすことも狙いの1つです。正社員として雇用する場合、定年退職を見据えることが一般的とされています。そのため、企業と相性が合わなくても雇用を打ち切るのは困難です。一方、契約社員の雇用期間は短いため、求める人材と合わなかったとしても長期継続雇用のリスクが避けられます。

「契約社員から正社員を目指すのは、難しいですか?」

こちらは企業によって異なります。まず、応募先企業に「正社員登用制度」があることが大前提で、この制度がない企業では正社員になることはできません。ただし、企業との相性を見極めるために契約社員の形を取っているところなら、正社員になれる可能性は高いでしょう。

そもそも、正社員としての働き方を希望する人は、契約社員を選択するのではなく、初めから正社員雇用で応募したほうが賢明です。また、企業への応募に際しては、正社員になれる可能性について確認しておくことが重要です。

「契約社員は契約期間終了後も、同じ企業で働き続けることはできますか?」

こちらも、応募先企業によって異なります。先述した「無期転換ルール」の対象になれば、同じ企業で働き続けることが可能です。ただし、企業が契約社員を採用する目的によっては正社員への道は難しいといえます。

制度や条件を理解して、転職活動を進めよう!

制度や条件を理解して、転職活動を進めよう!

契約社員と正社員の違いは、雇用期間が有期であるか無期なのかをはじめとして、賞与や退職金の有無、福利厚生の手厚さなど多岐にわたります。契約社員と正社員のどちらを選択するかは、つまるところその人のキャリアプランの反映です。どちらを選ぶにせよ、将来のキャリア形成をしっかり考え、制度や条件の差を理解したうえで転職活動を進めましょう。

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