書類選考に通過すると、企業と面接日程メールをやり取りする必要が出てきます。なかには、どのように書くべきかよく分からずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで、この記事では「面接日程メールと合否は関係あるのか」「メールを送る際のビジネスマナー」「書き方」などについて解説し、最後にシチュエーション別の例文も紹介します。すべて読めば、面接日程メールに関する基本的な知識が理解できるでしょう。


目次
面接日程メールは採用結果に関係するのか
面接日程メールは、採用担当者が受け取るほぼ最初の応募者からのメールです。そのため、メールの内容が応募者の印象を大きく左右する可能性が高く、採用結果に影響を及ぼす可能性も否定できません。基本のビジネスマナーがきちんと守られていて、要領よくまとめられたメールが届けば、採用担当者は「仕事もきっちりできそうだ」と思うでしょう。一方、まとまりがなく読みづらい内容だったり指定した期日までに返信がなかったりすれば、採用担当者は「この応募者にはあまり期待できなさそうだ」と判断する可能性が高いです。
そもそも、企業は中途採用者に対して即戦力になることを求めています。現場ですぐに仕事ができるかどうかはともかくとして、最低限のビジネスマナーは習得していることが前提です。基本のビジネスマナーも守られていないメールを送ってしまっては、採用担当者はマイナスの印象しか抱きません。例え前職で高い実績を上げていても、「仕事もまともにできないのでは」などの誤解にもつながりかねないでしょう。
せっかくの面接のチャンスを無駄にしないためにも、面接日程メールを送るときは最低限のマナーを守ることが大切です。


面接日程メールの基本!7つのメールマナーを把握しよう
面接日程メールを送る際は、マナーを守ることが大事です。ここでは、特に重要なメールマナーを7つ取り上げて解説します。
返信は24時間以内に行う
企業から日程調整に関するメールが届いたら、24時間以内に返信することが大切です。企業は多くの応募者に対して面接日程メールを送っており、その返事を待って面接のスケジュールを組みます。もし、応募者からの返信がなかなか届かなければ、日程調整が進められなくなるでしょう。これでは大きな迷惑をかけることになってしまいます。また、こちらが連絡をしないでいる間にほかの応募者からの返信がどんどん届けば、希望の日程が先に埋まってしまう可能性が高いです。
そのため、メールを受け取ったら、遅くとも24時間以内に返信するようにしましょう。また、メールを送る時間帯にも注意が必要です。深夜や早朝などに送信すると、採用担当者に「どのような生活をしているのか」などと思われてしまう可能性もゼロではありません。メールはいつでも受信・開封できるとはいえ、企業に送る場合は先方の営業時間内にすることが基本です。
面接日はこちらから複数提示する
日程調整メールには、企業が指定した複数の候補日のなかから選ぶものと、応募者が面接の希望日を挙げるものとがあります。応募者から面接の希望日が出せるのであれば、1つではなく複数の候補を提示するようにしましょう。これは、もし1つしか提示しなければ、ほかの応募者と重なって設定できない可能性が高くなるからです。その場合、採用担当者は再び調整メールを送るなどの手間をかけなければなりません。複数の候補日があればそれだけ調整しやすく、採用担当者の負担を減らすことにつながります。そのため、できるだけ多めに候補日を挙げると良いでしょう。数の目安は3つ程度です。また、面接可能な時間帯も幅を持って伝えると良いでしょう。
メールの内容はシンプルにまとめる
採用担当者は、毎日多数のメールを受け取っています。特に採用選考を進めている時期には、応募者からのメールを数多く受信していることでしょう。たくさんのメールを短時間で処理しなければならないので、冗長でまとまりのない文章が長々と書かれたメールなどを送ると読み流されてしまう恐れがあります。そのため、本文は要点を押さえてなるべくシンプルにまとめることが大切です。
企業からのメールに返信するのではなく、こちらが新規に作成する場合は、件名にも注意しましょう。「一目で内容が判断できるもの」「誰からかが分かるもの」にすることが大切です。例えば、「面接日程の調整に関するご連絡/○○(自分の名前)」などとすれば、何が書かれているか、誰から届いたのかが件名だけですぐに分かります。重要なメールだと判断できるので、ほかの多くのメールに埋もれて見落とされてしまう可能性も減るでしょう。
なお、件名や内容については、あとに例文を載せています。書き方に迷ったときは、ぜひ参考にしてください。
確認の返信を放置してはいけない
面接日程メールを送ると、通常は決定した面接日の連絡や確認のために企業から返信があります。企業から何らかの連絡があった場合には、面倒に感じても必ず返信することが大切です。連絡をいただいたことに対するお礼を述べ、決定した面接日時を引用したうえで、日程を確認したこと・必ず伺うことを伝える内容にすると良いでしょう。わざわざ面接日時を引用するのは、企業と自分との間で認識のずれがないかを確かめるためです。
なお、企業からのメールに「返信は不要です」「上記日程で問題がない場合は、返信する必要はありません」などと書かれていることがあります。このような場合は、あえて返信する必要はありません。返信不要と書かれたメールに返信すると、採用担当者に「ちゃんと読んでないのか」などと思われることもあるので、注意しましょう。


返信時の件名には必ず「Re:」を付ける
新規に作成するのではなく、企業からのメールに返信する場合は、自動で件名欄に「Re:」が入ります。「Re:」を残すべきかどうかで迷うかもしれません。基本的には、あえて消さずにそのまま残して返信すると良いでしょう。なぜなら、メールを受け取った採用担当者が、件名を見ただけで何に対する返信メールかすぐに判断できるからです。いちいち開封する手間がかからないので、採用担当者としても助かるでしょう。
とはいえ、メールを複数回やり取りすると「Re:Re:Re:…」などのようにいくつも続いてしまうため、見苦しくなります。その場合は、「Re:」を1つだけ残して、あとは消してしまいましょう。
返信時は相手が内容を思い出せるように本文を残しておく
5つめのマナーにも通じるポイントですが、企業に返信する場合は、もとのメールの本文はあえて消さずにそのまま残しておくようにしましょう。これは、受け取った採用担当者が、どのような内容のメールに対する返信であるかすぐに分かるようにするためです。採用担当者は多くの応募者とやり取りをしており、応募者によって選考の段階が異なることもあります。そのため、誰に対してどのようなメールを送ったか、すぐには判断できないこともあるのです。もとのメールの本文が残っていれば、これまでのやり取りの流れまで含めて簡単に確認できます。
なお、もとのメールの文章が自動的に引用されるかどうかは、使用しているメールソフトの設定によって異なるため、注意しましょう。引用した部分は、行頭に「>」などの引用符が付き、区別がつくようになっています。
現職の会社のメールアドレスは使わない
在職中に転職活動をしている場合、今の職場で使用しているメールアドレスがあるでしょう。志望企業にメールを送る際、ビジネス用だからといって職場のメールアドレスを使用してはいけません。なぜなら、今の職場のメールアドレスは、あくまで在職企業の業務上で使うべきものだからです。職場のメールアドレスを使って志望企業にメールを送ってしまうと、「常識やモラルがない人だな」と思われかねません。
転職活動を始める前に専用のメールアドレスを1つ作っておき、活用すると良いでしょう。転職活動中は、複数の企業と多くのメールをやり取りします。専用のアドレスがあれば、ほかのメールに大事な連絡が埋もれることもなく便利です。


面接日程メールの書き方とは?基本となる5つの構成を紹介
面接日程メールを作成する場合、以下の5つのポイントを含めた構成がおすすめです。
・宛名
・挨拶
・内容
・締め言葉
・署名
以下で、それぞれ詳しくみていきましょう。
宛名は必ず正式名称で記載する
メールの冒頭には、宛名として「会社名、部署名、担当者の氏名(フルネーム+様)」を記載します。このとき、株式会社を(株)と略したり、会社名や部署名を省略したりしてはいけません。すべて正式名称で記入します。担当者の名前も、苗字だけでなくフルネームで書きましょう。これらはビジネスマナーの基本であり、きちんと守ることで丁寧な印象を与えられます。なお、採用担当者の氏名が分からないときは「採用担当者様」としてもかまいません。
挨拶とお礼はセットで書く
宛名の次は挨拶、名乗り、お礼です。セットで書くことで、ビジネスマナーが備わっていることや社会人として問題のない人柄であることなどが伝わります。とはいえ、手紙に書くような時候の挨拶を長々と記す必要はありません。ビジネスメールにおける挨拶は「お世話になっております」で事足ります。その後に、「この度、貴社の求人に応募しました○○ ○○(フルネーム)と申します」などと名乗りを続けましょう。名前だけを書くと誰か分からない場合もあるので、「求人に応募した」などの情報を先に続けることが望ましいです。そして、「この度は面接日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます」といったお礼の言葉を続けます。
内容は相手が読みやすいように簡潔に
先にも述べましたが、採用担当者は多忙です。冗長な文章を時間をかけて読んでいるヒマはありません。要点を絞り、適度に改行するなどして分かりやすく簡潔にまとめましょう。面接日程メールであれば、「面接の日時」と「調整をお願いする旨の言葉」が読みやすく書かれていれば、基本的に問題はないでしょう。定型文でかまわないので、あとに紹介する例文を参考にして作成してください。
締めの言葉も欠かさない
本文の最後には、締めの言葉が必要です。ただ、これは定型文でかまいません。例えば、「ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします」「お手数をおかけし恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。」などすれば良いでしょう。
署名で自分が誰かをしっかり伝える
メールの最後には「署名」を入れます。これは差出人を明らかにするために必要なもので、ビジネスメールでは欠かせません。署名には「自分の氏名・住所・電話番号・メールアドレス」を含めます。送信するメールアドレスと署名に記載するメールアドレスは同じものしましょう。署名の前後にはハイフンを続けたもの(—-)などを入れると、本文との明確な区切りができて分かりやすくなります。派手な装飾などは要りません。


面接日程メールの例文。4つのシチュエーション別に紹介
ここでは、シチュエーション別に面接日程メールの例文を紹介します。上記で説明した7つのビジネスマナーを守りつつ、以下に紹介する例文を参考にしながら書けば、面接日程メールは問題なく書けるでしょう。
自分から面接候補日を送る場合
ここでは、自分から面接候補日をいくつか選んで提示する場合のメール例文を紹介します。
株式会社○○
人事部○○ ○○様
お世話になっております。
この度、貴社の求人に応募いたしました○○ ○○と申します。
面接日程のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
早速ですが、面接の希望日時を以下に記載いたします。
・×月10日(月)9時~12時、15時~18時
・×月11日(火)9時~12時
・×月13日(木)終日
上記日程にてご調整いただければ幸いです。
難しい場合は、ご連絡いただければ再調整いたします。
ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
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名前:
住所:
電話番号:
メールアドレス:
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企業から面接候補日をもらった場合
企業からいくつか面接候補日の提示があり、そのなかから選んで知らせる場合のメール例文を紹介します。
株式会社○○
人事部○○ ○○様
お世話になっております。
この度、貴社の求人に応募させていただきました○○ ○○と申します。
先ほどは、面接日程の候補日をご提示いただき、誠にありがとうございます。
早速ですが、以下に希望日程を記載させていただきます。
・第一希望:×月10日(月)14時~
・第二希望:×月13日(木)14時~
・第三希望:×月11日(火)14時~
恐れ入りますが、上記日程でご調整いただきますようお願い申し上げます。
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名前:
住所:
電話番号:
メールアドレス:
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指定された面接候補日を変更したい場合
企業から面接日時を指定されたものの、仕事などでどうしても行けないときもあるでしょう。ここでは、指定された面接日の変更をお願いする場合のメール例文を紹介します。
株式会社○○
人事部○○ ○○様
お世話になっております。
貴社の求人に応募させていただきました○○ ○○と申します。
この度は、面接日をご連絡いただき、誠にありがとうございます。
申し訳ございませんが、ご提示いただいた日に出張の予定が入っており、貴社にお伺いすることが難しい状況です。
勝手を申し上げて恐縮ですが、以下の日程であればお伺いすることが可能です。
・×月10日(月)9時~12時、15時~18時
・×月11日(火)9時~12時
・×月13日(木)終日
ご迷惑をおかけいたしますが、上記日程にて再度調整いただけますと幸いです。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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名前:
住所:
電話番号:
メールアドレス:
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決定済の面接日を変更したい場合
在職しながら転職活動をしている場合、業務の都合などですでに決まった面接日に行けなくなることもあるでしょう。ここでは、決定済みの面接日の変更をお願いするメール例文を紹介します。
株式会社○○
人事部○○ ○○様
お世話になっております。
先日、面接の日程調整をさせていただきました○○ ○○と申します。
×月12日(水)14時より面接のお約束をさせていただいておりましたが、急に遠方の出張が入り、貴社にお伺いすることができなくなりました。
日程調整でお手数をおかけしたにもかかわらず、大変申し訳ございません。
勝手なお願いを申しますが、もし可能であれば、下記日程にて調整をお願いできますでしょうか。
・×月10日(月)9時~12時、15時~18時
・×月11日(火)9時~12時
・×月13日(木)終日
ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
何卒ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
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名前:
住所:
電話番号:
メールアドレス:
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面接日程メールで評価を落とさない。好印象な連絡を心がけよう
面接日程メールはビジネスメールの1つです。基本的なビジネスマナーやルールを守って送るようにしましょう。志望企業の採用担当者は、メールを通して社会人としての基本が身についているかということも確認します。ここで評価を落とすのは非常にもったいないことです。紹介した例文なども参考にして適切なメールを送り、内定獲得を目指しましょう。
