面接官は答え方が難しかったり、予想できなかったりする鋭い質問を出します。鋭い質問に対する答え方や内容から、自社が求める人材であるかの判断材料にするためです。この記事では、選考に影響する鋭い質問の意図や回答例、評価が上がる逆質問について紹介します。


目次
- 面接官が鋭い質問をする理由とは
- 面接の鋭い質問20選 回答例も紹介!
- あなたにとって当社で働く意義とは?
- 同業他社ではなく当社を選んだ理由は?
- 当社の他にはどこを受けているか?
- 当社が採用した場合は入社するか?
- 当社の課題や弱みは?
- 当社が今後も注力していくべき強みは?
- 当社が業界ナンバーワンを維持している秘訣は?
- 当社のCSRについてどう思うか?
- この仕事で求められる資質は?
- この会社には入社したくないと思う条件は?
- あなたを採用するメリットは?
- 働きやすかった上司の特徴は?
- 自分と合わないと感じた上司の特徴は?
- 苦手なタイプの人は?
- なぜ現職を辞めるのか?
- 在籍期間が短いが、なぜ転職を考えているのか?
- 前職と異なる業界業種を志望する理由は?
- 困難を乗り越えた経験にはどんなものがあるか?
- ストレス対処法は何?
- 人生で後悔していることは?
- 面接官に良い印象を与える逆質問例
- 転職の面接対策で不安がある方へ
- 面接での鋭い質問には事前の準備・対策をしましょう
面接官が鋭い質問をする理由とは
面接官は以下の5つの項目をチェックするために鋭い質問をして、求める人材であるかを判断しています。
・洞察力
・瞬発力
・対応力
・情報収集力
・人間性
洞察力
「洞察力」は、面接官の質問の真意を読み取る能力です。観察力と混同しがちですが、表面的な情報を正確に読み取る意味合いがある観察力に対し、洞察力は事象や言葉の奥にある真実や真意を読み取る能力を指します。
質問に対して表面的な回答をするのではなく、質問から何を知ろうとしているのかを察知しましょう。
瞬発力
履歴書や職務経歴書に書かれていない、予想外の質問をすることで応募者の「瞬発力」を測ります。応募書類に書かれていることや面接官がよくする質問などは、事前に準備すれば素早く返答できます。予想外の質問には思考の瞬発力が必要です。
業務中にアクシデントが発生するケースも考えられ、パニックを起こすような人材ではアクシデントに対して適切に対処できません。そのため、面接官は応募者に思考の瞬発力があり、業務中にトラブルが発生した場合にも冷静に対処できるかを判断するために予想外の鋭い質問をします。
対応力
応募者の「対応力」を測るために、面接官は答えられない質問をするケースがあります。答えられない質問、または答えづらい質問をされたときに応募者がどのように返すかを観察し、対応力を測るためです。
ごまかしたり、適当な回答を出したりするようでは、それが仕事にも表れる可能性があります。失敗したときや自身では解決できない事態に直面した場合にも通じるため、面接官は応募者の対応力を知ろうとします。


情報収集能力
企業が求める人材と、応募者が企業に求める条件がマッチしているかを知るためには、企業研究が欠かせません。面接官は就職を希望する企業についてどの程度調べたかを質問で探ることで、応募者の「情報収集能力」を測ります。
インターネットの普及で格段に情報を収集しやすくなりました。にもかかわらず、情報収集を怠ったということは、情報収集能力が低い、または情報を収集するつもりがないと判断されます。志望動機の弱さとも映るため、選考の重要な材料になります。
人間性
「人間性」は、就職した場合に適切な人間関係を築けるか、周囲の人間とコミュニケーションを図れるかなどを判断するのに重要な要素です。人間関係は、離職理由としても挙げられます。適切な人間関係を築けるかどうかは、長く企業に勤められるかにも影響する大切な能力です。
話し方や姿勢、社会人として身につけるべきビジネスマナーを修得しているかなどを判断するためにも、面接官は鋭い質問を用います。
面接の鋭い質問20選 回答例も紹介!
応募書類からでは読み取れない、応募者の内面をあぶり出す面接の鋭い質問20選を紹介します。回答例とあわせて解説するので、本番で焦らないよう面接の予行練習に取り入れると効果的です。
あなたにとって当社で働く意義とは?
「私にとっての働く意義は、達成感と充実感を得ることです。1人では実現不可能なことでもチームで取り組むことで実現でき、そこから得られる達成感や充実感は1人では手に入りません。部活動やアルバイトを通してチームで取り組むことの大切さや、得られる成果の大きさを知りました。企業説明会で数多くの企業様の話を聞かせていただきましたが、御社ほど従業員の和を重んじている企業はないと感じ、私の働く意義である達成感と充実感が御社の成長にも貢献できると思い応募しました。」
働く意義とは、仕事をするうえで何を成し遂げたいのかということです。目的とも言い換えられます。面接を受ける企業に就職できたその先に、何を得たいのかを知ることで、仕事や企業に対する熱意が測られます。働く意義は、「お金」「社会貢献」「つながり」「自己実現」「夢」「将来に備えて」の6つに分類されますが、「お金」と「将来に備えて」は面接で用いる働く意義には適しません。どちらも重要ですが、仕事や企業に対する熱意が伝わる内容ではないため、面接では他の意義をベースにアピールしましょう。
回答例のように自己実現と就職希望先の企業がマッチしていることを交えて「当社で働く意義」という質問に答えることで、仕事をどのように捉えているのかや、仕事に対して熱意があり就職希望先の企業にも貢献できることをアピールできます。
同業他社ではなく当社を選んだ理由は?
「大量生産、大量消費が長年課題である業界にありながら、御社はSDGsが掲げられる以前から課題に取り組み、環境の維持に尽力しながら業界で活躍し続けているところに感銘を受け応募しました。大学では環境問題を専攻しており、環境の改善や維持が社会への貢献にもつながることを学んできました。社会の流れではなく、自らの意思で環境に配慮し続ける御社の力になりたいと考えています。」
応募先の企業と同業他社の違いを知るには、業界や企業に対する研究が不可欠です。応募した企業がどのような業界で活躍しているのか、また同業他社とどのように差別化を図っているのかを調べていなければ、「同業他社ではなくなぜ当社を選んだのか」という質問には答えられません。
就職希望先の企業のホームページや宣伝内容から特色を読み取り、同業他社にはない魅力を感じて応募したことを伝えましょう。同業他社が取り組んでいないことや、先行して取り組んだことを踏まえて志望動機として伝えると良い印象を与えられます。


当社の他にはどこを受けているか?
「5社に応募しておりますが、御社が第一志望です。私は企業競争に勝ち抜くにはDX(デジタルトランスフォーメーション)が前提で、企業の在り方や業務の革新に取り組むことが重要だと考えています。デジタル化に消極的な企業が多い業界の中で、御社はいち早くDXの推進に取り組み、業界の革新を牽引するポジションを築いたことに感銘を受けました。デジタル技術を社会の貢献に活用するために大学や学部を選んだので、御社の一員となってこれまで培った知識を役立てたいと思い、応募しました。」
応募する社名まで答える必要はなく、正直に応募した企業の数を答えましょう。ただし、面接官が知りたいのは、自社の志望順位です。第二志望や第三志望より、第一志望と答えた方が印象が良いのは言うまでもありません。
しかし、面接官は就職活動者が同時進行で何社も応募し、内定をもらえた企業の中から希望条件への合致度や、待遇の良さなどを基準に就職先を決めることを知っています。「他社にも応募しているのか」や「当社は何番目の志望なのか」といった質問は企業側からすると当然の質問であり、応募者の大半が「第一志望です」と答えるのも織り込み済みです。
第一志望であることの証明が重要なため、「5社応募しておりますが、御社が第一志望です」と答えるだけではなく、回答例のように第一志望であることに理由を付け加えて回答しましょう。
当社が採用した場合は入社するか?
「はい、入社します。就職活動を進める中で、自分が仕事に何を求めているのかを考えるようになり、行きついた答えは生まれ育った地元に貢献することでした。これは御社の社訓に通じる志であり、地域の活性化に尽力していることを幼少期から知っているので、その一助になりたいと考えています。」
「他に応募した企業に採用されなかったら入社します」と答えて採用されるわけもなく、「入社します」と答えるのがベストです。しかし、面接官はどの応募者も「入社します」と答えるのは想定内なので、本当に入社する気があると思わせることが重要です。
そのためには、企業研究の徹底が求められます。面接を受けている企業のことをどれだけ調べ、企業の理念や業務形態、今後の展望と自身の目標ややりたい仕事がマッチしているかを提示しましょう。回答例のように、どれだけ企業研究をおこなったのかを伝えることで、入社に対する熱意を表せます。
当社の課題や弱みは?
「御社は新規事業にも積極的に取り組み、大変感銘を受けています。しかし、私達の世代にも非常に興味のある事業であるにもかかわらず、ミドルエイジを対象にしているような印象を受けています。事実、私は御社に入社することを目標に掲げているので存じ上げておりますが、同世代の友人には情報が届いていませんでした。今後はターゲットを広げ、20代も対象に入れることで、さらなる事業の拡大につながると思います。」
応募した企業の経営戦略をどれだけ理解しているのかを測る鋭い質問です。「分かりません」や「弱点はありません」といった答えではなく、企業のマイナスイメージに抵触することなく、課題への解決案を提示しなければいけません。
考えられる回答例として、企業が取り組む事業が安定しているなら販路の新規開拓を提言するか、事業の拡大に取り組みだしたばかりなら別の角度からの進め方を提言するのが有用です。回答例では、新事業に取り組む企業に対して需要がある若い世代に訴求できていないことを提言しています。
当社が今後も注力していくべき強みは?
「御社はDXの推進に取り組んでおられ、社外報にも業務の効率化や労働環境の改善が進んでいることが紹介されていました。競合に対する優位性の確保というDXの最終目標に向け、今後も注力していくべきだと思います。私はシステム工学を専攻しており、御社のDX推進の一助になれると考えております。」
企業研究を実施していなければ企業の強みは分かりません。そのため、入社に対する強い意思があり、企業研究を怠らなかったことを面接官に示す必要があります。
回答例では、企業がDXの推進に取り組んでいることを強みとして取り上げ、自身が培ってきたエンジニアとしてのスキルや知識が企業に貢献できることをアピールしています。業務が効率化された実績や労働環境が改善された情報が入手できれば、その点も付け加えると入社への熱意が伝わるので回答に盛り込みましょう。


当社が業界ナンバーワンを維持している秘訣は?
「新製品の開発はもちろん、売れ筋商品に関しても他社より改良を加える回数が多いことがユーザーの評価につながり、御社が業界ナンバーワンを維持しているのだと思います。ナンバーワンのシェアを誇る商品に対し、毎年1回、昨年は2回改良を加えておられます。元々シェア2位の商品に対して性能面で優位にあったにもかかわらず、改良を重ねることでより堅固なカスタマーベースが構築されました。ユーザーの満足度の向上に妥協せず取り組む姿勢が、御社が業界を牽引している秘訣ではないでしょうか。」
面接官が知りたいのは、自社について理解しているか、また理解していることを論理的に説明できるかという点です。回答例のように取り扱う商品に対する知識や、カスタマーベース(顧客基盤)の構築に成功していることを業界ナンバーワンの秘訣の理由として説明することで、企業への理解を示せます。商品やサービス、社内制度、カスタマーベースについて面接で答えるには、企業研究が欠かせません。
当社のCSRについてどう思うか?
「CSRに積極的に取り組む御社の姿勢が、私の志望動機になっています。従業員が働きやすく、能力を発揮しやすい環境を整えるために業務改革に取り組んだ結果、業界内でも低い離職率に抑えることに成功したと知り、御社で働きたいと考えるようになりました。企業が従業員に配慮するように、従業員も企業を慮ることで相乗効果が期待できると思います。CSRに積極的に取り組む御社に貢献し、地域社会に利益を還元できるように尽力する所存です。」
CSRは「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」の略語です。特に欧米では企業の存続に、社会に対して責任を果たすことが欠かせないと考えられてきました。持続可能な働き方への取り組みが注目されるようになり、日本でもCSRに前向きに取り組む企業が増えつつあります。従業員や投資家、地域社会に対して責任のある行動と説明責任を果たすことが求められています。
回答例では、企業が働き方改革に取り組み、従業員満足度の向上や離職率の抑制に成功していることに触れています。面接官がCSRについての質問をするのは、自社が取り組んでいることを調べ、取り組みを理解しているかを知ろうとしているからです。CSRに関心のない企業であれば、この質問は出ません。CSRについて理解があることはもちろん、企業研究を徹底していることや、企業のCSR活動に共感していることを答えに盛り込み好印象を与えましょう。
この仕事で求められる資質は?
「ホスピタリティの精神が御社の業務に求められていると考えます。実際に御社のサービスを受けたこともあり、その質の高さに感銘し、応募しました。アルバイトが接客業だったこともあり、お客様の喜ぶ姿にやりがいを感じていました。しかし、御社のホスピタリティの精神には及ばないため、接客マナー講座を受講しサービス力の向上に取り組んでいます。」
サービス業であればユーザーの要求を察知する洞察力やホスピタリティの精神、開発なら研究熱心な姿勢や忍耐力などが求められる資質として挙げられます。企業研究を実施しているなら、求められる資質を挙げることは難しくありません。問題は、その資質を有していることをどのように面接官へ伝えるかです。
回答例では、サービスの質の高さが企業の強みとなっていることに触れつつ、サービスの質を支えているのがホスピタリティの精神であると答えています。「心からのおもてなし」に近づけるように接客マナー講座を受講するなど、希望先に就職するための取り組みも回答に盛り込み、企業が求める資質を有していることを伝えています。


この会社には入社したくないと思う条件は?
「顧客に対して真摯に向き合わない会社には、入社したいと思いません。私は、物や情報に溢れている時代だからこそ、信頼関係の価値が高まっていると考えます。企業であれば、顧客に提供する商品やサービスに妥協や嘘があってはいけないと思います。御社が掲げる「顧客第一主義」こそが、厳しい市場競争を生き抜くための最善策です。私は顧客に対して不誠実な会社には入社したくなく、顧客を第一に考える御社に入社したいです。」
面接官のこの鋭い質問の意図は、応募者の仕事観や価値観を測ることです。働くうえで譲れないものを知ることで、何を大切にしているのかも見えてきます。給与や休暇の多さも働くうえで大切ですが、労働環境についてではなく仕事観や価値観について答えると面接官の印象がよくなるでしょう。
回答例のように企業理念を交えて答えられると、企業への理解度や、企業と応募者の求めるものがマッチしていることを示せます。
あなたを採用するメリットは?
「御社が私を採用するメリットは、予定されているM1層とF1層をターゲットにした商品開発に貢献できることだと考えます。大学でマーケティングを専攻したことに加え、私自身がF1層であることから、知識と実体験を基に開発に貢献できるからです。また、私は部活動を通してチームワークの大切さを学んできました。御社は人と人とのつながりを大切にすることを企業理念に掲げておられ、その考え方に賛同する人材を確保できるメリットもあると考えます。」
当然、「メリットはありません」や「分かりません」では、面接官に採用したいと思わせることはできません。重要なのは企業を理解しているかという点です。回答例では、企業研究により今後参入を計画している市場の開拓に貢献できることをメリットに挙げています。企業に関する深い理解があることを提示でき、配属希望先のアピールもできる応え方です。
「専攻した分野」と「ターゲットと同世代」の2つを貢献できる理由として挙げることで説得力を持たせています。端的に答えることが求められる面接の場合はここまでで十分ですが、1人に対して面接時間を多めに確保している場合は、社風ともマッチすることを伝え、「長く勤められる人材」をメリットに加えましょう。
働きやすかった上司の特徴は?
「以前勤めた会社でお世話になった上司は、部下の能力の見極めに長け、仕事がルーティンワーク化しないように適切なタイミングでワンランク上の業務を割り振っていました。決して無理なレベルの業務ではなく、難しいけれど努力すれば完遂できるレベルの業務に取り組んだことで、私は成長を実感できました。チーム全体に対してそのような業務の割り振り方をしていたので、私の理想の上司像になっています。」
転職の際の面接で聞かれる可能性のある質問です。働きやすさにも種類があり、ただ優しいとか楽といったことは答えとして適切ではありません。受け取り方によっては仕事に対する意欲の低さとも映ります。仕事に対するやりがいや成長を促してくれた上司のエピソードがあると、仕事に対する前向きな姿勢が示せます。
回答例では、働きやすかった上司の特徴やエピソードを回答に挙げ、自身の成長についてもアピール。さらにチーム全体に対して当時の上司がどのように接していたかを説明することで、自身の視野の広さを強みとしても強調できます。管理職に求められる能力なので、有能な人材であることをアピールできる回答です。
自分と合わないと感じた上司の特徴は?
「有能な上司でしたが、自分のルールややり方を強要する場面が多く、意見を受け入れない姿勢でもあったため、私とは合わないと感じました。その上司は効率を優先するきらいがあり、お客様からの意見を基に提言したこともありましたが、聞き入れてもらえませんでした。自分なりに上司のルールに従おうと努力しましたが、お客様の意見を無視してまで優先することに矛盾を感じ転職を考え、現在に至ります。」
このような質問を出されたときは、ネガティブな内容のみにならないよう注意して回答しましょう。「自分と合わない上司」という質問なので、答えは否定的な言葉や愚痴に偏りがちです。しかし、面接官は愚痴を聞きたいのではなく、合わない職場の人間に対してどのように対応したのかが知りたくて質問します。
回答例では、あくまでも上司の能力が高いことは認めつつ、自身との価値観のズレが働きにくさの原因であったと答えています。改善のための努力も、回答に含める内容として有用です。顧客の優先を理念として掲げる企業であれば、高いマッチ度も示せます。


苦手なタイプの人は?
「チームワークを大切にする私にとって、チームの輪を乱すタイプは苦手です。以前チームでプロジェクトに取り組む際にまとめ役を任されましたが、全体の動きに従わないメンバーと意見が対立することがありました。しかし、苦手なタイプではあるものの話し合いを重ねると、集団の中ではストレスを感じるけれど、個人であたる作業には前向きな人だと分かりました。個人で集中する方が効率良く進められる作業をその人に任せることで、結果的にプロジェクトの成功に貢献してもらえたので、今では感謝しています。」
この質問の意図は応募者の人間性と、苦手な人に対する対処法を知ることです。苦手なタイプを知ることで人間性が分かります。苦手なタイプは主に2つあり、真逆のタイプと同族嫌悪のタイプです。苦手なタイプを知ることで、応募者のタイプの判断材料にもなります。また、職場のように人が集まれば数人は苦手なタイプがいるため、ただ苦手なタイプを遠ざけるのでは面接官にマイナスのイメージを与えかねません。苦手なタイプともコミュニケーションを図るための努力をしたエピソードを答えに含めましょう。
回答例は、自身と真逆のタイプが苦手なこと、そして苦手なタイプでも接し方を工夫してコミュニケーションを図ったことが示されています。
なぜ現職を辞めるのか?
「現職は体育会系の社風で、私自身は体育会系の部活動を経験していたため耐性がありましたが、同期には耐性のない人も多く、私が盾となっていました。残念ながら精神的に耐えきれず同期達は退職し、改善を進言しましたが聞き入れてもらえなかったので私も退職を決意しました。」
ネガティブな内容になりがちな質問の答えは、ポジティブな言葉に言い換えるのが面接の鉄則です。ネガティブな回答は、応募者のイメージにまで悪影響を及ぼすからです。また、現職の退職理由には、応募先の企業で解決できる内容を挙げるようにしましょう。解決できない退職理由であれば、転職してもまた辞める可能性が高いと判断されます。
回答例では、現職の労働環境に原因があり、改善に取り組んだことも示されています。理解が得られる辞める理由と、改善策を講じたことを回答に含めるのがポイントです。
在籍期間が短いが、なぜ転職を考えているのか?
「サービス業務に配属される予定でしたが、違う業務に配属されました。異なる部署への配属はある程度仕方のないことだと理解しています。しかし、目指していたサービス業務に就く目標を諦めきれず、社内外のサービス研修を受け、異動希望も提出しました。回答は「異動の予定はない」というものだったので、転職を決意しました。」
面接官は採用しても、すぐに辞めるのではないかと懸念してこの質問をしています。そのため、回答には、在職期間が短くても納得できる理由を提示することが大切です。また、退職理由はネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換するようにしましょう。
回答例のように、仕事に対する強い意欲や取り組んだ努力を示し、後ろ向きな気持ちで転職するわけではないことをアピールすれば、採用担当者に不安を抱かれにくくなります。
前職と異なる業界業種を志望する理由は?
「御社の営業職を志望したのは、人とのつながりを通して社会貢献と自己表現をしたいと強く思うようになったからです。前職はルーティンワーク中心の事務職だったため、人とのつながりを感じにくい環境でした。営業は成果を求められますが、モチベーションの維持に重要な要素だと思います。ビジネスマナー講座の受講や御社のサービスについての研究に取り組み、営業職として出遅れている分を補っています。」
応募した企業の業界や業種に関する認知度を測る質問です。憧れや何となくといった理由で転職するのではなく、業界や応募先の企業について深く理解しているのかが問われます。未経験の業界に就く際に挫折しがちなポイントや、業界内で応募先の企業がどのようなポジションを築いているかを回答に含めるとアピールとして効果的です。
回答例は、結果が求められる営業職の難しさに触れ、それを理解したうえで未経験の業種への転職に向けて努力していることを示しています。


困難を乗り越えた経験にはどんなものがあるか?
「災害の復旧ボランティアに参加した際、ボランティアの受付業務が復旧活動の流れを止めていることに気づきました。復旧作業に使う道具は原則持参でしたが、それが周知されていなかったため、ボランティアに参加できない人がいたのです。被災された人の不安を払拭するためにも迅速な復旧作業が求められたため、私がSNSを活用してボランティアに参加するうえで大切な情報を拡散し、スムーズな受付業務に貢献した経験があります。オンライン上の情報の拡散力を知り、御社が手掛けるデジタルコンテンツに興味を持つようになりました。」
困難を乗り越えた経験はエピソードにまとめる必要があるため、質問されることを想定した事前準備が重要です。
回答例では、ボランティア活動という良いイメージのエピソードに加え、困難を乗り越えた経験が志望動機につながっていることが示されています。
ストレス対処法は何?
「ストレスを感じたときには、長距離を走ります。学生時代は陸上部に所属していました。私は運動できないことがストレスになる反面、長距離を走るとストレスは完全に解消されます。」
ストレスの耐性と対処法、早期退職の可能性の3点を知るために質問されるため、ストレスの耐性と対処法を答えましょう。「ストレスを感じません」はストレスに対する認識不足と判断される可能性があるため、回答に用いるのは適しません。
回答例では、運動でストレスに対処していると答えていますが、趣味があるなら映画鑑賞でも読書でも問題ありません。精神的な負担を認識し、その対処法を確立していることが示せると、ストレスとの付き合い方が分かっていると面接官に伝わります。
人生で後悔していることは?
「部活動で部長を務めた際に責任感が悪い方向へ向かい、結果としてチームワークを乱したことを後悔しています。部員に厳しくし、チームを強くすることを優先するべきだと考えてしまいましたが、大事なのはコミュニケーションを図ることでした。仲間がそれを教えてくれたため、チームはまとまるようになりました。仲間のおかげで最悪の事態に陥らずに済みましたが、今でも当時のおこないを後悔しています。」
失敗した過去とどう向き合い、何を学んだのかを知るための質問です。後悔した出来事、説明、解決策の順で答えましょう。
回答例のように、仕事にも通じる失敗から学んだコミュニケーション能力の重要性を、面接官へアピールしましょう。
面接官に良い印象を与える逆質問例
面接の最後に「何か質問はありますか」と尋ねられるケースがあります。その場合に、この応募者は鋭いと評価される逆質問を3つ紹介します。
入社意欲をアピールしたい場合
「御社で注力されているオンライン上の販路拡大に携わるためには、どのようなスキルや経験が求められますか。」
「御社の主力事業は海外売上比率が6割を超えていますが、海外展開の推進で活躍されている社員の方の特徴や共通点などを教えていただけますか。」
「御社では若手の起用に積極的ですが、起用されるために取り組むべきことは何でしょうか。」
上記のように企業や業界に関する深い理解とあわせて、勤務する人物像への関心を示すことで、強い入社意欲を伝えられます。入社することを前提として、その企業で求められる人材になるために必要なものや、活躍している社員について質問すると効果的です。
自分のスキルや強みをアピールしたい場合
「先ほどお伝えした取得済みの資格以外に、御社の業務に活用できる資格はありますか。」
「生徒会長や部長などリーダーを務めた経験がありますが、御社で入社してから一番早く管理職に就いた人は当時何歳でしたか。」
「学生生活では語学学習にも注力してきましたが、御社で語学力を活用できる場はありますか。」
自分のスキルや強みが、応募先の企業にとってどのように貢献できるのかを質問することで、有能性を示せます。また、アピールだけでは高い自己評価と映る可能性もあるので、まだまだ未熟な部分があることを理解し、さらに向上心があることを逆質問で伝えられると効果的です。
その他面接官に良い印象を与える逆質問例
「御社は業界全体の成長率が落ち込んだ際にも、常に高い成長率を維持しておられます。その秘訣はなんでしょうか。」
「経営戦略を海外にも向けると説明がありましたが、どの国から取り掛かり、どの規模まで活動を広げる計画ですか。」
「入社後、業務にあたるうえで特に大切にすべきモットーや考え方があれば教えていただけますか。」
大きな成果や取り組みについて面接官に質問すると、企業に対する理解と興味が示せます。社風との相性を測る質問も、入社後のイメージをつかもうとする積極性が伝わるため好印象です。


転職の面接対策で不安がある方へ
どんなに準備をしても予想外の鋭い質問が投げかけられる可能性があるため、面接対応の不安が払拭できない人もいます。そのような場合には、キャリアアドバイザーのサポートが受けられるサービスを利用してみてはいかがでしょうか。
キャリアアドバイザーの業務は履歴書や職務経歴書の添削、面接の指導、条件を満たす企業の紹介など、就職活動全般のサポートです。また、企業の内情に精通し、面接官の質問の傾向も熟知しています。出される質問の傾向が分かり、それに沿った面接練習を重ねることで不安感を抑えられるメリットがあります。
キャリアアドバイザーのサポートが提供されるサービスとして有用なのがオファー型の転職サイト「PaceBox」です。キャリアアドバイザーによる就職活動全般のサポートに加え、求める条件を満たした企業からスカウトが来るオファー型なので、就職活動を効率的に進められるメリットもあります。
明確に違う!PaceBoxのキャリアアドバイザー面談が選ばれている理由
面接での鋭い質問には事前の準備・対策をしましょう
面接官は応募者の内面を知るために鋭い質問をします。事前準備をしっかりして余裕を持って答えられるように、キャリアアドバイザーのサポートが受けられる転職サイト「PaceBox」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
