転職活動中で転職先がなかなか決まらない、と不安を感じている方がいると思います。しかし、焦って転職活動に身が入らないと余計に時間がかかってしまうことになりかねません。ここでは、転職先が決まらずに焦りを感じている人に向けて、転職活動が決まらない理由、今後転職活動に成功するための対策について解説します。


目次
転職が決まらないけど大丈夫なの?
転職活動を始めても、転職先がなかなか決まらないと本当にこのままで大丈夫なのか、と不安になります。しかし、一般的に転職活動には時間がかかることが多いため、焦る必要はありません。ここでは、転職や就職活動にかかる期間の目安や、転職に時間がかかる理由について解説します。
転職活動の期間の目安
転職活動の期間は、一般的に3ヶ月程度はかかると言われています。厚生労働省の調査によると転職活動期間は、「1ヶ月以上3ヶ月未満」が27.1%、「転職活動期間なし」が25.8%、「1ヶ月未満」が19.1%という結果が出ています。「転職活動期間なし」の人は、紹介や元々の知り合いのところに就職する人が多いようです。転職をした人の全体の約70%が3ヶ月未満で転職活動を終了しています。あとの約30%の方は3ヶ月以上の転職期間があるということです。
また、企業ごとの求人情報の頻度や、採用のペースによっても採用率は変動するため、転職活動期間にはどうしても個人差が出てきてしまいます。転職活動を始めて1~3ヶ月程度であれば極度に焦る必要はありません。転職活動を始めて3ヶ月以上経っているという方も、自分と同じような人がほかにもいると考えて焦らずに転職活動に臨みましょう。
転職に時間がかかるのは珍しくない
場合によっては、一年以上をかけて転職活動をしている人もいます。希望の会社に出会えなかったり、日程調整が難しかったりして、結果的に時間がかかってしまうという理由も考えられます。
働きながらの転職活動は、現職の調整がうまくいかず準備や面接の時間が取れないこともあります。そんな時は、焦らずに転職希望先に面接の日程の調整をお願いし、現在の仕事に支障が出ないような配慮が必要です。仕事の繁忙期で転職活動に集中できない時は、履歴書や職務経歴書の作成だけをするなど今できることをやりましょう。


転職がなかなか決まらない!考えられる理由とは
転職が思うように決まらないのはなぜでしょうか。その理由としては、自己分析ができていない、自分にあった企業に向けた転職活動ができていない、応募の数が少なすぎる、といったことが考えられます。それぞれについて解説します。
自己分析ができていない
自己分析は、自分が仕事をしていく上で、大事にしていること、つまり、「転職の軸」を明らかにするためにおこないます。自分自身を客観視することで、自分自身の考えや希望を見つめなおし、転職理由や転職先に求めることを見つけることができます。
自己分析ができていないということは、つまり自分自身が転職先で何をやりたいのかを分からないままに転職活動をしてしまっているということです。転職理由や志望動機、自己PRなどを考えることも難しいでしょう。あやふやな志望動機では企業側も採用ができません。
自己分析をおこなうには、まず前職(現職)で経験したことや、その経験を通じて感じた自分の強みや、弱みを整理してみましょう。
自分の強みが「コミュニケーション能力の高さ」だとすれば、それをアピールできる営業や接客業が適職かもしれません。その場合、職務経歴書や面接では、コミュニケーション能力を培ってきた経験や、転職後に強みを生かして自分が何をできるのか、何がしたいのかをアピールできます。
経験や長所、短所を踏まえた適切な自己分析に基づいてアピールができれば、採用担当者にも好印象を与えることができ、転職が成功する確率も上がるでしょう。
自分に合う企業に応募できていない
企業側が求めている経験やスキルを応募者が満たしていない場合は内定はもらえません。転職による求人で、多くの場合企業側は即戦力を求めているからです。おのずと、未経験の業種への転職は難しくなるでしょう。どうしても転職を成功させたいならば、これまでの仕事で培った経験やスキルが生かせる職種を選ぶのがおすすめです。
ただし、注意点として、同じ職種であっても、実際に求められる業務の範囲やスキルが異なることがあります。場合によっては求人票の情報と実際の職場環境や仕事内容が異なっていることもあります。
これらのミスマッチを防ぐためには、ただ募集を見るだけではなく、その企業のホームページや採用サイトから求められている人物像や、必要なスキル、求められる仕事内容などを研究すること(企業研究)が重要です。
応募数が少なすぎる
応募の母数が少なければ、採用される確率は下がります。積極的に応募することが大切です。
そのために、スカウト型のサイトに登録し、企業からオファーが届くものを活用すると良いでしょう。自分が何をしたいのか、そもそも転職したい一番の理由は何か、など自己分析は大切ですが、すべてを満たす条件にとらわれて、選択肢を狭めすぎていないかを振り返ることも必要です。


転職後に企業とのミスマッチを防ぐ対策
転職後に、想定していたものとは違ったというミスマッチが起こる場合があります。人間関係や労働環境、報酬と仕事量の不釣り合いなどで不満を感じるのは避けたいものです。ここでは、転職後のミスマッチを防ぐ対策について解説します。
企業研究をしっかりおこなう
企業HPや求人サイト、口コミサイトに掲載されている採用情報やインタビュー記事などを参考にして、自分の求めている会社かどうか、雰囲気が合うかどうかなどをチェックします。また、面接時には、仕事内容や社内の雰囲気などが分かるような質問を用意しておきましょう。
例えば、1日のタイムスケジュールや、残業の有無、社員同士の関係や、年齢や性別の分布などをたずねてみるのも良いです。書面では分からない職場の雰囲気は、採用担当者や面接官の雰囲気、職場見学をした際の職場にいる人達の雰囲気から読み取ることができます。転職先の企業を研究してから、応募を実行し、面接に臨みましょう。
自分に合った企業に応募する
企業研究を通じて、自分に合っていると感じた企業に応募すれば、多くの場合ミスマッチを防げます。
これまでの自分の経験を振り返り、何がやりたいのか、何ができるのか、を洗い出し、キャリアプランを整理してみることです。そのキャリアプランと、企業研究の成果を照らし合わせ、合致する企業を選びましょう。
企業選びは、企業の知名度や待遇の良し悪しだけで決めずに、自分の求める仕事の環境や条件に合ったものを選ぶ必要があります。
また、自分の強みを活かせる企業というだけではなく、企業がどのような人材を求めているかをイメージして応募する必要があります。自分の強みが転職先の企業に求められていないスキルであれば、転職は上手くいきません。
自分の今までの経験を必要としている企業であれば、採用率は一気に上がります。自分の理想と会社が求める人材の人物像が一致する企業に応募しましょう。


書類選考を突破するための対策
面接において第一印象が重要なように、応募書類もまた担当者の第一印象が選考に大きく左右します。まず、書類の記載は、形式や構成に沿って簡潔にすることが基本です。文章が読みにくかったり、手書きの履歴書の文字が乱れていたりするより、文章が分かりやすく、丁寧な人の方が「一緒に働きたい」と思ってもらいやすいのは自明です。
内容は過去の職歴や学歴だけでなく、アルバイトの経験や趣味なども上手く職務と関連付けてアピールできるとより良いです。
例えば、全く違う職種のアルバイトであっても、バイトリーダーなどの経験があればアピール材料になるでしょう。他にも、IT職を希望する際に、ブログが趣味でアクセス解析なども自分でおこなってことなどを伝えれば、普段からITに触れていることをアピールできます。
書類選考において注意したいのは、自己PR文は使いまわしをせず、希望する企業にあわせて書き換える、ということです。なぜなら、自分が何をしたいかだけではなく、企業がどんな人材を求めていて、それに対して自分がどう期待に応えられるのかに合わせて自己PRを変える必要があるからです。
面接を成功させるための対策
面接がうまくいかない場合にも理由がいくつかあります。うまくいかない理由は、自信がないように見えること、面接での質問への対策ができていないことが考えられます。
自信を持つ
転職活動は、自分を売り込む活動でもあります。ですが、なかなか内定がもらえない日々が続いていると自分に自信がなくなります。面接では自信のなさが採用担当者に伝わってしまい、なかなか採用してもらえなく可能性もあります。
面接のチャンスを掴んだら、たとえ自信を失っていても、自分をPRするつもりで面接官には自信があるように見せることが大切です。自信があるように見せるには、自信過剰な態度ではなく、きちんとした姿勢や身だしなみ、笑顔などの表情で示せます。
自信がなくなっているときは、普段できていることまでできなくなってしまうという負の連鎖に陥ってしまいます。面接前に鏡の前で自分の姿勢や表情をチェックしてみてください。
また、自分のやってきたことを振り返り、できなかったことではなく、できたことを思い出し、「自分は転職先に貢献できる」ということを再認識してみてください。自分の価値を再認識できると、少しずつ自信がついていきます。
想定される質問の対策をする
自分が受ける企業面接で質問される内容を予想し、その内容についてあらかじめ回答を考えておきましょう。面接で重視される質問について、自分なりの回答を考えて、周りの人にアドバイスを求めると自分の答えを客観的に見直すことにつながります。
転職の場合に必ず聞かれるのが「退職理由」と「転職理由」です。企業側としては、面接で退職理由や転職理由を聞く理由は、早期退職しないかなど、採用後の不利益がないかどうか見極めるためです。退職理由で、前職の不満を言うと、「早期退職しやすい」人と判断されます。また、転職理由が転職先の企業で実現できない内容の場合は、不採用になってしまう可能性があります。退職理由や転職理由は、常に前向きな表現で回答するようにしましょう。
例えば、人間関係が悪くて退職した場合には、「チームのみんなでひとつの目標に向かえる環境で働きたいから」、「効率を重視し、お互いに助け合える環境で働きたい」など、ポジティブな伝え方を心がけましょう。
回答する際の注意点は、面接官の主旨から外れないようにしたうえで、自分がどのような価値を持っているかをアピールすることです。過去の経験や実績などは、具体的な説明を加えて話を進めると、より理解してもらえます。面接で落ちてしまう人は、面接での質問への対策をしっかりおこないましょう。


転職がなかなか決まらないときのメンタルケア
応募しても面接に辿り着けない、内定がもらえないなど、転職活動がスムーズにいかないことが続くと気持ちがふさぎこんでしまうことがあります。ここでは、転職がなかなか決まらないときのメンタルケアについて詳しく解説します。
不採用でも気にしすぎない
不採用通知が来るとどうしても落ち込んでしまうと思いますが、必要以上に気にしないようにしましょう。転職活動ではすべての人が採用されるわけではないため、不採用になるのは珍しくありません。
採用されなかったとしても、世の中に企業は多くあるので、自分に合った会社に出会っていないだけだと考えられます。面接のたびに「必ず採用される」と思っていると、プレッシャーに自分が押しつぶされかねません。
この会社に入りたいと強く思うことは重要ですが、「ひとつ落ちてもまた次がある」というぐらいの気持ちで面接に臨んだ方が、本来の自分の力を出しやすくなります。
努力している自分を褒める
転職がなかなか決まらないと自分を責めたくなりますが、まずは努力している自分を認め、褒めてあげましょう。転職活動期間が長くなっていたとしても、日々それに向けて努力しているのは事実です。それならば、その時間は決して無駄ではなく、自己成長のための時間です。そして近い将来には、日々の努力が転職先で活かされるチャンスがやってくると前向きに捉えましょう。
自分を褒めてあげるために、自分が転職活動でおこなってきたことを書き出してみましょう。転職成功という成果が出ていなくても、可視化することで、自分のやってきたことやできたことが分かり、転職活動の次への活力になります。
「自分を褒めてあげる」のは、仕事で成果が出たときや、目標を達成できたとき、人から褒められたときだけではなく、普段自分が普通にできていることを認めてあげるだけで自己肯定感が上がります。自分を褒めて、認めてあげることで、次の転職に向けての活力が湧いてきます。
転職活動の不安を相談できる人を見つける
転職活動をしているとストレスがたまったり、不安に感じたりすることが多いかもしれません。ストレスがたまったときは相談できる人を見つけて、話を聞いてもらうようにしましょう。悩みを解決してもらえなくても、話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になります。
友人などの相談できる人を探し、もし身近に相談できる人がいない場合はキャリアアドバイザーなどの専門家に相談してみましょう。キャリアアドバイザーは、転職活動の悩み相談にのってくれるだけではなく、転職活動がうまくいっていない理由を一緒に考え、アドバイスしてくれます。
転職サイトPaceBoxのキャリアアドバイザーは、多くの転職エージェントとは異なり、転職成功のノルマを持っていません。そのため、転職に関する悩みを気兼ねなく相談することができます。
焦りは禁物!冷静に対策を立てて継続する
転職が決まらない理由や、転職活動への対策を解説しました。転職活動にはある程度の期間が必要であり、希望する企業の内定を勝ち取るためにはしっかりとした対策が必要です。
転職先がなかなか決まらずに焦りを感じているなら、PaceBoxの経験豊富なキャリアアドバイザーに相談することをおすすめします。
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