日本人の年収がなかなか上がらないなか、20代で500万稼ぐ人はどのような人なのでしょうか?
年齢別の平均年収について触れた上で、20代で年収500万稼ぐ人はどういった職業でどのような生活をしているのか、独身の場合と配偶者や子供がいる場合に分けて検証していきます。


目次
年収500万円稼ぐ人の割合は?
まず年収500万稼ぐ人というのは全体の何%ぐらいいるのでしょうか。令和3年の国税庁の公式なデータによれば、年収500万以上の人の割合は全体の31%、男性ではその割合は45%、女性では13%となっています。
年代別の日本の平均年収
その次に年齢別の平均年収はどのぐらいの違いがあるのかを見ていきましょう。年齢別の平均年収は、以下の通りです。
- 20~24歳:269万円(男性が287万円、女性が249万円)
- 25~29歳:371万円(男性が404万円、女性が328万円)
- 30~34歳:413万円(男性が472万円、女性が322万円)
日本全体の平均年収は443万円(男性が545万円、女性が302万円)ですので、年収500万の人は平均年収よりも高収入といえるでしょう。


年収500万円の人の生活水準
高収入といわれる500万の年収の人は実際どのような生活をしているのでしょうか。
一人暮らしのケースと、配偶者・子供ありの3人暮らしのケースに分けて、具体的な生活費の内訳を紹介しながら説明していきます。
一人暮らしの場合
30代独身で年収500万のAさんの例を見てみると一月の給与が約31万円、賞与が年間125万円、そこから1年間に支払う税金・年金・保険料の額は、以下の通りです。
健康保険 | 21万1000円 |
厚生年金 | 46万5000円 |
雇用保険 | 1万5000円 |
所得税 | 13万円 |
住民税 | 16万円 (前年度所得により増減します) |
これを合計すると98万1000円となり、この額を500万から差し引くと、残りは401万9000円となります。
この手取り額から、さらに一人暮らしでかかる生活費の大体の目安を列記しました。
家賃 | 7万2000円 |
食費 | 4万8000円 |
雑費 | 1万2000円 |
水道光熱費 | 1万2000円 |
通信費 | 4800円 |
交際費・娯楽費 | 3万6000円 |
医療費・保険 | 7200円 |
貯金・貯蓄 | 4万8000円 |
このように、一人暮らしで年収500万の人は、食費や交際費などにある程度お金をかけても月5万近くの貯金ができており、そこそこゆとりのある生活が可能であるといえます。
配偶者・子どもと3人暮らしの場合
一人暮らしで年収500万はゆとりのある暮らしができましたが、では家族3人暮らしではどうでしょうか。同じ手取り500万でも1年間に支払う税金の額は変わってきます。配偶者と子供一人のBさんが納めるべき税金・年金・保険料の内訳を見てみましょう。
健康保険 | 25万円 |
厚生年金 | 46万5000円 |
雇用保険 | 1万5000円 |
介護保険 | 3万6000円 |
所得税 | 2万6000円 |
住民税 | 16万円 (前年度所得により増減します) |
Bさんは20代なので介護保険が追加されていますが、所得税は独身のAさんよりも少なくなっています。これらを差し引いた手取りは452万円でAさんよりは多くなります。
では、Bさんのようなケースで想定される生活費はどのぐらいでしょうか。
家賃(住宅ローン) | 7万2000円 |
食費 | 5万2800円 |
教育費 | 2万4000円 |
水道光熱費 | 1万2000円 |
通信費 | 7200円 |
交際費・娯楽費 | 9600円 |
医療費・保険 | 1万2000円 |
自動車維持費 | 7200円 |
貯金・貯蓄 | 3万1200円 |
このように3人家族だと生活費の項目が増えて、光熱費などを切りつめても貯金にまわせる額は減ってしまうのがわかります。


20代で年収500万円を稼ぐ方法は?
独身で年収500万円あると余裕のある生活ができることはわかりましたが、20代で年収500万円を稼ぐにはどうしたらよいのでしょうか。現在の年収から年収500万へ収入をアップするためには、転職や投資、副業などいくつかの方法があります。
年収が高い業種・職種に転職する
年収500万以上を稼いでいる人の半分近くが実は社員1000人以上もしくは資本金10億以上の大企業に勤めています。またこのうちほとんどの人が正規雇用の社員です。つまり20代で年収500万を稼ぐためには大企業に転職するのが一つの方法です。しかし、簡単に大企業へ転職できるわけではありません。
年収の高い業種としては、通信業やインターネット関連のサービス業などの「情報通信系」、共同組合や郵便局などの「複合サービス系」、電気・ガス・水道などの「インフラ系」、さらに国家資格が必要な「医療系」などがあげられます。
20代は年齢的にもまだ各種の資格やスキルを身につけることが可能なので、できるだけ希望業種に必要な資格や、PC・英語などのスキルを身につけるとよいでしょう。また自分にあった転職先を見つけられないときや転職先の絞り込みに迷ったときは、オンラインでキャリアアドバイザーに相談することも効果的です。
成果報酬型の仕事に転職する
成果報酬型の仕事とは、例えば営業職など、頑張って成果を出せばその分が給料に反映されるインセンティブ形態での給与体系の仕事です。仕事を頑張ればそれに比例して給料がアップするので、その業務に関するスキルアップにも意欲がわき、意欲がわけばまた成果も上がるという好循環が生まれます。業界では金融・不動産・保険などの単価の高い業種ほど成果次第ではかなりの高収入が見込めます。
仕事で成果があげられない場合ももちろんあり得ますので、大企業の安定した収入と比べてリスクはあるでしょう。しかし、年功序列ではないため、20代でも年収500万やそれ以上の収入を得られる可能性があります。


今の会社で昇進・昇格する
転職が難しいと感じる場合、現在勤めている会社で頑張って昇進や昇格を目指し、20代のうちに年収500万を目指すという方法もあります。
社内で年収を上げるためには出世することが効果的です。あとは業務上必要な資格を取るなどして自分の付加価値を高め、資格取得に伴う手当て分の給与アップを目指すという手もあります。
資産運用をする
転職や会社内での年収アップの他に資産運用のスキルがある場合は、資産運用で手持ちのお金を増やすことも検討しましょう。
資産運用の手法には銀行や信用金庫にお金を預けて金利を受け取る預貯金があります。他には円ではなく米ドルやユーロなどの外貨で預金外貨預金という運用方法もあります。
また、生命保険のうち貯蓄性のあるものは資産運用になります。特に終身保険は、不測の事態に備えながらも貯蓄性の高いものです。さらに、債券投資は国や地方自治体、企業などに投資して債権を発行してもらう方法です。そして株式投資では、企業の株式を購入して配当金を受け取ったり、株価が大きく上昇した際に株式を売却したりすれば、多額の利益を得られることがあります。
最後に不動産投資ですが、これはアパートやマンションなどに投資をして家賃収入を得る方法です。自身の状況を踏まえてできる範囲から資産運用を行いましょう。
副業をする
転職や投資のリスクを避けて収入を上げ、年収500万を目指すには、副業をする方法もあります。現在勤務している会社の就業規則に違反していないことと、本業に差し支えがないかどうかについてはよく確認してください。
副業でよく行われているのは、在宅ライターで稼ぐ方法です。在宅ライターは募集に応じて記事を書き、報酬を得る仕事です。空き時間を利用して作成できるような納期のものを選べば本業と両立できるでしょう。
20代で年収500万円を目指すのは不可能ではない
このように20代で500万を稼ぐ方法はいくつかあります。高いスキルが求められるものやリスクが高い方法もありますが、現在の自分の状況をきちんと把握して自分に合った方法を考えれば、20代で500万稼ぐことは不可能ではありません。様々な選択肢を考慮した上でキャリア形成を考えてみましょう。
