20代から年収1000万円を稼ぐことに憧れている人も多いでしょう。20代で高収入というと、いくらぐらいのことを指すのでしょうか。この記事では、20代で年収1000万円を稼ぐ人の割合や、高収入を狙いやすい職種などを紹介します。20代で年収1000万円を稼ぐためにはどうすればよいのかについても解説するので、ぜひ参考にしてください。


目次
年収1000万円以上稼ぐ給与所得者の割合は?
20代で年収1000万円を目指すにあたって、給与所得者のうち、どの程度の人が1000万円以上を稼いでいるのか知っておくとよいでしょう。ここからは、年収1000万円以上を稼いでいる給与所得者の割合について解説します。
年収1000万円超の人は4.9%
国税庁が発表した「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者のうち、1000万円を超える給与をもらっている人は全体の4.9%です。男女比率では男性の割合が高く、男性だけなら全体の7.9%、女性だけなら全体の1.2%が1000万円に達しています。また、1000万円超の年収を稼いでいる人の多くは1000万円超1500万円以下に分類されており、1500万円を超える人は多くありません。具体的には、全体4.9%のうち3.5%、男性7.9%のうち5.4%、女性1.2%のうち0.8%が1000万円超1500円以下に該当します。なお、年収1000万円超の人の割合は調査対象年によって若干の差がありますが、おおむね4.0~5.0%の間で推移しています。
年収900万超1000万円以下の割合も多くない
上で示した4.9%に含まれるのは年収が1000万円超の人のみで、年収が1000万円ちょうどの人は、900万円超1000万円以下の範囲に含まれることになります。とはいえ、900万円超1000万円以下の人の割合も多いわけではなく、全体の1.9%、男性なら3.0%、女性なら0.4%です。1000万円超の割合と合計すると、900万円超の年収を稼いでいるのは全体の6.8%ということになります。
年収1000万円以上を稼げる人は一握り
ここで示している統計は民間企業に勤めている給与所得者のみを対象としたもので、自営業者や会社経営者などは含まれていません。調査対象を広げれば、年収1000万円以上を稼いでいる人の割合は変わってくるでしょう。しかし、給与を受け取っている全年齢で考えても、年収1000万円以上の割合は多くないということがこのデータからわかります。それでは、20代に限定した場合、年収1000万円以上の人はどのくらいいるのでしょうか。


20代で年収1000万円以上の割合は?
厚生労働省が公表している「令和元年賃金構造基本統計調査の概況」によると、20代で年収1000万円以上を稼いでいる人の割合は、男女とも0.0%です。給与所得者の場合、20代のうちに固定給だけで1000万円を稼ぐのは難しいといえるでしょう。ただし、多額の残業代やインセンティブによって年収が1000万円を超えることはあり得ます。完全歩合制の営業職などで高い成果を収めれば、若くして高収入を得ることも夢ではありません。なお、会社経営者や個人事業主など、20代で1000万円以上の年収を稼いでいる人もいないわけではありませんが、その数はごくわずかです。
20代の平均年収はいくら?
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、20~24歳の平均年収は約260万円です。男女別でみると、男性が約277万円、女性が約242万円となっています。また、25~29歳の平均年収は約362万円で、男性が約393万円、女性が約319万円です。年収1000万円というと、20~24歳の平均年収の約4倍、25~29歳の平均年収の約3倍で、簡単に到達できる金額ではないことがわかります。


20代から年収1000万円を目指す3つの方法
20代のうちに年収1000万円を達成するのは困難です。しかし、20代から計画的に収入アップの努力を重ねていけば、将来的に1000万円稼げるようになる可能性は高まります。ここからは、20代から年収1000万円を目指す方法について解説します。
1.現職で昇進・昇格するために必要なスキルを身に付ける
20代から年収1000万円を目指す方法として、現職で昇進・昇格するために必要なスキルを身に付けることが挙げられます。ただし、昇進・昇格を目指す前に、現職で1000万円を稼げる見込みがあるかどうかを確かめなくてはなりません。昇進・昇格が可能な学歴が備わっているか、現在勤めている企業に年収1000万円超の社員が複数いるかといった点を確認しましょう。
さらに、1000万円超の年収が実現可能な業界にいるかどうかも重要なポイントです。高収入が狙いやすい業界としては、ITや金融、マスコミなどが挙げられます。いくら社員数の多い大企業でも、業界によってはいつまでも大幅な昇給を望めない場合があるので気を付けてください。
また、現職を続けて1000万円超の収入に達するためには、スキルや経験を積み重ねていく必要があります。昇給・昇格には何が必要なのかを把握し、そのためにお金や時間を投資するとよいでしょう。語学力が必要なら英会話スクールに通う、経済的な知識が役に立つならFPの資格を取るといったように、資格取得やスキルアップのための自己投資を惜しまないことが肝心です。
2.高年収を望める業界・企業に転職する
20代から年収1000万円を目指すうえで、高収入が望める業界・企業に転職するのも一つの方法です。何十年も真面目に勤務し続けても、1000万円超の収入が得られない企業は残念ながらたくさんあります。そのため、1000万円以上の年収を目指すのであれば、現職でどこまで収入を上げられるのか、データを集めて推計してみることも必要です。その結果、希望する年収を得ることが不可能だとわかったときは、転職を検討するとよいでしょう。
転職先で活かせるようなスキルが備わっていれば、転職するだけで年収の大幅アップも期待できます。転職先を探す際は、希望する業界の状況や企業の業績などを十分に分析しておくことが重要です。思うように収入が上がらないからといって元の勤め先に戻ることはできないので、業界全体の需要や企業の将来性を正確に把握し、後悔のないようにしておきましょう。
また、平均年収1000万円以上の企業を選んで応募すれば、将来的に年収が1000万円に到達する可能性は高まります。とはいえ、平均年収が1000万円以上の企業は多くなく、競争も激しいです。一流企業に採用されるような優れた人材になることを目指し、日頃から努力を重ねることが大切です。転職が成功したとしても、油断していると周囲の優秀な社員についていけなくなる恐れがあります。1000万円以上の高収入を得るためには、スキルアップを続けることが前提条件なのだと考えておきましょう。
3.収入源を複数にする
20代で年収1000万円を達成するためには、収入源を複数にする方法も効果的です。前述のとおり、現職では何年働き続けても年収1000万円が見込めない場合、より稼げる仕事に転職するのが近道です。しかし、転職のリスクを強く感じ、現職を辞める勇気がなかなか出ないこともあるでしょう。
その場合、収入を増やすためには複数の収入源を確保する必要があります。休日などを利用して別の仕事をすれば、本業の給料と合わせて収入を上げることができます。ただし、なかには副業を認めていない企業もあるため、在籍している企業の就業規則を事前に確かめておきましょう。
副業の方法として、もっとも簡単なものがアルバイトです。また、派遣会社に登録して単発の仕事を探す方法もあるでしょう。その他、得意分野がある人はクラウドソーシングサービスを利用して仕事が受注できます。プログラミングやWebデザイン、ライティング、翻訳など、自分が対応できる分野で案件を探してみてはいかがでしょうか。収入源を複数にすることで収入をアップさせる場合は、世帯年収で1000万円を目指すとよいでしょう。


20代で年収1000万円を目指せる可能性がある業界
20代で年収1000万円を達成するのは困難ですが、方法次第で実現することもできます。現職では年収1000万円に届かないと判断した場合は、収入が多い業界への転職を検討してみてください。ここからは、20代で年収1000万円を目指せる業界の一部を紹介します。
外資系
20代で年収1000万円を目指せる業界として、まずは外資系が挙げられます。まだ年功序列の風土が根強い日系企業の場合、20代で年収1000万円を目指すのは難しいでしょう。一方、外資系企業は実力主義の傾向が強く、成果さえ上げれば20代でも大きな収入を得ることが期待できます。外資系企業で活躍するためには、英語をある程度使いこなせることが前提となります。
また、社員を守る意識の強い日系企業とは異なり、福利厚生が充実していない場合も多いので要注意です。能力不足でリストラされることも珍しくないため、高い志を持って仕事に取り組む必要があります。自分の能力に自信があり、外資系企業でも生き残れると思う人は、外資系への転職を積極的に検討するとよいでしょう。
商社
高収入が狙える業界として、真っ先に商社を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。実際に、日本を代表する5大商社の平均年収は優に1000万円を超えています。商社の年収が高い理由の一つに、海外に赴任した際にもらえる駐在手当があります。海外における生活費がすべて賄えるほどの手当に加え、通常の給料ももらえるため、一般企業を遥かに上回る年収となるのです。
海外駐在は20代から経験するので、商社に就職すれば20代で年収1000万円に到達することも夢ではありません。国内勤務の場合も、家賃補助などの福利厚生が充実しており、給与水準も一般企業に比べて高めに設定されています。ただし、給料がいいだけに競争率も高く、入社すること自体が難しい点に留意する必要があります。
金融
金融も20代から高収入を狙いやすい業界の一つです。特に、メガバンクや証券会社、保険会社などは給料が高いことで知られており、20代で年収1000万円を達成することも珍しくありません。高学歴の就職先として人気があり、一度金融業界に入ると、同じ業界内で転職を繰り返す傾向があります。
証券会社では、多くの企業が完全歩合制やノルマ制を導入しています。そのため、成果を上げられないとなかなか年収も上がりませんが、結果さえ出していれば問題ありません。平均年収が1000万円を上回っている企業も多いため、20代から高収入を狙うのであれば検討する価値があります。
マスコミ
大手広告代理店やテレビ局など、マスコミ関係も20代から年収1000万円を稼ぐことができる業界です。特に、全国ネットのキー局では20代の平均年収が1000万円を超えているため、確実な手段の一つといえるでしょう。ただし、マスコミ関係で収入がよいのは主に制作部門で、営業部門については一般企業とそれほど変わりません。高収入を目指すのであれば、制作部門での採用を狙うとよいでしょう。
なお、マスコミ業界の制作部門は稼げる代わりに激務であることが知られています。全国各地に飛び回って働く場合も多く、深夜までの残業も珍しくないため、プライベートな時間の確保は難しいです。体力や精神力に自信がない人は、せっかく入社しても激務に耐えられない恐れがあります。勤務先を決めるときは、収入だけでなくワークライフバランスについても考慮しておきましょう。


20代で年収1000万円を目指せる可能性がある職種
高収入を目指すうえで、若いうちから稼ぎやすい職種を選ぶことも重要です。ここからは、20代で年収1000万円を目指せる職種の一部を紹介します。
コンサルタント
成果主義の傾向が強いコンサルタントは、若手のうちから稼ぎやすい職種の一つです。戦略や経営、人事、ITといったように、コンサルタントにもさまざまな分野があります。それぞれの専門性を活かしたコンサルティングを行うことで、成果に見合った収入を得ることができるでしょう。なかでも、戦略系コンサルティングファームは高収入を稼ぎやすいといわれています。また、IT技術の発展・普及に伴い、大きな注目を集めているのがITコンサルタントです。ITに関する課題を解決するスペシャリストで、IT業界での人材不足を背景として大きな需要がある職種です。IT業界に強く、コンサルティング業に興味がある人は、ITコンサルタントも視野に入れておくことをおすすめします。
営業(フルコミッション)
フルコミッション、すなわち完全歩合制の営業も20代で高収入を稼ぎたい人におすすめの職種です。フルコミッションの営業は成果次第で収入が激しく左右されます。学歴や資格の有無にかかわらず、高い業績さえ収めれば誰でも高収入を目指せる公平さが、営業職の大きな魅力だといえるでしょう。主に自社の製品やサービスを売り込む営業では、高いコミュニケーション能力が求められます。人と関わるのが好きな人、説得力のあるプレゼンができる人は、フルコミッションの営業の求人を探してみてください。
営業職はあらゆるジャンルの企業にあるため、容易に転職先が見つかるというメリットもあります。営業としてのキャリアを順調に積んでいけば、転職先でマネージャーなどのポストを用意され、年収が大幅にアップする可能性もあるでしょう。営業としてのキャリアパスを意識しつつ、スキルの研鑽を怠らないことが1000万円以上の年収を維持し続ける秘訣です。


経営者
20代で年収1000万円を達成する方法として、起業して経営者になる道もあります。事業が軌道に乗れば、企業規模の拡大に伴って年収も上がっていきます。経営者の年収は一概にいえませんが、1000万円以上稼いでいる人も当然少なくありません。会社の業績に応じて自分で給与を決められるので、何千万円もの年収を得られる可能性があるでしょう。
ただし、起業する際はその難しさについても理解しておく必要があります。一般に、起業から5年以上会社が存続する確率は10~15%、10年以上存続する確率は5%といわれています。事業を起こす前に、業界で生き残るために何をすればよいのか、どのようにして利益を生み続けるのかなど、生存戦略をしっかりと練っておくことが肝要です。
フリーランス
20代から年収1000万円を目指すために、独立してフリーランスになるのも一つの方法です。フリーランスは特定の組織に属さず、専門的な知識やスキルを活かして業務委託などの形で労働力を提供します。世間的には「フリーランスは稼げない」というイメージがありますが、それは副業でフリーランスをしている人が多いためです。副業でフリーランスをする場合、本業が休みの隙間時間に仕事をすることになるため、なかなか高い収入は得られません。
一方、すべての時間を専門分野での仕事に充てられる専業フリーランスの場合、年収1000万円以上を稼いでいる人の割合は全体の7.4%に達しています。給与所得者で年収1000万円以上の割合が4.9%であることを考えると、専業フリーランスで1000万円以上稼いでいる人の割合は多いといえます。このように、副業でなく本業として従事すれば、フリーランスは決して稼げない仕事ではありません。
ただし、フリーランスで1000万円レベルの高収入が見込める業種は限られています。1000万円以上稼いでいる人が多いのは、コンサルタントやITエンジニアなどです。独立するのに十分なスキルを備えていることが前提となりますが、自分のスキルを武器として企業への営業活動もできる人なら、学歴や年齢に関係なく1000万円以上の年収が狙えるでしょう。
まずは適正な年収で働けるようにしよう
20代の平均年収は260万~360万円程度で、1000万円の高収入を得るのは現実的ではありません。いつか年収1000万円を実現できるように、今からできることを始めておくとよいでしょう。ただし、平均年収以下の職場に勤めている場合、将来的にも高収入を狙えない可能性が高いです。
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