転職活動の際に必要な書類の1つである職務経歴書。ただ、転職回数が多い場合、職歴をどこまでさかのぼるのが正解なのか疑問に思うことがあるのではないでしょうか。すべての経歴を記載することを手間に感じたり、転職回数が不利になるのではと心配になったりする方も少なくないでしょう。そこで今回は、職務経歴書の書き方について詳しく解説します。


目次
職務経歴書の書き方の原則
職務経歴書は、原則としてすべての経歴を書かなければいけません。まずは、この原則の部分から解説していきます。転職活動を成功に導くためにも、基礎からしっかり押さえていきましょう。
職務経歴書には「すべての経歴を書く」のが大前提
どこまでさかのぼるのが正しいのか悩むことがあるかもしれませんが、職務経歴書には「すべての経歴を書く」のが大前提です。短期離職が続いていたり年齢の割に転職回数が多かったり、非正規雇用(契約社員、派遣社員)の期間が長かったりすることを正直に書くと印象が悪くなるのではないかと心配になる方も少なくないでしょう。
ですが、フルタイムの仕事については嘘偽りなくすべて書くようにしましょう。そのため、これまで働いていた企業名や在籍期間を正しく把握しておく必要があります。
経歴を記載せずに省略した場合のリスク
すべて書き出すのが面倒だからと、経歴を省略してしまうのは少なからずリスクが伴います。経歴の中で長期の空白期間があれば、面接の場ではまず間違いなく質問されるでしょう。そこで意図的に職歴を隠していると判断されれば、経歴詐称になってしまいます。
採用担当者の心証はその時点で悪くなるため、不採用の可能性も生じてきます。ただし、学生時代や離職期間中のパート・アルバイト歴は省いても問題ありません。記載しなければいけないのは、フルタイムの仕事です。何を書くべきで何は省略してもいいのか、適切な職務経歴書の記載方法を正しく理解しておくようにしましょう。


職務経歴書の書き方のフォーマット
職務経歴書において、一般的に使われる書き方のフォーマットには「編年体式」「逆編年体式」「キャリア式」の3種類があります。また、それぞれの書き方にメリット・デメリットが存在しています。どのフォーマットが自分に合っているのか、それぞれ参考にしながら探っていきましょう。
スタンダードな編年体式
編年体式は時系列順に職歴を記入する書き方で、職務経歴書のフォーマットとして最も一般的です。特に転職回数が少ない場合は編年体式で書くのがおすすめですが、採用担当者にとっては最も見やすいフォーマットであるため、転職回数が多い場合でも編年体式で書くのが無難でしょう。編年体式で書かれた職務経歴書は履歴書の職歴欄とも時系列が一致しているため、採用担当者が一目見て経歴を把握しやすいです。
キャリア初期の経験をアピールしたい場合、印象づけられやすいといったメリットもあります。その一方で、最近の職務経験やスキル・実績をアピールしたい場合は、それらが後方に記載されることにより埋もれがちになってしまうのが難点とも言えます。
最近の職歴をアピールするなら逆編年体式
逆編年体式とは、現在から過去にさかのぼって職歴を書くフォーマットのことです。現在の職歴が最上部に来るため、直近のスキルや経験を強くアピールしたい人におすすめです。中途採用は即戦力となる人材を求めている傾向が強いことから、直近の経歴が企業の募集要件とマッチしている場合は逆編年体式で記載するのがよいでしょう。
過去の職歴が応募先企業との関連性が低い場合などにも有効です。転職回数が少ない人は逆編年体式にする理由がないので使わない方が無難でしょう。逆編年体式のデメリットとしては、時系列順ではないためキャリア初期からの成長過程が伝わりにくく、採用担当者によっては読みづらい印象を与えてしまいます。
実績やスキルを伝えたいならキャリア式
キャリア式は、職務内容やプロジェクトなど、一定の切り口ごとに分けて書くフォーマットです。転職回数が多く、編年体式や逆編年体式ではアピールしたいスキルや経験が埋もれやすい人に向いています。専門性の高い分野を自分の強みとして打ち出したい場合におすすめです。ただ、時系列で確認できないことや経歴がわかりにくくなることから、キャリア式を好まない採用担当者がいることも念頭に置いておきましょう。
仮に転職回数が多くても、よほどの理由がなければスタンダードな編年体式で書くのが無難です。もしキャリア式で書くならば、冒頭に略歴なども付記してわかりやすくするとよいでしょう。


【ケース別】転職が多い人の職務経歴書の書き方
転職を複数回繰り返しているため職務経歴書が書きづらいと感じる人は多いでしょう。実際のところ、書き方が悪ければ「すぐに仕事を辞めてしまう人」と見なされ、選考にも通りにくくなります。そこで本章では、転職が多い人向け・ケース別の書き方を紹介します。自分がどのケースに当てはまるのか考え、適切な職務経歴書の書き方を理解していきましょう。
短期離職がある職務経歴のケース
在籍期間が短かった経歴については、採用担当者に懸念を持たせる可能性があります。企業としては長く働いてくれる人材を基本的に求めているため、短期離職した理由についてしつこく質問されるケースもあるでしょう。そのため、短期離職があったことはなるべく職務経歴書に書きたくないと思う人もいるかもしれません。しかし、正社員として勤務したのなら、前述の通りすべての企業名を記載するべきです。遅かれ早かれ空白期間については、まず間違いなく面接の場で質問されるでしょう。
経歴を一部伏せていたことが後々判明すると、かえって不信感を与えてしまいます。退職理由を質問された時のための答え方をしっかり考えておくようにして、短期離職した会社も含めて経歴はすべて記載しましょう。
短期離職がある場合の職務経歴書の書き方
前章で紹介したフォーマットの中では、編年体式で記載するのがベターです。在籍期間が短く転職回数が多い場合は、キャリア式を選んでもよいでしょう。たとえ短期離職だったとしても、アピールできる実績を残しているのであれば自信を持って記載してください。
「何をどのくらいの期間やってきたのか」よりも「何ができるのか」にポイントを置くことが、短期離職がある場合のポイントです。早期に仕事を辞めてしまうことは一般的にはマイナスイメージに受け取られがちですが、他の部分で自分の強みを打ち出し、印象を補えるようにしましょう。また、書類において詳細な退職理由を明記する必要はありません。「一身上の都合により退職」と一言の記載で十分です。
面接の場で退職理由を改めて問われた際は、前の会社を貶めるような発言は控え、今後のキャリアへの前向きな姿勢が窺えるような言葉で説明できるようにしましょう。
職種がバラバラな職務経歴のケース
これまでの職種に一貫性がなく、転職理由を聞かれた際に困るというケースです。ただ、個々の転職理由や目的が合理的なものであれば、企業側はそれほど気にかけない場合もあります。一貫性がないことを逆手に取り、異なる職種・業種を経験したことによる応用力・対応力の高さをアピールするとよいでしょう。応募職種に関連するスキルや経験があるならば、それらを目立たせるような書き方にすると効果的です。
職種がバラバラな場合の職務経歴書の書き方
職種に一貫性がないとしても、仕事において自分が持っている意識や、共通している自分の強みがないかどうか洗い出してみましょう。これまでのキャリアを丁寧に振り返ると、表面的な職種ではなく、もっと潜在的な部分に一貫しているものがあるかもしれません。
例えば「どの会社においても、チームやプロジェクトの責任者を任されていた」「法人営業や接客・販売の経験を通して、取引先やお客様と信頼関係を早い段階で築ける力がついた」など、強みとしてアピールできる領域が見つかることがあります。
転職回数の多さに不安がある職務経歴のケース
転職回数が多いと、どうしても悪いイメージを持たれやすいでしょう。特に短期離職が複数回含まれていると、ストレス耐性を懸念される可能性があります。転職を成功させるためには、採用担当者が納得できる転職理由を個々に説明し、成長過程を伝えることが大切です。また、転職回数が多いとどうしても経歴の記載が冗長になりやすいため、メリハリをつけて書くことを心がけましょう。応募先企業の採用担当者に興味を持たれそうな職歴は、積極的にアピールしてみてください。
転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方
転職回数の多さをできるだけ目立たせたくない場合は、キャリア式で職務経歴書を記載するといいでしょう。自分がよりアピールしたい職域から順に書けるため、マイナスイメージを払拭しやすくなります。どうしたら自分が好印象に映りやすいか、自分の強みは何なのか、しっかりと言語化できるようにしておきましょう。より強くアピールしたい部分は文字量を多くし、全体で強弱をつけるのがポイントです。
また、複数回の転職を通して何を培ってきたのか、成長のプロセスを職務経歴書の中に盛り込むことも意識してみましょう。これにより、過去の転職が意味のないものではなく、未来を見据えたポジティブなものであることが伝わりやすくなります。


採用担当者の目を引く職務経歴書を書くには
自分が応募先企業にとって必要な人材であることをアピールすることで、書類選考の通過および内定を勝ち取れます。そのためにはまず、採用担当者の目に留まるような職務経歴書を書くことがポイントです。本章では、どんな職務経歴書が採用担当者を引きつけるのか、書き方のポイントをお伝えします。
企業のニーズに応える自身の強みを強調する
選考を通して企業にとって必要な人材と見なされれば、採用される可能性が高まるのは言うまでもありません。したがって、まずは企業ニーズを把握すること、そして企業ニーズに応えられる自身の強みをアピールすることの2点が重要となってきます。それぞれの点について、さらに詳しく解説します。
企業ニーズを把握する
企業ニーズを把握するために、入念な企業研究は欠かせません。求人票の募集要項のほか、会社ホームページなどもしっかりチェックしましょう。ホームページには、経営理念や社員インタビュー、売上状況を把握できる有価証券報告書などが掲載されていることがほとんどで、いずれも企業が何のために事業を展開し、そしてどんな人材を求めているのか、多くの情報を得ることができます。業界における立ち位置を把握するために、業界地図も調べておくとよいでしょう。そのほか、口コミサイトや転職エージェントなど、多角的に情報を収集してみることを意識しましょう。
強みをアピール
複数の企業を受ける際は、それぞれのニーズに合わせた職務経歴書を用意しましょう。アピールしたいポイントは企業によっても異なってくるはずなので、強みの書き方は適宜変化をつけていきましょう。自分にとっては最大限にアピールしたい強みがあったとしても、それが企業ニーズと一致していなかったら内定には結びつきません。どうしたら採用まで運べるか、自分と企業の矢印がぶつかって合致するポイントをよくよく見極めましょう。
職務経歴書の使い回しはNG
履歴書においても同様のことが言えますが、職務経歴書の使い回しはしないでください。「過去の職歴は変わらないから、職務経歴書も同じでいいのでは」と思う方もいるかもしれませんが、前述の通り、職務経歴書は企業ニーズに沿って作成する必要があります。もちろん企業ごとにニーズは異なるので、自ずと職務経歴書の書き方も変わってくるはずです。使い回された職務経歴書は熱意がこもっていないため、採用担当者の目にも留まりにくいでしょう。1つ1つの企業としっかり向き合い、毎回丁寧に職務経歴書を作成することを心がけてください。
実績だけでなく取り組み方にも職務経歴書に言及する
転職回数が多い人には、その分アピールできる実績がいくつかあるケースが多いです。また、ただ単に「目標を達成した」「業務効率化のシステムを開発した」と実績のみを記載するのではなく、具体的な数値を盛り込むのがポイントです。「前年度比150%の営業成績を達成した」「業務効率化によって特定の作業にかかる時間を40%削減した」など、採用担当者が理解しやすいように記載するといいでしょう。
この際、結果を出すためにどんな工夫をしたのかも付記するとより実績が伝わりやすいです。なお、実績をただ羅列するだけでなく、どのような取り組みをしたのかを詳しく記載することも大切です。企業が求めているポジションに見合う人材であることを、採用担当者がイメージできるような職務経歴書に仕上げましょう。
職務経歴書にどこまで書くべきかキャリアアドバイザーに相談
職務経歴書の具体的な書き方はわかったけれど、自分の経歴をどこまで書面に落とし込むべきか、イメージがつかないという方もいるでしょう。
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職務経歴書や履歴書といった、転職活動で必要な書類の書き方なども具体的に相談できるので、ぜひ活用いただくことをおすすめします。
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職務経歴書には今までの業務内容を全部書こう!
職務経歴書を書く時、どこまでさかのぼるのか疑問に思う人は転職回数が多いはずです。今までの経歴は、原則として編年体式で全部書きましょう。ただ、ケースによって適切な職務経歴書の書き方は変わってきます。企業のニーズを把握して自分の強みを強調し、実績だけでなく取り組みにも言及して記載しましょう。
職務経歴書の書き方に迷ったら、PaceBoxのキャリアアドバイザーからサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
