第二新卒が面接に受からないのには原因があります。原因を理解し、適切な対策を行うことで面接を通過できる可能性は広がります。本記事では第二新卒が面接を通過できない原因を説明し、さらにその対処方法についても解説します。


目次
第二新卒は受からない?
第二新卒とは一般的に、新卒で入社した会社を数年で離職した人、あるいは在職しながら求職活動を行っている人を指します。企業によっては求職中の20代を指すこともあります。
第二新卒の転職活動は、新卒で入った会社を早期に退職した・退職するという点が懸念材料です。企業からは、働く意欲が低い、コミュニケーション能力が低い、即戦力にはならないといったマイナスのイメージを抱かれることがあります。
一方、若手人材であることからポテンシャルを見込んでもらえる、新卒よりもビジネスマナーが身についている、組織の一員として働いた経験があるというように企業から前向きに捉えられることもあります。そのため、第二新卒として転職に成功して新しいキャリアに進む人も多くいます。つまり第二新卒での転職は必ずしも不利になるわけではありません。転職に成功するためには、第二新卒に対して企業が抱く印象を把握したうえで、しっかりとした対策を立てることが重要です。
第二新卒で書類選考や面接に受からない原因は?
そもそも第二新卒の採用を行っている企業は、第二新卒の特徴を理解したうえで採用活動をしています。そのため採用試験に受からないのは「第二新卒であること」ではなく、ほかに明確な原因があります。以下でその原因を解説します。
準備が不足している
書類選考で落ちてしまう場合は、書類選考に対する対策が不十分であることが原因のひとつです。書類選考では提出した書類を通じ、応募企業への志望度や理解度を確認されます。志望度の高さが伝わらず、応募先への理解も不足している書類では準備不足と言わざるを得ません。書類選考の書類は使いまわしをせず、応募先ごとに業界研究と企業研究を行い、自分の志望度の高さと企業への理解度をしっかりアピールする必要があります。
また自己分析が十分ではないために応募先に自分の特徴が伝わらず、企業から求める人材ではないと思われてしまうことも原因のひとつです。自分が転職先で何をしたいのかを明確にし、なぜ転職したいのかを的確に伝える必要があります。自分の強みと弱みを理解することも大切です。仕事をするうえで強みをどう活かし、弱みをどう克服したいのかを伝えましょう。
前職の退職理由を正直に答え過ぎている
転職の面接時には前職の退職理由を問われることがよくあります。この質問の意図は入社後にすぐに辞めてしまわずに働いてくれるかを見極めることです。退職にはネガティブな理由が含まれていることもあり、ときにはその理由を正直に話すことは必要です。
ただし他責的な伝え方をするのではなく、なぜ転職を決断したかを論理的に説明し、ポジティブな表現をするなど言い回しを工夫することが大切です。面接官にもポジティブな印象を与えられます。例えば退職理由が「自分が成長できないこと」であれば、なぜ志望企業では成長できると思ったかを説明しましょう。
ほかにも、面接で退職理由を上手く答えるためのポイントがあります。
・嘘をつかない
・触れない点を決めておく
・退職理由と今後のキャリアプランに矛盾がないようにする
・前職の不満や愚痴を言わない
・前向きな転職であることをアピールする
自分の能力を把握できていない
第二新卒の採用では前職の実績は重視されておらず、社会人としての基本的なビジネスマナーと本人の意欲、ポテンシャル、コミュニケーション能力に重点が置かれます。自分の志望する企業で活かせる強みをアピールすることもよいでしょう。
ただし面接時に自分の強みを過度に大きく表現することは避けましょう。第二新卒は社会人としての経験が数年しかないため大半の人は大きな実績がありません。企業も第二新卒に特筆すべき実績がないことを理解しています。そのため、例えば上司や先輩に指示されて行ったことをあたかも自分の実績のように誇張して話すと、自意識過剰で自己分析ができていない、自分の能力を客観視できていないなど、かえってマイナスの印象を与えてしまいます。
自分に合わない企業を選んでいる
自分に合わない企業とは大きく分けて2つのパターンがあります。ひとつは自分の実力以上の企業であることです。応募条件をまったく満たしていない企業に応募するなど、自分の実力以上の企業ばかり受けているために面接に受からないケースは少なくありません。レベルの高い企業を目指す向上心を持つことは決して悪いことではありませんが、自分の実力に見合わない企業ばかり受け続けるとなかなか選考を突破できません。まずは自分の実力に見合った企業を受けて内定を得ることが重要です。内定を得たという経験をすることで自信がつき次の面接によい影響を与えられます。
もうひとつは自分のやりたいこと、特性に合っていない企業です。そのような企業ばかり受けていると面接時に明確な志望動機を示せないため、選考を通過するのは難しくなります。転職して何を実現したいのかを整理したうえで、自分の特性を活かせる企業を選びましょう。
社会人としてのマナーができていない
第二新卒は新卒とは違い、すでに社会人としての経験があるため、社会人としてのマナーを見られます。気を付けるべき点は以下のとおりです。
・遅刻しない、早く着きすぎない
遅刻することは当然ご法度ですが、面接の時間よりも早く到着しすぎることも避けましょう。面接官の通常業務や準備の妨げとなり失礼にあたります。
・清潔感
体臭に気を付け、清潔感のある身なりや服装を心がけてください。髪の毛を整える、衣服のしわやよれに気を付ける、口臭対策をするなどしてください。面接の前に喫煙することや昼食に臭いの強いメニューを選ぶことなどはやめましょう。
・挙動不審な態度を取らない
貧乏ゆすりをしたり面接官と目線を合わせなかったりするのは避けましょう。相手の目を見て笑顔で聞き取りやすい声で話すようにしてください。
・言葉遣い
正しい敬語を使い、語尾を伸ばすなどのくせのある話し方は避けましょう。
・相手の話をよく聞く
相手の話の腰を折って話したり、質問の回答にならない的外れな回答をしたりするのは避けましょう。相手の話をよく聞き、何を問われているのかを理解し適切な回答をするよう心がけてください。


第二新卒の強みは?
第二新卒が転職活動をするうえで強みとなるのは主に以下の3点です。
・若さによる意欲の高さと柔軟性
社会人としての経験が浅いため新しいやり方や環境にも柔軟に対応して学ぼうという意欲が重視されます。素直さがあるため、上司や先輩の指導内容をよく聞き、スキルや知識を吸収しやすいのも強みです。
・将来性がある
年齢が若いため転職後に経験や努力をすることで成長できる可能性が期待できます。長く働けることも強みのひとつです。
・基本的なビジネスマナーが身についている
一度新卒として社会人経験があるため基本的なビジネスマナーが身についており新卒よりも教育のコストと人件費がかかりません。そのため新卒よりも早く即戦力になると期待してもらえます。
第二新卒が転職で受かるためのポイント
第二新卒の転職活動で上手くいかない場合は、受からない原因を精査し分析する必要があります。そうすることで受かるための対処法が見えてきます。
面接を振り返ってみる
面接を受けた後は一社ごとに振り返りの時間を作ってください。面接官の質問と自分の回答を箇条書きにして書き出し、面接官の質問の意図やそれに対する自分の回答の足りなかった点を明確にしましょう。
とはいえ、自分一人で完璧に面接官の質問の意図を理解し、自分の回答の改善点を見つけることは容易ではありません。そんなときはキャリアアドバイザーに相談することも選択肢のひとつです。プロの目線から客観的に改善点を教えてもらえ、次の選考に活かせます。
自身の強みを分析・理解する
「第二新卒の強みは?」で記したように、企業が第二新卒を採用するのには基本的なビジネスマナーが身についていること、若さゆえの柔軟さとポテンシャルがあることへの期待があります。選考を突破するには、第二新卒ならではのメリットや強みを理解し、それを踏まえた自己PRを行うことが大切です。
加えて資質や保有スキルを踏まえたアピールを行うのも効果的です。例えば営業職であればノルマを達成できる人材であること、英語を使う職場であればTOEICの点数などで語学力の高さをアピールするなどすれば説得力が増します。
また、企業が第二新卒に抱く不安を理解し、不安を払拭するようなアピールをする必要もあります。第二新卒は新卒で入社した企業を数年で退職しているため、忍耐力や意欲に不安を抱かれがちです。そのため、退職の理由を正直に説明しながらも反省するべき点は真摯に受け止め、ポジティブな理由での転職であること、仕事に対する意欲があることをアピールする必要があります。
第二新卒を積極採用している企業を選ぶ
第二新卒ならではのよさを理解し、第二新卒を積極的に採用している企業に応募することで選考を通過できる可能性が高まります。企業が第二新卒を採用する理由としては若い人材を求めている、多様性のある人材が欲しい、新卒時に企業とのミスマッチにより退職した優秀な人材を獲得したい、などがあります。こうしたニーズがある企業へ応募することで、マッチングの可能性が高まります。
また、前述のとおり、企業は第二新卒に対して基本的なビジネスマナーが身についていることを期待しています。例えばベンチャー企業やスタートアップ企業は大企業と比べて教育コストや人材コストをかけられないため、第二新卒の需要が高い企業の代表格です。
企業が第二新卒を積極採用しているかを知る方法としては、企業研究をする、企業の採用ページを見るといった方法があります。また企業がどのような目的で第二新卒を募集しているかも理解する必要があります。募集背景を判断するのが難しい場合はプロの意見を参考にすることも有効です。
企業研究を行い志望動機を練る
第二新卒の転職活動では熱意やポテンシャルを見られるため、選考を通過するためには企業に自分の熱意や意欲を伝える必要があります。そのために重要なのが企業研究です。企業研究を丁寧に行うことで、志望企業の特色を理解していることを示せるため、企業に対する関心の高さや志望度の高さが伝わります。
企業研究をしたうえで志望動機を練ることも重要です。その企業でどのようなことを実現したいのか、自分の強みをどのように活かせるのかを明確にできます。このとき、企業目線に立った志望動機を作成することが大切です。自分を採用することが企業にとってメリットがあると示せる志望動機を考えてください。
面接対策を十分に行う
面接に受からない場合は企業研究や自己分析を一から行い、志望動機を作り直しましょう。まずは自己分析をして自分の強みと弱み、価値観を整理します。そのうえで自分の個性が志望企業でどう活かせるのか、自分を採用することでどのようなメリットがあるのかを論理的に説明できるようにしてください。
また面接時の振る舞いや受け答えを見つめ直す必要もあります。面接時には社会人としてふさわしい振る舞いやマナーを意識し、ハキハキと相手の目を見て話せるように練習してください。家族や友人に面接官役となってもらったり、録画や録音をして見返したりするとよいでしょう。
自己分析や面接時の受け答えについて客観的な視点でアドバイスをしてほしい場合は、プロのキャリアアドバイザーに相談するのもよいでしょう。第三者のプロの目線から志望動機の構成や面接の話し方、回答の仕方などについてアドバイスをもらえます。
転職支援サービスを活用する
転職支援サービスではプロに相談しながら効果的な転職活動をサポートしてもらえます。主な支援内容は以下のとおりです。
・キャリア相談
仕事に関する考え方や現在感じている不安を一緒に深堀し、明確にしてくれます。今後の方向性が明らかになるため、自分にマッチした企業を探せます。
・転職活動の進め方のアドバイス
効率的に転職活動をするための計画の立て方や転職活動で生じる問題への対処方法などについて、アドバイスを得られます。
・履歴書や職務経歴書の作成のサポート
履歴書や職務経歴書の書き方や書く内容についてのアドバイスをもらえたり、実際に添削してもらえたりします。
・キャリアプランの提案
自分一人だと気づけないようなキャリアの選択肢を提示してもらえるので、自分に合った企業に出会える可能性が高まります。
・面接対策
事前に面接でよくある質問に対する受け答えの練習ができたり、好印象を与える面接での振る舞いについてのアドバイスをもらえたりします。
・応募の際の推薦コメント
キャリアアドバイザーに自身の魅力が伝わるような推薦コメントを書いてもらえることで、選考通過の手助けとなります。


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・Q2.「転職活動でも自己分析って必要?」
A.転職活動でも自己分析は大変重要です。自己分析をすることで、自分の目指す方向性を明確にできる、本当に転職が自分にとって必要なのかわかる、自分に合った企業を見つけることができる、といったメリットがあります。また選考を受けるうえでも自己分析をすることで受け答えに説得力をもたせられます。第二新卒の場合は新卒のときとは異なり、社会人経験が加わっているため、自己分析をすることで新たな発見があるはずです。
・Q3.「面接対策って、一体何をしたらいいの?」
A.第一印象をよくすることと、伝わる話し方を意識することが重要です。第一印象は見た目と話し方によって決まります。また、よくある質問に対する回答や逆質問の内容を事前に準備することも大切です。
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第二新卒の転職は応募先の企業でどのような人材が求められているのかを理解したうえで対策を行うことが重要です。そのためには自己分析や企業研究、面接対策といった入念な準備が欠かせません。適切な計画を立て、転職活動を行うことで、転職を成功させられます。
