転職後1週間で「辞めたい」と思ってしまわないか、不安を感じることはありませんか?職場の人間関係や社風など、辞めたくなる理由はさまざまです。しかし、早期退職には今後の転職活動や収入面でリスクがあるため、できる限り回避したいところです。本記事では、早期退職のリスク、リスクを回避するための心がけについて解説します。


目次
転職後1週間目で辞めたいと思ってしまう理由とは?
転職後、慣れない環境で疲れを感じたりストレスを感じたりすることもあるでしょう。入社してから間もなく「辞めたい」と思ってしまう主な理由を紹介します。
職場の雰囲気や人間関係になじめない
悪口や愚痴が絶えない、空気が殺伐としている、上司や同僚の態度が冷たいなど、職場の雰囲気や人間関係になじめないことは、辞めたいと思ってしまう理由のひとつです。実際に勤務して体感しないと分からないことも多いので、「職場の雰囲気になじめるか」「人間関係が上手くいくか」という点に、入社前から不安を感じてしまうこともあります。
入社後になじめないと感じても新人に冷たかったり社内に相談できる相手がいなかったりする場合や、自分が悪口を言われる対象になってしまうこともあります。気持ちよく働けない状態が続くと、本来のパフォーマンスを発揮できません。
不安やストレスがどんどんたまっていき周囲に相談もできない状態が続くと、辞めたいと思ってしまうのも無理はありません。
実際の仕事内容が入社前に聞いたのと違っていた
入社前に聞いていた仕事内容と実際の仕事内容が違っていて、辞めたいと思ってしまうことがあるかもしれません。雇用契約時に決まっていた配属先を入社後に変えられた、面接時に伝えられていた業務と全く異なる業務を任されているといった場合は、不満を感じて当然です。
自分がイメージしていた仕事内容と会社側の定義が異なっていたということも起こり得ます。例えば、「軽作業」と書かれた求人に応募し、簡単な作業をイメージしていたのに、企業側は自社製品の中で軽いものを取り扱う作業と定義していたため、食い違いが生じるケースです。
また、仕事内容ではなく、給与や雇用形態などの条件が入社前と違っていたというケースもあります。承諾していないのに企業側に条件を勝手に変えられたという場合は、会社側に問題があります。労働基準監督署への相談を検討しましょう。
仕事をうまくこなせない状況がつらい
前職では仕事ができるほうだったのに、転職先ではほかの社員と同じように仕事をこなせなかったり思うように活躍できなかったりすると、情けなさを感じて辞めてしまいたくなるケースもあります。
しかし、転職後1週間で落胆し辞めたいと思うのは早計のこともあります。特に、成果主義を掲げているベンチャー企業や外資系企業は仕事のレベルが高く、「ついていけない」と感じることがあるかもしれません。そのような企業ではすぐに能力を発揮することは難しいため、落ち込むよりも、仕事を早く覚えて貢献しようとする姿勢が大切です。
また、ほかの社員と比べないことも重要です。仕事をうまくこなせないと感じても、周りの社員はすでに何年もその仕事に取り組んでいるため、慣れているのは当たり前です。誰しも仕事に慣れるまでは一定期間必要です。すぐに悲観せず、今は研修期間だと思い、周囲と比較せず仕事に向き合っていきましょう。


転職後1週間で退職はできる?早期退職のリスク
結論から言うと、転職後1週間で退職を申し出ることはできても、退職することは原則できません。退職はいつできるのか、早期退職のリスクにはどのようなものがあるのかを紹介します。
退職は申し出から2週間が原則
正社員で働いている方は、法律上は申し出から2週間経たないと退職ができません。民法第627条1項では、「雇用期間の定めがない場合は、いつでも解約の申入れをすることができる」「雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められているためです。
しかし、法律上は2週間前に申し出れば退職できるものの、実際は会社の就業規則に従う傾向があるため、2週間での退職は難しいこともあります。退職理由やその会社の給与形態、引き継ぎの有無などによっては1~2ヶ月ほど辞められない場合もあります。
退職理由に関しては、体調不良や家庭の事情などやむを得ない理由であれば会社側は認めざるを得ませんが、中には強引に引き留められたり、退職願を受け取ってもらえなかったりすることもあります。正当な理由があるのに退職の申し出を受け入れてもらえない場合は、労働基準監督署へ相談しましょう。
早期退職が続くと転職活動が厳しくなる
早期退職する際は、今後の転職活動が厳しくなるリスクがあることを理解しておきましょう。特に、「職場になじめなかったから」という理由で早期退職を繰り返してしまうのは大きなリスクです。転職活動で退職理由を聞かれた時に、ストレートに理由を言ってもあまり説得力がありません。
「また職場になじめずすぐに辞めてしまうのではないか」「協調性がないのではないか」などと思われて、採用率が下がる恐れがあります。早期退職の多さは転職活動において不利になりやすく、転職活動が難航し空白期間ができると、状況はさらに厳しくなってしまいます。
収入面でもリスクがある
早期退職は転職活動が厳しくなる以外に、収入面においてもリスクがあります。中途採用者の給与は、前職での経験やスキル、過去の実績などから決定されることが多いため、経験やスキルが乏しいまま早期退職をして再就職する場合、「経験やスキルが乏しい=未経験者」として扱われて給与が減ってしまう恐れがあります。
企業によっては、転職後しばらくの間は試用期間として給与が本給より低く設定されていることがあります。早期退職を繰り返せば試用期間の状態が続き、年収はその分低くなってしまいます。


早期退職を回避!転職後1週間目に心がけたいこと
早期退職は、行動に気を付けることで回避できることもあります。「コミュニケーションをとる」、「社内ルールを把握する」など、転職後1週間目に心がけたいことを具体的に紹介します。
挨拶や自己紹介など積極的にコミュニケーションをとる
職場で良好な関係を構築するには、コミュニケーションを積極的にとる姿勢が非常に大切です。まずは自己紹介をして自分のことを知ってもらいましょう。
自己紹介のコツは内容を簡潔にまとめて、笑顔でハキハキと話し、実績や自己アピールを長々と話すのは避けることです。たった1分の自己紹介で第一印象は左右されるため、よい印象を残せるように心がけましょう。
自分から大きな声で挨拶をする、相手の名前を呼ぶ、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)をするなどは基本的なことですが、これらは非常に重要です。
自分を知ってもらうこと、そして、相手を知ることで会話は増え、打ち解けやすくなります。周りの人達と積極的にコミュニケーションをとり、「話しかけやすい人だ」という印象を持ってもらいましょう。
職場を観察して人間関係や社員の性格を把握する
新しい職場では、同僚と早く親しい関係を築きたいと思うかもしれませんが、いきなり馴れ馴れしく接するのはやめましょう。初めは丁寧な対応を心がけ、徐々に距離を縮めることが大切です。
まずは職場を観察して、社員の性格や社員同士の関係性、パワーバランスなどを把握しましょう。社員の性格や関係性を知るには、一緒に休憩や昼食をとり、会話を重ねるのが効果的です。
職場の人間関係が分かれば、同僚や上司との接し方を掴めるはずです。相談しやすい相手や仕事をするうえでのキーマンを見極めることで、業務も円滑に進みます。
社風や社内ルールを把握する
社風や社内ルールは企業によって異なるため、前職の社風や社内ルールを持ち込むのはやめましょう。マニュアルや資料を読み込んだり上司や先輩に聞いたりして、その企業の社風や社内ルールに合わせる必要があります。
前職のやり方のほうがよかったと思う場面があったとしても、前職の話を持ち出すと印象が悪くなってしまいます。改善したい点がある場合は、社内ルールに従ったうえで違うやり方を提案するという方法が有効です。
社内ルールを早く覚えようと努力をすれば、周りの人達からは、「飲み込みが早い」「努力家」という印象を持ってもらえるメリットがあります。マニュアルや資料を見ながら覚えられることは早く覚え、社風や社内ルールを把握することで、信頼も得られます。
分からないことは質問して覚える
新しい仕事に取り組むときは、分からないことが出てきて当然です。分からないことは早めに解消しておかないと、時間が経つにつれて聞きにくくなったり、業務に影響が出たりすることが懸念されます。分からないことを聞けるのは入社して間もない時期の特権でもあるため、何でも積極的に質問して教えてもらいましょう。
人に教えてもらうことに恥ずかしさや情けなさを感じる必要はありません。人に聞いて教えてもらうことは、重大なミスを避けるためにも欠かせないことです。教えてもらったことは忘れないように、メモをとる、復習するという姿勢を大切にし、しっかりとインプットしましょう。
無理はせずに仕事に慣れていく
早く成果を出して即戦力になりたいと思っても、頑張りすぎるのは禁物です。プライベートな時間や睡眠時間を削ってまで仕事に打ち込むことはおすすめできません。無理をした状態での仕事が評価されたとしても、長続きせず後から大変な思いをするだけです。勤務時間中のパフォーマンスが落ち、周囲からは生産性が悪いと見られてしまうリスクもあります。
最初のうちは、社風や社内ルールを把握し、与えられた仕事を無理のない範囲で着実にこなしていくことが重要です。業務量が多く大変だと感じたら、早めに上司や同僚に相談しましょう。


ミスマッチを防ぐ!転職先選びのポイント
早期退職を回避するには、転職先を選ぶ際にも気を付けるべきことがあります。ミスマッチが起こらないようにするための転職先選びのポイントを解説します。
転職する目的や理由を明確にする
「年収が低い」「社風が合わない」「キャリアアップできない」など、現職での不満を洗い出すことで、会社選びの軸を把握しやすくなります。そのうえで、なぜ今転職したいのかという目的や理由を明確にしましょう。
転職活動をスタートする際、軸を定めることは非常に重要です。なぜなら、何を軸にするかによって選ぶ会社が異なってくるからです。収入、仕事内容、勤務時間、社風、福利厚生など、重視したい条件は人それぞれ異なります。自分が譲れない条件をピックアップして、優先順位をつけましょう。細かく優先順位をつけることで、転職先で重視したい条件が明確に分かります。転職する目的や理由をはっきりさせることで、自分にとって好条件の企業が見つかるはずです。
自分の市場価値を把握する
転職市場において自分がどれだけの価値があるのかを把握しましょう。転職市場には需要と供給が存在しますが、企業が求める市場価値(需要)と自分が思っている市場価値(供給)にはギャップが生じやすく、ミスマッチにつながる原因となります。
ミスマッチを防ぐには、自己分析と企業分析を徹底的におこなう必要があります。自己分析では自分の得意・不得意分野、やりたい仕事とその理由などを深掘りし、自分を客観的に評価しましょう。
企業分析では、会社が何を求めているのかを確認します。企業情報や事業内容、競合他社との違いなどは把握しておくべきポイントです。それぞれの分析後、企業が求める条件に自分は当てはまるかをチェックし、当てはまっていれば需要と供給は一致しています。
しかし、自分で分析するのは難しい、自分の市場価値を判断しにくいという場合は、キャリアアドバイザーに相談し、アドバイスをもらうのがおすすめです。自分の経験や希望を伝えれば、市場価値を客観的かつ的確に判断してもらえます。
会社見学や面接時の質問で仕事内容を把握する
職場の環境や雰囲気は、求人情報だけでは分かりにくいため、可能であれば面接時に会社見学をさせてもらいましょう。前もって見学しておくことで、入社後のギャップを減らせます。社風や社員の雰囲気、社内や備品の清潔さなどを重点的にチェックしておくと安心です。
面接時や見学中に具体的な仕事内容も聞いておけば、働くイメージが描きやすくなります。会社側は案内するスタッフを手配したり機密情報を片づけたり準備が必要な場合もあるため、会社見学を希望する場合は、事前に申し出るようにしましょう。
自分に合った転職先を探して、1週間目は慣れることから始めよう
転職後すぐに辞めたくなるのは、その職場が自分に「合わない」と思い込んでいることが考えられます。
退職や再転職は最終手段にして、1週間目はまず慣れることに集中しましょう。転職には、自分に合った転職先と出会える転職支援サービス、PaceBoxの利用がおすすめです。
