いざ転職を考えるとなれば、採用面接のためにビジネススーツを身につける必要が出てきます。ボタンの留め方、面接にふさわしいコーディネート、髪型や名刺の受け取り方など、もう一度しっかりマスターしておきましょう。なお、面接時におけるボタンのマナーは提唱者によって異なるため、あくまで参考程度に押さえておいてください。


目次
【男性】面接時のスーツのボタンはどうする?
面接の際にスーツのボタンは留めておくべきですが、留めておくべきボタンはスーツのボタンの数によって異なります。
また、スーツのボタンひとつをとっても、その扱い次第で相手に与える印象は雲泥の差。転職者本人はあまり構わなかったり見落としがちだったりするにもかかわらず、面接官のほうでは意外にしっかりとチェックしているのが身だしなみです。ここでは、男性スーツのボタンについてのマナーをレクチャーします。
入室時のボタンのマナー
男性用ビジネススーツスーツには、さまざまな形や種類があります。スーツの形をおおまかにわけると次の4種類です。
- 1つボタン
- 2つボタン
- 3つボタン
- ダブルブレスト
1つボタンタイプのスーツの特徴は、もっともドレッシーで優雅な形であること。モーニングコート、フロックコート、タキシードなどのフォーマルな装いのスーツには1つボタンが採用されています。このような1つボタンのスーツはどちらかというと華美なイメージがあり、ビジネスシーンにはなじみません。
ビジネス用スーツを購入する多くの人が選ぶのが、ベーシックな2つボタンのスーツです。はじめてスーツを購入するなら、無難な2つボタンスーツをおすすめします。
2つボタンのスーツを着用した場合、ボタンを留めるのは上だけで、下のボタンははずしておきます。下のボタンは襟を合わせるためのものでなく、単なる装飾と考えられているためです。
クラシカルな印象のある3つボタンのスーツの場合は上二つのボタンを留め、一番下をはずしましょう。一番下までボタンを留めるとスーツのシルエットが崩れてしまいます。
最近では、一番上のボタンが下襟の中に隠れている「段返り3つボタンスーツ」を着用する男性も多く見受けられます。このタイプのスーツでは、ボタンを留めるのは真ん中のみ。ちなみに上のボタンまで留めるとウエストあたりにしわが寄り、だらしない印象を与えてしまいますので気をつけましょう。また、ダブルブレストという左右二列にボタンがついたスーツがありますが、こちらの形はカジュアルな印象があるため可能であればシングルブレスト(2~3つのボタンが一列になっている)を着用しましょう。
面接官は採用希望者の「身だしなみ」を案外見ているものです。好印象を与えるためにも、第一ボタンはしっかり留めておきましょう。
着席時のボタンのマナー
以上のほかにもビジネススーツには細かい「ボタンマナー」が存在します。そのひとつが「一般的なビジネスシーンでは着席時にはボタンをはずす」というマナーです。
中途採用の場合は、フレッシュさをアピールする必要はありません。はずしたほうがビジネスマナーに適っているということになりますが、どちらにするか迷った際は、面接担当者の所作に合わせるというのもひとつの手かもしれません。
心理学において、好意をもつ相手と同じ動作をしてしまうことを「ミラー効果」「ミラーリング」といいますが、相手に親密さをアピールするためにミラーリングをおこなうといったコミュニケーションテクニックも活用できます。


【女性】面接時のスーツのボタンはどうする?
ここでは面接時における女性スーツのボタンマナーをレクチャーしていきます。
入室時のボタンのマナー
女性の場合も、はじめてスーツを購入する際におすすめなのは、ベーシックな2つボタンのスーツです。新卒のみならず、転職採用の面接の際にも2つボタンスーツが適しています。
女性スーツの場合、男性のようにアンボタンマナーを適用せず、基本的にどのボタンも留めておくのが好ましいとされています。女性スーツは女性らしい体型に合わせて、すべてのボタンを留めたとき、いちばん美しいシルエットになるよう計算されているからです。
着席時のボタンのマナー
ビジネスシーンにおいて、女性がスーツのボタンをはずすことはあまりありません。新卒・転職に関係なく、面接時、着席する際もボタンは留めたままでOKです。あえてはずす必要はありません。


ボタン以外にも気を付けたい! 転職面接時の身だしなみ
転職面接の際、気をつけるべきはボタンルールだけではありません。面接官は事細かに身だしなみをチェックしていることが多いもの。気を抜かず、準備万端に整えましょう。
以下に示す、身だしなみの3原則を参考にしてください。
- 清潔感を心がける
- ビジネスシーンにおけるTPOを守る
- 全身のトータルバランスに配慮する
清潔感とTPOを守ることは、人に不快感を与えないという観点からも大切なことです。ビジネスシーンだけでなく、社会人全般のマナーでもあります。全身のトータルバランスに関しては、玄関に姿見を置いておき、外出時に全身をチェックするのもおすすめです。
男性の身だしなみの基本
新卒の際に選ぶ、いわゆる「リクルートスーツ」はフレッシュさをアピールするものなので紺色が主流。爽やかな印象のあるストライプ地を選ぶ人も多いでしょう。
転職の際はそうしたリクルート仕様のスーツは避け、ダークカラーの無地のスーツを選ぶのが基本です。ネクタイはスーツの色に合わせ、できるだけシンプルな柄にすることで、面接官に落ち着いたイメージを与えられます。
スーツに合わせるのは淡い色のシャツがいいですが、さらに好印象をアピールするなら、清潔感のある白いシャツがおすすめです。紐付きの革靴を履いていくと、身だしなみに気をつかえる人物だと印象づけることもできるでしょう。
女性の身だしなみの基本
女性の転職の場合も、男性同様、基本的には落ち着いた色と柄のスーツを選びます。
ボトムスは個人の好みでパンツでもスカートでもかまいませんが、華美な装飾がついたものや、個性的な形のものは避け、フォーマルシーンに適したものを着用しましょう。
スーツが落ち着いた色である分、トップスは肌色を明るくみせる効果のある白無地のものを選ぶのがおすすめです。足下は、肌の色が隠れてしまう厚手タイツではなく、透明感のあるストッキングのほうがより快活な印象を与えてくれます。黒や紺でなく、明るすぎず暗すぎず、肌色になじむナチュラル系カラーが健康的なイメージで望ましいでしょう。
【男女共通】清潔感のある髪型を心がける
面接時には、清潔感あふれる身だしなみで臨みたいものです。髪色は黒とするのが基本ですが、褐色や焦げ茶など暗めのカラーリングなら昨今では問題ありません。前髪は目にかからない長さに整えることで、表情を明るくみせられます。
ロングヘアの女性は、おくれ毛がかからない状態のアップスタイルに髪をまとめると、ビジネススーツとのバランスがよくなります。
男性もワックスなどを軽くつけ、セットしたほうがスーツとのバランスがとれます。寝癖やフケにも気をつけましょう。


転職面接時のNGマナーを知っておこう
転職面接の際には、身だしなみ以外にも気をつけたいことがあります。ここでは、面接時におけるNGマナーについて解説します。
名刺の受け取り方を知らない
社会人でも、意外と知らないのが名刺を受け取る際のマナー。新卒ならともかく、転職活動において名刺の受け取り方を知らないと、面接官に「この人は基本的なビジネスマナーが身についていない」と思われかねません。
名刺を受け取る際は必ず両手を添えるようにしましょう。片手で受け取ったり、机を挟んで受け取ったりするなどのNG行為は禁物です。名刺を受け取る際は軽い会釈をし、受け取った名刺は自分からみてテーブルの左におきます。テーブルがない場合は、軽く見てから名刺入れにしまいます。
聞き取りにくい話し方で話す
面接では、おもにコミュニケーション能力を見られていると考えて差し支えないでしょう。過不足なく、的確に自己アピールできる「話し方」ができれば、相手に興味を持ってもらえます。
声が小さい、口を開けきらず、ぼそぼそと聞き取りにくい話し方をするなどは御法度です。鏡を見ながら、ハキハキと聞き取りやすい声のボリュームで好感度の高められるような話し方をするように心がけましょう。鏡を見ながら話し方を研究するのもおすすめです。
ネガティブな表現を使う
転職採用面接の際、応募した会社をたてようと、前職(現職)に対するネガティブ発言をしてしまう人も少なくないようですが、逆効果です。相手に暗い印象を与えてしまうばかりか、「採用してもすぐに辞められてしまうのでは?」「他社の面接を受ける際には自社の悪口をいっているのでは?」などと勘ぐられてしまいかねません。
たとえ謙遜の意味をもった発言でも、ネガティブなワードをつかうことは避け、あえてポジティブに言い換えて発言することで、熱意のある、意欲的な人だと採用面接官に印象づけることができます。
また、相手の目を見る、相槌をうつなどのリアクションは、実は話すこと以上に大事なコミュニケーションです。「人の話をきちんと聞いている」「こんな人と一緒に働きたい」と面接者に思ってもらえれば、面接は及第点でしょう。


見落としがちなボタンも身だしなみのマナーとして気をつける
ビジネスマナーとして、男性にはスーツの種類やTPOに応じてボタンをはずすルールがあり、女性の場合は、新卒・転職関係なく、スーツボタンは留めたままにしておくことが基本です。
この先、ビジネスマナーや面接時に不安や迷いを感じたら、経験豊富なPaceBoxのキャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
