転職を実現させるために、Web面接について気になっている人は多いのではないでしょうか。本記事では、面接を控えた人に向けて、面接官に好印象を与える工夫、起こしやすい間違いなど、気をつけたいポイントを紹介します。とりわけ印象を大きく左右する「背景問題」について詳しく解説します。成功のためのちょっとした知識を確認して、実践に生かしてください。


目次
Web面接時の背景は採用に影響する可能性がある
Web面接(オンライン面接)において、画面の大部分は背景で占められます。そのため、面接官から見て、Web面接における背景の様子は応募者の印象を左右する重要なポイントになります。
部屋が整然としていれば几帳面な印象を与えられますし、部屋が汚いとだらしない印象を与えてしまいます。Web面接では対面の面接とは異なり、面接官は応募者の立ち振る舞いなどをあまりチェックできません。その分面接官は、背景の様子も含めて画面から見える些細な情報でも採用の判断材料として拾い上げようとします。
そのため、面接官に自分の印象を少しでも良く見せるには、背景にも気を配ることが重要です。Web面接に臨む前には、面接で使うPCやスマートフォンを使って、面接時に背景がどのように映るのかチェックしておくようにしましょう。
Web面接で避けるべきNG背景
では、Web面接で面接官に悪い印象を与えないようにするにはどうすればいいのでしょうか。Web面接に臨む際には、以下の点に注意することが必要です。
1. 逆光になる背景
最初に気をつけたいポイントは、窓や照明などによる光の加減です。たとえば遮光性の低いカーテンを背景にしていると、窓からの光で逆光になってしまうことがあります。逆光があると部屋自体が暗くなり、自分の顔も暗く映るため、第一印象が悪くなってしまう原因になります。
反対に光が入りすぎていても、映像が眩しくぼやけてしまうので、それはそれでカーテンやブラインドなどの開閉具合を調節する必要があります。このことから、Web面接をする際には照明や窓との位置関係や、光の入り具合などに注意し、自分の顔が適度に明るく見えるように調整することをおすすめします。
2. 派手な柄・色が入った背景
視覚的に邪魔にならないような背景にすることも重要です。後ろに主張の激しい柄や色があると、面接官は話に集中できなくなる恐れがあります。壁紙やカーテン、背景に入り込むアイテムなどに該当するものがないか確認するようにしましょう。
ポスターや壁飾りなども要注意です。個性的で派手なポスターや壁飾りは、時に面接官が話に集中するのを妨げてしまうことになります。結果的に面接官の心証を悪くする結果につながります。そのため、画面に映りこまないようにするか、面接前に取り外しておいたほうが良いでしょう。逆に賞状やトロフィーなど、自己アピールに繋がるものであれば、それとなく飾って背景に映すのもひとつの手法です。
3. 自分以外のものが動いている背景
自分の部屋に適切な場所がないなどの理由で、自室以外の場所でWeb面接を受ける人もいます。それは有効な方法のひとつではありますが、選定する場所には注意しなければなりません。たとえば、学校のラウンジやカフェを選んでしまうと、学生や客など自分以外の人や物が画面に映り込んでしまいがちです。
このような背景は、自分自身も面接官も気が散ってしまうので避けることをおすすめします。ホテルの部屋やレンタルスペースの会議室、ネットカフェの個室ブースなど、余計な人や音が面接の邪魔をしない場所を選びましょう。なお、家族などと同居している場合も、面接中は部屋に入ってきたり、大きな音・声を出したりないように前もってお願いしておくのが大切です。
4. 生活感がある背景
「部屋が汚い」「洗濯物や食器などが出しっぱなしにしてある」など、あまりにも生活感がある背景は避けることが重要です。クローゼットや本棚などが多少映り込む程度なら問題ありませんが、上記のように生活感のある空間は、面接という公的な場に相応しくありません。それはだらしない格好で面接に行くのと同じことです。
面接官から「社会人としてのマナーが身についていない」と思われてしまわないように、映り込む範囲だけでも綺麗に片付けておきましょう。面接の場にふさわしい身なりや環境を整えることは、Web面接の基本的な心構えとなります。


Web面接に適した背景
これまで解説した背景に関する基本的な心構えを理解しておけば、面接で大きな失点を付けられることはないでしょう。その上で、面接時において以下のような場所を選定することが背景選びのポイントとなります。
白い壁
Web面接の背景で、もっともおすすめするのは白い壁や背景です。白色は、清潔、新鮮、真面目、爽やかといったイメージを見るものに与えます。結果、面接を受ける人の好感度のアップにつながります。また、背景が無地ですっきりしていると、面接官も質疑に集中できます。白い壁がなくても、ベージュや薄いグレーなど、白に近い色があれば、同じような効果が見込めます。
白や淡色のカーテン
白い壁がなかったり、壁の汚れが気になったりする場合は、白や淡色のカーテンを背景にするのがおすすめです。白いカーテンでも壁と同様に清潔でスッキリした印象を与えられます。ただし、カーテンの遮光性が高くないと逆光になりやすいので注意が必要です。カーテンの汚れが気になる場合は、事前に洗濯しておくか、次に挙げる方法を選びましょう。
白い布や紙
白い壁もカーテンもないという場合は、白い布や紙を使う手もあります。たとえば壁以外にも家具などの見せたくないものがあれば、白い布で覆うことで余計なものを映さないようにすることが可能です。布を使う場合は、きちんとアイロンをかけてシワやヨレがないようにしておきましょう。些細なことですが、光の加減によって意外に目立ってしまうことがあります。清潔にアイロンがなされた白い布が背景にあると、面接を受ける本人も同じように良い印象が得られることが期待できます。
また、白い背景紙や模造紙を使えば、壁が白以外の色や柄物であっても、簡単に白い壁と同様の背景を作れます。できれば一枚の紙だけで背景をカバーするように工夫すると、綺麗に見せやすくなります。白いパーティションがある場合は、布や紙の代わりにそれを利用するのもおすすめです。
Web面接でバーチャル背景やぼかし機能を使ってもいい?
Zoomなどの主なWeb会議システムには、バーチャル背景やぼかし機能が搭載されています。わざわざ物理的に部屋を片付けたりしなくても、そうした便利な機能を使えばいいのではないかと思う人もいるかもしれません。
しかし、面接でバーチャル背景を利用するのは避けたほうが良いです。バーチャル背景を使っているかどうかは、画面をみればすぐに気づかれてしまいます。バーチャル背景にしている、ということは、画面の向こう側にいる人に部屋の中を見せたくない、知られたくない、という暗黙の意思表示になってしまうので、面接官に至ってはそのことで「なぜ、バーチャル背景にしたのか」「部屋が汚いから見せたくないのだろうか」「部屋を片付ける暇も手間もないのだろうか」「この面接をその程度にしか考えていないのか」など、悪い方向に考えられてしまう可能性があります。
また、バーチャル背景に不具合が生じた時のことも想定しなければなりません。たとえば、画面がぼやけてしまったり、背景の画像が面接の最中に自分の顔や服装にまで投影されてしまうこともあります。意見を述べているときに、画面が安定していないと聞く立場の面接官の印象も悪いものになってしまいます。特に、デバイスやネットワークの性能や状態が良くない場合は、こういった問題が発生しやすくなります。
背景のぼかし機能についてもバーチャル背景と同様にWeb面接ではできるだけ使わないのが安全です。機能を利用して背景をぼかしても、後ろにある物はなんとなく見えてしまいます。それが、ぼやけていることで余計に雑然とした印象を与えてしまったり、清潔感がないな、と思わせることになってしまいます。
ただし、バーチャル背景やぼかし機能を使うことは相手に失礼だ、とまでは言えません。しかし、これらの機能を使うことは相手から部屋を隠すこと、また強いては自分を隠すことを意味しているため、人間心理としてその裏にある意図を詮索されてしまう恐れがあるのは事実です。
それなら、壁やカーテン、紙や布などを使って背景として映すほうが、プライベートな空間を見られる心配もなく、相手の心証も悪くすることがなくて安全な方法だと言えます。このような理由から、バーチャル背景やぼかし機能は、Web面接ではできるだけ使わないようにすることをおすすめします。
バーチャル背景を使うなら「無地・白の画像」を選ぶ
部屋を片付けたり背景紙を用意したりする時間がないなどの理由で、どうしてもバーチャル背景を使いたい人もいることでしょう。その場合は、無地で白い背景画像を選ぶのがおすすめです。
バーチャル背景にはさまざまな背景を設定できるため、オシャレなデザインの背景などを普段から使っている人も多いかもしれません。また、オフィスや会議室の画像など、一見すると面接に適していそうな画像もあります。
しかし、デザインのある背景は、面接官の気が散ってしまい、面接に集中できなくなってしまう恐れがあるので避けた方が無難です。その点、無地の白い画像なら、無駄な視覚的情報を与える心配がありません。
なお、バーチャル背景やぼかし機能を使う場合は、Web面接が開始される時に、あらかじめその旨を面接官に一言伝えておくと良いでしょう。何も言わないまま面接を始めた場合、途中で不具合が起きてしまったときに気まずくなる可能性があります。何も言わずにバーチャル背景を使っていると、「何かを隠している」とイメージされやすくなるのも理由のひとつです。
またできれば面接の前にひと言、バーチャル背景を使わざるをえない理由を伝えておくと良いでしょう。納得できる理由であれば、面接官の心証を悪くするリスクを避けられます。


背景だけじゃない! 転職を成功させるためのWeb面接のポイント6選
Web面接における背景の選択は、重要なポイントになりますが、一方で面接官が参考にする判断材料のひとつに過ぎません。転職に成功するには、その他の点についても注意が必要です。そこで以下では、背景以外にもWeb面接で印象をアップさせる方法について解説します。
1. Web面接でも油断は禁物!身だしなみを整える
たとえWeb面接でも身だしなみを整えることは最低限のマナーです。場所が自宅だとしても、面接という公的な場に出席することを十分に意識して準備してください。
具体的には、特に指定がない場合、Web面接でもスーツを着るのが一般的です。画面から見えないからと言って、上だけスーツを着て、下を部屋着にするような無作法をするのは避けましょう。もしもWebカメラがズレるなどのアクシデントで相手にその様子が見えてしまえば、その時点で相手に大きなマイナスイメージを与えてしまいます。髪型やメイクなども通常の面接と変わらず、清潔感を意識して整えるようにしてください。
2. 照明を使って顔色がよく見えるようにする
逆光について注意したように、光の加減でカメラの映り具合はまったく変わってきます。面接官に好印象を与えるには、照明を前方に置いて顔を明るく照らすのがおすすめです。リングライトやスタンドライトなどを活用することで、簡単に照明の調整ができます。面接前には、PCやスマホなどを使って、実際に画面上で表情がどのように見えているかを最終チェックするようにしましょう。
3. 姿勢や目線にも気を配る
Web面接の場合、「面接官をまっすぐ見て話すこと」は、「画面上の相手の目を見て話すこと」と同じではありません。画面とカメラのずれを意識して対応するということは、Web面接特有の難しいところといえます。
面接官の視点から、正面をまっすぐ見据えているような印象を与えるには、画面上の相手ではなくカメラに目を向ける必要があります。話に集中していると画面上の相手ばかりを見てしまいがちになるので、意識的にカメラの方も見るようにするのが重要です。
また、姿勢については実際の面接時と同じく、背筋を伸ばして堂々とするようにしましょう。カメラや画面の位置が低いと猫背や伏し目がちになりやすいので、それらの位置も事前に調整しておくことをおすすめします。
4. 相手が聞き取りやすいように話す
通常の面接と同様に、発言する際はトーンや速度、間の取り方などに注意することも重要です。Web面接だと、目の前の画面に向かって話すためか、通常よりも声がこもってしまう傾向があります。そのため、本番の前に、練習として実際に受け答えを録音して、マイク越しで聞こえる自分の声の調子をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。その時、マイクが周囲の雑音などを拾っていないかも合わせて確認しておきたいものです。
5. カンペは場所と読む速さに気を付ける
Web面接は通常の面接と違って、カメラで見えない場所にカンペを用意しておくことも可能です。視線や挙動が不自然になりやすいのであまり推奨できる行為ではありませんが、使用したい場合にはカンペの場所や読み上げるスピードに注意するようにしましょう。
たとえばディスプレイにカンペを貼る場合は、なるべく目線が固定されるように、カメラの位置に近い場所へ貼ると自然になります。デスクの上など、低い位置に貼ると伏し目がちになってしまうので、たとえカンペを読むのがバレなくても面接官に悪印象を与えてしまいます。同様に、画面にカンペを表示する場合は、カメラにもしっかり目を配ることが大切です。
いずれにしても、長文のカンペをそのまま読み上げるというような手法はあまりおすすめしません。面接時は、それでなくとも緊張しています。言いたいことがはっきり言えない状況もあるでしょう。たとえばそんなとき、カンペがあるばかりに、ついそれを読み上げてしまうことになるかもしれません。そのようなことになれば、面接官にはその不自然さを気づかれてしまいます。そういったミスを避けるために、カンペには大切な言葉やキーワードだけを補足する目的で用意し、あとは自分の言葉で話せるようにしておくほうが自然で、相手にも気づかれにくくなります。カンペは便利なようで、緊張した状況のなかにあると意外にミスを招いてしまうことにもなります。カンペに頼りすぎないように注意が必要です。
6. 通信環境をチェックしておく
スムーズにWeb面接を行うには、安定した通信環境を整えておくことも欠かせません。
Wi-Fiが繋がらなければ、Web面接の場にアクセスすること自体ができなくなってしまいます。いわばWeb面接に臨む前に通信環境をチェックすることは、対面での面接に向かう際に公共交通機関の運行状況をチェックするのと同じことです。基本的にはWi-FIで接続するより、有線で接続した方が通信状況は安定するので、できれば有線接続を利用した方が安心できます。
また、インターネットの通信状況だけでなく、Web面接で使用するカメラやマイクなども事前にチェックしておくことをおすすめします。たとえば、せっかく理想的な背景になるように部屋を整えても、カメラの角度がズレていれば余計なものが映ってしまい、その努力が台無しになりかねません。何かの際に設定をいじるなどしたせいで映像が映らない、音声を拾わないなどのトラブルが出ることもあります。
万一、通信トラブルが発生した際は、メールや電話などですぐに面接官へ連絡して指示を仰ぎましょう。面接中に音声や映像にトラブルが出た際は、チャット機能で相手に報告することもできます。いずれにしても、トラブルが生じた際は一人であたふたせず、必要に応じて先方と相談しながら落ち着いて対処することが重要です。
Web面接(オンライン面接)を受ける前に背景や注意点をチェックしよう
Web面接を受けるときは、適切に背景を整えることが大切です。背景の良し悪しで面接官に受ける印象は大きく変わるからです。背景の色、光の加減を事前にチェックして、自分の良さをアピールできるようにしましょう。さらに、面接を受ける上での自身の身なりや視線、態度、話し方なども大切。小さな画面を最大限に生かして、面接を成功させましょう。
