転職先が合わないものの、とりあえず1年は頑張るべきかと頭を悩ませている方もいるのではないでしょうか。結論から言えば、状況によっては1年未満で再度転職するのはアリです。
本記事では、短期退職のリスクや判断基準、自分にマッチした職場を見つけるためのポイントなどについて解説します。


目次
転職先が合わない場合でもとりあえず1年は続けるべき?
転職先での仕事や人間関係が合わないと感じるのなら、無理に1年も続ける必要はありません。もちろん、ケースバイケースではあるものの、無理をすれば心身に不調をきたす危険があります。続けるかどうかの判断基準にしたがって考え、決断するとよいでしょう。
状況次第ではすぐに転職しても問題ない
転職後1年は新たに転職できない、してはいけないといった決まりはありません。自身が置かれている状況や状態によっては、早期に転職したほうがよいケースは多々あります。
たとえば、明らかなパワハラ行為が行われているケースです。パワハラが横行しているような職場で長く働き続けると、メンタルに支障をきたしかねません。パワハラ以外にも、同僚たちからのいじめ行為やセクハラなどを受けている状況において、無理に続けようとするとどんどん精神がむしばまれます。
苦労して転職に成功したケースでは、「せめて1年は頑張ろう」と無理をしてしまう方が少なくありません。しかし、心身をむしばまれるような職場で無理をすると、精神的に立ち直れなくなるおそれがあります。置かれている状況を踏まえ、辞めるべきと感じたのなら再度転職活動を開始するとよいでしょう。
続けるべきかどうかの判断基準
転職したばかりの時期は、仕事や職場に慣れておらず、自分に合わないと感じてしまうかもしれません。もう少しすると、実務のやり方や職場でのふるまい方が分かり、印象が変わってくる可能性があるため、転職後すぐに辞めるのは考えなおしたほうがよいでしょう。
ただ、業務に取り組むなかで、「このまま働き続けても成長が期待できない」と強く感じるのであれば話は別です。同様に、「自分のスキルや強みを業務にまったく活かせない」というのも、このまま仕事を続けていくか検討したほうがよいケースです。
業務自体には問題なく取り組めているケースでも、職場でパワハラやセクハラのような行為が横行しているのなら、転職の検討をおすすめします。つらいと感じる職場で無理に働くことはありません。我慢しすぎると精神に支障をきたし、今後の人生にも悪影響を及ぼす可能性があります。このような職場とは早めに縁を切り、安心して働けるところを探しましょう。
転職を決意するときのよくある理由
転職を決意するよくある理由として、当初想定していなかった仕事を与えられるケースが挙げられます。また、どうしても合わない人がいる、会社の雰囲気に馴染めない、求人広告に記載されていた条件が違う、なども転職を決意するときのよくある理由です。
想定外の仕事をすることになった
デスクワークと聞いていたのに、実際には現場での力仕事だったなど、想定外の仕事を任されてしまい、退職したくなるケースは少なくありません。一時的であっても、やりたくない仕事を任されるとモチベーションの低下を招きます。
面接時に希望の仕事や部署を伝えていた場合には、余計に落胆してしまうでしょう。モチベーションが低下したまま業務に取り組むことになるため、成果も期待できません。ミスを頻発してしまい、余計にモチベーションが下がるといった悪循環に陥るおそれもあります。
ただ、想定外の仕事を担当することで、これまでの自分には備わっていなかった、新たな知識やスキルを身に付けられる可能性はあります。視点を変えて取り組むことで、新たな自分に成長できるかもしれません。
社内の雰囲気に馴染めない
社内の雰囲気に馴染めないと、常に居心地の悪さを感じてしまいます。たとえば、体育会系の職場で必要以上に大きな声出しを求められる、先輩と後輩の上下関係が厳しいといったケースです。
また、社内の飲み会が多い企業に、ストレスを感じる方も少なくありません。それほどお酒が好きではない人だと、職場の人たちとの飲み会を苦痛に感じる場合もあるでしょう。プライベートの時間を削っての付き合いがあまりに多いと、心身に負担がかかり、体調不良になる可能性もあります。社内の雰囲気や風土、企業文化などは、実際に入社してみないと分かりにくいため、後からギャップを感じやすいポイントです。
求人の条件と入社後の条件が違う
求人広告の募集要項には、週休二日制と書かれていたのに、実際には日曜日しか休みがない、といったケースです。ほかにも、基本給の額が異なる、交通費支給と記載されていたのに実際には支給されない、なども考えられます。
魅力的な条件を提示して人材を集め、実際には異なる条件で働かせようとする企業に対し不信感を抱き、「退職したい」と考えてしまうのは不思議なことではありません。このような企業であれば、従業員との約束も平気で反故にするおそれがあるため、転職を考えるのもひとつの手でしょう。
どうしても合わない人がいる
人間関係を理由に、転職を考える方は少なくありません。職場の同僚や上司とは毎日顔を合わせるため、性格的に合わない人がいるとストレスが溜まります。企業ではさまざまな性格、価値観の方が働いているため、合わないと感じる人が1人や2人いてもおかしくはありません。職場のみの関わりであると割り切れる方なら問題ありませんが、中にはそうでない方もいるでしょう。
ただ、当初は合わないと感じていた方でも、ともに働くなかで少しずつ分かりあえるケースもあります。転職したばかりの頃は、お互いのことがまったく分からないため、合わないと感じているのかもしれません。少しのあいだ一緒に働き、どうしても合わない、生理的に合わない、と感じるのであれば転職を考えるとよいかもしれません。


転職先が合わない場合に短期退職するメリット
転職先がどうしても合わないのなら、短期退職も検討してみましょう。合わない仕事を無理に続けても心身を疲弊するだけです。また、短期退職によって、自分にマッチする職場に出会える可能性も高まります。
心身を大切にできる
健康に働き続けるためには、資本である体を大切にしなくてはなりません。健康を害してしまうと、仕事ができなくなるばかりか、日常生活にも支障をきたす危険があります。
合わない仕事を無理に続けるのは、心身への多大な負担となりかねません。さまざまなストレスに晒され、精神を病んでしまうリスクも高まります。また、当初デスクワークと聞かされていたのに、力仕事を担当させられるようなケースなどでは、慣れていない肉体労働で体を壊してしまうおそれがあります。
自分が壊れてしまうのを防げるのは自分だけです。合わない職場を早期退職することは、自分の心と体を守ることにつながります。つらいのに我慢しすぎて体調不良になっては、まともに転職活動もできなくなるかもしれません。自分の心身と未来を守るためにも、適切な判断が求められます。
成長を感じられる企業に出会える可能性がある
早期退職によって、自身の成長につながる企業に出会うチャンスが広がります。自分に合わず、成長も実感できない企業で働き続けるのは、いたずらに時間を浪費するのと変わりません。早期に見切りをつけ転職活動を再開すれば、よりよい企業に巡り合える可能性があります。
仕事は毎日のことであるため、自分の成長に直結するかどうかは重要です。新たな知識やスキルの習得につながらない、この職場でのみ活かせる技術しか身につかない、といった会社では、万が一倒産やリストラなどで離職した際、転職に苦労します。
自分に合う仕事をもう一度考えられる
早期退職すれば、時間に余裕ができるため、自分に合う仕事をもう一度考えられます。転職に失敗した原因は何か、自分にマッチする仕事は何なのかと、自分を見つめ直すことができ、次こそ失敗しない転職活動を実現できます。
転職活動を再開するにあたり、自身がもっとも重視するポイントを考えてみましょう。転職先に求めるものは人それぞれです。とにかくたくさん稼ぎたいと考える方もいれば、自分の成長につながる仕事をしたい、給与は低くともやりがいを感じられる仕事に就きたいといった方もいます。
何を重視すべきかが明確になれば、アプローチすべき企業の絞り込みが可能です。重視したいポイントがいくつもあるのなら、優先順位をつけながら考えてみるとよいでしょう。
転職先が合わない場合に短期退職するリスク
転職先が合わないからと、その場の勢いで早期退職してしまうと、後悔してしまうかもしれません。短期での退職にはさまざまなリスクがあることに注意が必要です。
一時的に生活が苦しくなる可能性がある
十分な預貯金がないにもかかわらず退職してしまうと、生活が困窮してしまうおそれがあります。すでに次の職場が決まっているのなら問題ありませんが、そうでない場合には収入源を断たれているため、生活が立ち行かなくなるかもしれません。
このような危険性があるため、希望的観測のもとに退職するのはおすすめできません。「すぐに新たな職場が見つかるだろう」といった考えで退職してしまうケースです。多少の貯金があったとしても、次の職場がなかなか見つからないとなれば、貯蓄は次第に減り生活が破綻してしまいます。
退職によって収入源が断たれることを理解したうえで、行動に移すことが大切です。まずは、当面のあいだ生活できるだけの資金があるかどうか、確認をしましょう。また、十分な預貯金があったとしても、予想外に転職活動が長引いてしまう可能性もあります。転職活動中は無駄遣いを控え、なるべく節約したほうがよいでしょう。
転職活動が長引く可能性がある
履歴書や職務経歴書には、これまでの転職歴を記載します。そのため、企業の採用担当者には、前職を短期で退職していることも知られてしまいます。
基本的に、早期退職者に対する採用担当者の印象はあまりよくありません。採用しても、またすぐに辞めてしまうのでは、何かしらの問題を抱えている人物なのでは、と不安を抱かれるおそれがあります。
企業としては、人材を採用するにあたりできる限りリスクを排除したいと考えます。企業も採用活動に多大なコストと時間を費やしているためです。早期退職者に対する採用担当者の目は自然と厳しくなるため、その結果転職活動が長引いてしまう危険性があります。
少しでも印象をよくするには、早期退職にいたった明確な理由を伝えるとよいでしょう。パワハラの被害に遭った、労働の条件が明らかに違ったなど、採用担当者が納得できるような退職理由を伝えることで、ネガティブな印象を抱かれにくくなります。


自分に合った転職先を探すには?
自分にマッチした転職先を見つけるには、自分のことをよく知る必要があります。そのためには、自己分析が欠かせません。また、自分のことだけでなく、応募する企業についても深く理解することが大切です。
自己分析をじっくりと行う
自己分析が足りないと、転職活動に失敗してしまうリスクが高まります。自分がどのような人物なのか、きちんと把握できていないと、企業に対し自身の強みや価値などを伝えきれません。採用担当者の心に響くアピールをするためにも、自己分析は重要です。
転職で幾度か失敗しているのなら、なおさら自己分析にはたっぷりと時間をかけましょう。自分の得意・不得意や、やりたいことなどの価値観が明確になると、自分に合った仕事を見つけやすくなり、PRや志望動機の説得力も高められます。
自己分析の際には、フレームワークの活用が有効です。過去の経験を洗い出して時系列に並び替える自分史をはじめ、過去から現在にいたるまでのモチベーション変化をグラフ化したモチベーショングラフ、大きなテーマから枝分かれに思いついたことを書き出すマインドマップなどが代表的です。
企業研究をおこたらない
自己分析によって自分のことを正しく把握するだけでなく、企業のこともしっかりと理解しなくてはなりません。好意を寄せる異性にプレゼントを贈るとき、相手の趣味や好みなどを事前にリサーチした経験がある方は、多いのではないでしょうか。転職活動もそれと同じで、相手のことをよく知ることで心に響くアプローチを実現できます。
徹底した企業研究によって、ミスマッチを回避できるのもメリットです。企業そのものの情報はもちろん、業界や市場などを掘り下げてリサーチすれば、より理解が深まるでしょう。
企業研究の基本は、コーポレートサイトのチェックです。代表の挨拶や従業員のインタビューなど、コーポレートサイトから得られる情報は多々あります。また、応募企業の経営者が著した書籍を読む、取材記事を閲覧する、会社説明会に参加するなども企業研究に有効な方法です。
キャリアアドバイザーに相談する
自分に合った転職先を探すために一番効果的なのは、キャリアアドバイザーへの相談です。キャリアアドバイザーとは、転職を希望する方に対しサポートを行う職業です。履歴書、職務経歴書の書き方、面接の通過率をアップさせるためのアドバイスなどを業務として行います。
キャリアアドバイザーへの相談により、転職の成功率を高められるのは大きなメリットです。キャリアアドバイザーは転職に関するプロであり、転職希望者の転職を成功させるため、具体的かつ適切なサポートを行います。転職成功への道筋を示してくれるだけでなく、二人三脚で歩んでくれるのも魅力です。
さらに、自分でも把握できていなかった強みや価値が分かります。その強みや価値をどのように企業へアプローチすればよいのか、職務経歴書へどう記載すればよいのか、といったところまでアドバイスしてくれるため安心です。
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短期退職はメリットとリスクをしっかりと考えて行動しよう
短期退職にはメリットがある一方で、覚えておくべき注意点があることを理解しておきましょう。入社後のミスマッチを回避するためには、自己分析や企業研究をしっかりと行ったうえで、キャリアアドバイザーの力を借りることをおすすめします。
