転職したいという気持ちがあっても、特別なスキルや資格を持っていないと本当に転職できるのか不安になる人は多いです。本記事では、そんな不安を抱えている30代女性のために転職を成功させるためのポイントを解説します。おすすめの職種も紹介するので参考にしてください。


目次
スキル・資格なしの30代女性でも転職できる?
結論からいうと、特別なスキルや資格がない30代女性でも、転職はできます。実際に、30代女性の転職・入職率は決して低くありません。
厚生労働省発表の2021年のデータ「性、年齢階級別転職入職率」によると、30代女性の転職・入職率は30~34歳が11%、35~39歳が9.8%です。これは、20代女性の平均が13.1%、40代女性平均が8.5%であることと比べると、特別に低いわけではありません。「30代女性=転職が困難である」と一概には言えないことを意味しています。
「そうはいっても私には特別なスキルや資格がない」と思う人もいるでしょう。しかし、企業側が求める人材は決して画一的ではありません。企業のニーズにあっていれば、スキルや資格がなくても転職できる可能性はあります。また、「スキルや資格がない」とはいえ、これまで培った社会経験、前職での実績などは立派なスキルといえます。今もっているものを総動員して、転職先でも何かしらの形で活かそうとする姿勢があれば、転職を成功させることはできるでしょう。
参照元:厚生労働省-令和3年雇用動向調査結果の概況-
スキルなし30代女性の転職難易度が高くなりやすい理由
特別なスキル・資格がない30代女性が転職する場合、企業側とのミスマッチが起きやすく、転職へのハードルが上がることがあります。ここでは、なぜミスマッチが起きてしまうのかを解説します。
30代はすぐに活躍できるスキルの高い人材が求められるため
30代以上の応募者を採用する場合、経験よりもポテンシャルを期待される20代と違い、企業側はすぐに活躍できる人を期待している場合が多いです。
- 一定のスキルレベルに達していること
- 資格を保有したうえで、実務経験もあること
30代以上を企業側が採用する場合、上記のような即戦力になる人を優先します。
また、30代といっても、31歳と39歳とでは大きく事情は異なります。30代前半であれば、資格なし、スキルなしであってもポテンシャルさえあれば採用される可能性はまだあります。しかし、30代後半になるとイチから人材を育てることを敬遠する企業が増え、採用が見送られるのです。未経験者歓迎の記載がある求人を探すなどの対応が必要となってくるでしょう。
30代女性は長く働いてもらえないと考えられているため
企業が正社員を募集する場合、たいていは長期で働ける人を求めています。
しかし、30代女性というと、結婚や出産、育児を控えていることが多いです。入社当初、本人はしっかり勤め上げる気持ちでいても、ライフイベントにより事情が変わることは往々にしてあります。そのため、企業側は採用に慎重になるといった背景が考えられます。
せっかく採用しても、出産や育児などを理由として長期休暇を取ってしまったら、企業としては大きな痛手です。もし面接で出産の予定や育児などについて聞かれたら、長く働きたいということや、子供の預け先があるのできちんと働けるなど、対応策を企業側に伝えることが大切です。
また、産休や育休の制度が整っている企業を探すのもおすすめです。未婚女性の場合は、結婚後にどんな働き方をしたいのか、また結婚願望がない人はその旨を伝え、長く働く意志があることを企業側にしっかり伝えるようにしましょう。


スキルなしの30代女性が転職を成功させるコツ【仕事選び】
30代だから、資格がないから、スキルがないから、といって転職を諦める必要はありません。ここからは、どうしたら資格なし、スキルなしの30代女性が転職を成功させられるのか、そのコツについて仕事選びの観点から解説します。
前職と同じ職種を選ぶ
企業側は採用する人を決める際、その職種の経験があるかどうかも判断基準として重要視しています。職種や業務に対する抵抗感がないかどうか、すぐに仕事に順応できるかどうかなどがわかるからです。そのため、「実務経験3年以上」を採用条件としていたり、歓迎条件として設定していたりする企業が多く見受けられます。
就業経験のある職種を選んで応募すると、選考に有利に働きやすくなるでしょう。また、前職と業界が同じである、業務内容が似ているなどといった点もポイントとなります。例えば、飲食店での就業経験がある場合は、そこでの知識を活かして、飲食関連企業の営業職にチャレンジしてもよいでしょう。事務職の経験がある場合は、その経験を活かして、貿易事務へとスキルアップするなども考えられます。
考えようによって、可能性は広がります。自分が持っている知識や経験をどんな企業なら活かせるのか、貢献できるのかを考えてみましょう。
正社員登用制度のあるパートや派遣社員からはじめる
未経験の業種や職種にチャレンジしたい場合は、まずはアルバイト・パート、派遣社員などの非正規社員として転職し、そこから正社員登用を目指すという方法もあります。アルバイトやパート、派遣は正社員に比べて、未経験でも採用されやすいです。
正社員登用制度がある場合は、求人にその旨が書かれていることが多いですが、もし書かれていなくても、気になった企業があれば、問い合わせてみましょう。また、派遣の場合は紹介予定派遣制度というものがあります。これは、一定の期間、派遣スタッフとして働いた後に、企業と派遣社員が業務を検討し、お互いの合意が得られた場合に正社員として雇用される制度です。アルバイトやパート、派遣で働くことによって、その業界、職種があっているかどうか見極められる点もメリットとして挙げられます。
未経験でも転職しやすい業種・職種を選ぶ
同じ転職でも未経験で転職しやすい業種・職種、また反対に転職しにくい業種・職種があります。ここからは、未経験でもアプローチしやすい職種について紹介します。
事務職
事務職は、データ入力、書類の整理・作成、電話や来客対応など、社内の事務作業を行います。どんな業種でも必ずあるのが事務なので、求人数は多いです。特別なスキルは不要ですが、30代女性が転職する場合は、社会人として必要な最低限のスキルが求められる点は注意しておきましょう。
事務職は女性人気が高いため、企業によっては競争率が高くなります。そのため自身の就業経験のある業種での事務職を狙うのもおすすめです。細々とした仕事が得意、電話対応に自信がある、など、たとえ経験がなくても自身のアピールできる点を考えておくとよいでしょう。マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)、秘書技能検定、日商簿記検定資格、TOEICなどが事務職に有利な資格です。自身の希望する企業が求めるものがあれば、資格を取得しておくのもよいでしょう。
また、事務職のなかでも、医療事務は穴場といわれています。医療事務は、一般企業での事務職とは少し異なり、病院やクリニックで、受付、会計、レセプト業務などを行います。景気に左右されることが少ないので、安定して長期的に働けます。医療事務というと、資格取得者でないと働けないイメージもありますが、求人情報を見てみると、資格なしでもOKというところは少なくありませんので、興味がある方はチェックしてみてください。
営業職
事務職同様、営業職もほとんどの企業にある職種なので、求人数が多いです。正社員の求人が多いのも特徴です。業界や職種によって扱う商品やサービスは異なるので、自身が働いたことのある業種や興味のある企業を選ぶとよいでしょう。特別なスキルを採用条件としない企業がほとんどなため、経験がなくても、コミュニケーション能力が高いなどの長所をアピールできれば、採用時に有利に働く場合もあります。
特に保険業界、不動産業界では人材が不足しているため、それらの業界を中心に転職を進めてみるのがおすすめです。持っていると有利な資格は、ファイナンシャルプランナー(FP)、営業士検定、セールスアップ資格、営業力強化検定などです。なかでもファイナンシャルプランナーは保険・不動産業界で役立つので、これらの業界への転職を考えている人にとっては、取得しておいて損はないでしょう。
販売サービス
販売職は、店舗などで販売をする仕事です。主にアパレルや化粧品業界での求人が多いようです。土日や祝日も勤務することになるので、自身のライフスタイルにあうかどうかも考慮に入れ、検討しましょう。
例えば、30代向けのファッションブランドや、30代向けの化粧品販売を選べば、年齢が合っているので採用されやすくなるということもあるかもしれません。とはいえ、自分の好みに合わない場合は、入社後のミスマッチが起こりやすくなるので、自身が実際に使っている商品や好きな商品を販売している企業を探すのがおすすめです。こちらも営業同様、コミュニケーション能力が高いなどの長所をアピールすることで採用されやすくなるでしょう。また、アルバイトなどで接客業の経験がある人もアピールにつながります。
販売士(リテールマーケティング)検定、ファッション販売検定、色彩検定などの資格などもあるので、自身の希望する職種にあわせてそれらの資格を取っておくのもおすすめです。
IT系
ひとくちにITといっても職種は様々で、主に以下のようなものがあります。
- SE、プログラマー、Webデザイナーなど開発・エンジニア系
- ITコンサルタント、セールスエンジニアなどセールス・コンサルタント系
- Webマーケター、データアナリストなどマーケティング系
- プロジェクトマネージャーなどマネジメント系
応募する際は、まずは自分の得意分野・挑戦したいこと・将来性の高い職種はどれかを考え、職種をしぼりましょう。たとえば、システム設計・プログラミング・運用などを行うSEと、データを分析・予測し問題解決を行うデータアナリストではまったく業務内容が異なります。当然、採用の際に求められる能力も変わってきます。SEなら、プログラミングスキルなどを求められ、データアナリストならマーケティング知識などが必要です。
これらの職種は近年ますます需要が高まっており、人材不足ともなっているので採用されやすい傾向にあります。専門的スキルを必要としているところも多いですが、「5ヶ月間の充実研修・未経験者歓迎」などとうたって募集しているところもあるので、そういった企業を探してみるのもおすすめです。
また、在宅での仕事が可能な企業もあるため、育児中でも臨機応変に働けることが期待できます。スキルや経験が身につけばフリーランスとして活躍することもでき、働き方を選べる点で30代女性にとってうれしい職種といえます。


スキルなしの30代女性が転職を成功させるコツ【事前準備】
資格なし、スキルなしの30代女性がやみくもに転職を進めても、うまくいかない可能性が高いです。せっかく転職をするのなら、成功させたいですよね。ここでは、転職を成功させるための事前準備についてお伝えします。コツを掴んで準備をしっかり行い、転職活動を有利に進めましょう。
キャリアの棚卸しを行い、強みや能力を明確化する
「キャリアの棚卸し」とは、これまでに自身が経験してきた仕事を振り返って、そこでどんなことを経験したか、またその経験をすることでどんなふうに成長できたかをまとめ、確認することです。キャリアの棚卸しは、そのまま自己分析にも直結します。
以下は、キャリアの棚卸しの具体的な方法です。
1. 現在、自分がしている仕事の業務を洗い出す
現在自分がしている仕事の業務をすべて紙に書き出してみましょう。出社してから退社するまでの業務を時系列で整理してみてください。その際重要なのは、以下の3点です。
- 一つ一つの業務の目的や目標
- 業務に対する取り組みに、具体的に何を行ったか
- その取り組みに対する結果や評価
何気なく行っている業務でも目的があるものです。その目的を達成すべく自分が何を行っているか、そしてそれがどんな結果・評価につながっているかをまずは明確にします。うまくいかなかった場合にもそのまま記載します。具体例は、以下の通りです。
・9時~11時 資料作成
【目的・目標 】 会議使用。各部署に内容が正確に伝わる必要がある。
【取り組み方】各部署共通で使用可能なツールで資料作成。視覚的に一目でわかるようデータをグラフにまとめる。
【結果・評価】説明が補足のみで済んだと評価される。
2.他に就業経験があれば、それらについても1の作業を行う
何社か就業経験があるなら、それらの業務についても1の作業を行います。
学生時代に行っていたアルバイト業務についても書き出すとよいでしょう。わかりやすいよう、表などにまとめます。テンプレなどをダウンロードすると早いです。
3. 書いたものを見比べて分析する
すべての洗い出しが終わったら、それらを分析してみましょう。そうすることで、自身の強みや能力が浮き彫りになります。職務経歴書作成時や面接で自己PRする時にも、どんなことで何をしてきたかを思い浮かべることができ、役立ちます。
また、もし自分の転職したい業種や職種がはっきりしているなら、その業種や職種で自分の活かせる強みや能力は何であるかを考えてみましょう。逆にもし足りない部分があるなら、どうすればそれを補えるのかも考えておくといいですね。企業にあわせて、アピールする強みを変えるのも効果的です。
キャリアの棚卸しを行うことで、自分の長所、短所、得意なこと、苦手なことが明確になるので、自分にあった職場が見つかりやすくなります。面倒な作業に感じるかもしれませんが、ぜひトライしてみてください。
キャリアプランを立てる
キャリアプランとは、自身のキャリアビジョンを実現するために必要な計画のことをいいます。キャリアビジョンは、以下のようなことを具体的に思い描くことによって見出す、理想のことです。これは、仕事や仕事に関係する自身のライフスタイルもふくみます。
- 仕事を通じてどんな人生を送りたいのか
- 社会にどんな影響を与えたいか
キャリアプランを立てる上で役立つのが、キャリアの棚卸しです。キャリアの棚卸しを土台として、自身がこれからどうなっていきたいのか、どのように働いていきたいのかを考えます。
自身の将来を考える際は、1年後、3年後、5年後、7年後、10年後など細かく考えると具体的なイメージが湧いてくるでしょう。面接では、「5年後、10年後はどうなっていたいですか?」などの将来のビジョンに関する質問をされることもあります。そのため希望する企業にあわせたキャリアプランをしっかりと面接時に説明できれば、企業側にも良い印象を持たれやすくなります。自身と企業のニーズがあっている場合は、採用されやすくなりますので、希望する企業のビジョンやニーズを前もってくみ取っておくことも大切です。
採用担当の不安を解消する答えを準備する
30代女性を採用する場合、採用担当は、その女性のライフステージが変化するのではないかという点を気にします。結婚・出産・育児などにより働く時間に制約ができるのではないかという点を危惧しているからです。
そのため30代女性は、長期間しっかり働けることを採用担当者にアピールする必要があります。業務に支障をきたすと判断されれば、採用を見送られてしまいやすくなります。採用担当者の不安を解消するためにも、長く働けることを伝えられるように事前準備しておくことが大切です。面接前に想定問答集を作っておくことも有効です。子育て中であれば、保育園での預かり先が決まっている、実家で親が子どもの面倒を見てくれるなど、仕事のための時間をきちんと確保できる旨を説明するようにすれば、採用担当の不安を払拭できるでしょう。


スキルなしの30代女性が転職を成功させるコツ【その他】
さらに押さえておくと役立つ、転職を成功させるためのポイントがあるので、紹介します。
転職で有利になる資格を取得する
はっきりと転職したい業種や職種、または企業が決まっていて、その企業が資格取得者を求めている場合や資格取得者が有利になる職種を目指す場合、資格を取得するのも有効です。資格を取得しておくことで、たとえ実務経験がなくても、「基本は習得してあるので、即戦力となれる」「きちんと勉強している」ということが企業側にアピールできます。
現在の仕事をしながら資格取得に向けて勉強することは大変です。一見遠回りにも見えます。しかし、これからの長いキャリアを考えれば有利に働くといえるでしょう。ただし、資格を取得してから、転職活動を行おうと思うと、せっかくのタイミングを逃しかねません。無資格者でも応募できる求人がある場合もあるからです。あくまで転職活動をしながら資格取得を目指すことをおすすめします。
早めに転職活動を始める
多くの企業では長く働いてくれる人材を求めています。そのため、転職したい気持ちが少しでも自分の中にあるのなら、今すぐにでも転職活動を始めましょう。40代になると圧倒的に転職は不利になります。また、30代の前半か後半かによっても求められるスキルや経験が異なります。
転職では、1歳でも若い方が有利です。特に未経験の業種・職種への転職は、年齢が上がるにつれてハードルが高くなってきますので、未経験の業種・職種にチャレンジしたいのなら、なおさらすぐに行動することが必要です。また、転職活動を行う際は、今の仕事は続けるようにしてください。転職前に仕事を辞めてしまうと、収入がなくなることはもちろん、なかなか次の転職先が見つからないといったことも起こりえます。
キャリアアドバイザーへ相談するのもおすすめ
もし自分だけで転職活動を行うのに不安がある場合は、キャリアアドバイザーに相談するのも有効です。
キャリアアドバイザーとは
キャリアアドバイザーとは、転職を希望する人たちに寄り添って転職に関する様々なサポートを行ってくれる人のことです。
キャリアアドバイザーへ相談するメリット
キャリアアドバイザーに相談する1番のメリットは、不安を抱えやすい転職活動を安心して進められるということです。一人で転職活動を行うのが不安、自信がないという方にとって、力強い味方となってくれるでしょう。
キャリアアドバイザーは転職のプロなので、どんな小さなことでも相談に乗ってくれます。また、履歴書の書き方や面接サポートなども行ってくれるため、自分自身では気づけなかった穴や、アピールすべきポイントにも気づくことができます。
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スキル・資格なしの30代女性でも諦めなければ転職できる!
30代女性の転職は難しいですが、以下のポイントを踏まえれば転職に成功します。
- 未経験でも転職しやすい業種を選ぶ
- キャリアプランをたてるなど、事前準備を行う
自分一人での転職活動は不安、客観的な目線も欲しいと感じたら、「PaceBox」の活用もおすすめします。
