転職活動の際、多くのケースで企業から提出を求められるのが履歴書です。氏名や顔写真、学歴、資格など、応募者の基本的な情報を知るために提出を求められます。採用担当者に自分を売り込む「第一歩」となる書類なので、正確な記入方法をしっかりと確認しておきましょう。この記事では履歴書における「電話番号」の書き方ついて解説します。


目次
履歴書に電話番号を書く上で知っておくべき4つのポイント
一般的なフォーマットにおいて、履歴書の電話番号欄は、氏名、顔写真、住所の下にあります。
履歴書作成にあたっては、電話番号欄ひとつとっても侮れません。電話番号を書く際、気をつけたい4つのポイントを詳しくお伝えします。
かっこの位置に注意し、ハイフンでつなげて書くのがベター
履歴書の電話番号欄にかっこ「()」が印字されている場合には、かっこの位置に注意が必要です。
かっこが左寄せだった場合、かっこの中には固定電話の「市外局番」、あるいは携帯電話番号の最初の3桁を記入し、そのあとにつづく電話番号をハイフン「‐」でつなぎます。
記載例:(03)××××‐×××× (090)××××‐××××
かっこが中央に印字されているときには、電話番号を3分割した真ん中の数字をカッコの中に記入します。この場合、ハイフンは不要です。
記載例:03(××××)×××× 047(××××)××××
かっこが印字されていない場合は、電話番号を3分割した際の最初と真ん中の数字の間にひとつめのハイフン、真ん中と最後の数字の間にふたつめのハイフンを入れます。
記載例:03‐××××-×××× 090‐××××‐××××
このように書くことで体裁が整い、見やすい履歴書となります。
記載するのは「本人にもっともつながりやすい電話番号」
履歴書のフォーマットによっては、電話番号欄が2カ所あるケースと、ひとつしかないケースがあります。
履歴書作成者が、固定電話のほかにも複数の携帯電話を所有しているにもかかわらず、記載欄がひとつしかない場合には、日中にもっともつながりやすい電話の番号を記入するのがマナーです。
履歴書を提出した企業からの面接日程に関する相談などは、日中に電話がかかってくるケースが多数です。一度の電話で応募者本人とつながれば、かけ直す手間がなく、企業側の好感度が上がる可能性があります。その後の採用面接もスムーズに行われる期待がもてます。


電話に出やすい時間帯を記載しておく
企業側からの好感度をさらに上げるポイントとして、履歴書の「備考欄」または「本人希望欄」に、電話に出やすい時間帯を明記しておくことをおすすめします。
記載例:「平日は○時以降にご連絡ください」「土日は終日連絡可能です」
電話応対ができない時間帯を伝えるという方法もあります。この場合は簡潔に電話応対ができない理由も添えておくと、より一層丁寧な印象を与えます。
記載例:「現在就業中のため、平日○〜○時は電話応対ができません」
自宅の電話番号を記載したら、家族にも伝えておく
日中でもつながりやすい電話番号として自宅の固定電話を記載した際には、同居する家族全員に、履歴書を提出した企業名、応募の詳細などを伝えておくことをおすすめします。
家族が応募状況をしっかりと把握していれば、本人以外が電話を受けた際でも、企業から重要な連絡があったことを知らされない、あるいは不正確な又聞きなど、不用なトラブルを避けられます。
本人が多忙で応募企業からの電話がとりにくい環境にある場合、在宅の同居者が電話を取り次いでくれるという安心感があれば、転職活動がより心強いものとなるでしょう。


こんなときどうする? 履歴書の“電話番号の書き方”Q&A
履歴書の電話番号欄の記入方法については、4つのポイント以外にも疑問に感じる場面があるでしょう。以下でよくある質問にお答えします。
電話番号の記載欄が2つあるが、固定電話は持っていない場合
先にも述べたように、履歴書のフォーマットによって、電話番号欄がひとつだけの場合とそうではない場合があります。さらに電話番号欄に、「固定電話」「携帯電話」と個別に印字されているケースも少なくありません。
昨今では、固定電話は持たず、携帯電話のみ所有するという人が多くいます。その場合、固定電話と印字された欄には「なし」と記入します。
応募先の担当者から「書き漏れ」を疑われることもあるので、空欄のまま履歴書を提出することは避けましょう。
履歴書の電話番号欄が3行ある場合
履歴書のフォーマットによっては、電話番号の記載欄が3行にわかれている場合もあります。
その場合は、1行目に「携帯電話」など記載の上、連絡のつきやすい電話番号を2行目に記載します。
記載例1
1行目:(携帯電話)
2行目:090‐××××‐××××
3行目:空欄
もしくは、2行目に市外局番または携帯電話の最初の番号を記入し、3行目にその他の数字を書きます。
記載例2
1行目:(固定電話)
2行目:03
3行目:××××‐××××
「固定電話」「携帯電話」の文字があらかじめ印字されていない履歴書では、1行目に固定電話、携帯電話と書き添えた方がより丁寧な印象を与えます。
記載欄が狭く書いた数字が小さくなりすぎる、あるいは、欄外にはみだしてしまいそうな場合は、電話番号を3分割して記入しても問題ありません。
緊急連絡先と個人の電話番号が同じ場合
実家で家族と同居しており、つながりやすい電話番号として固定電話を選択している場合は、連絡先と緊急連絡先が同じ番号になることもあるでしょう。その場合は、再度同じ番号を記載する必要はなく、「同上」と記入しても問題ありません。
ただし、「〃」は略式記号なので、手抜きの印象を与えがちです。履歴書において略式記号は使うべきではありません。
個人の電話番号がなく、「方呼出」を記載したい場合
履歴書作成者の中には、自分名義の電話をもっていない人もいるかもしれません。
たとえば一時的に友人・知人・親戚宅に身を寄せている、施設に宿泊している、学生寮に住んでいるといったケースでは、自分専用の電話をもたず、第三者の取次による連絡手段を用いている場合があります。
電話連絡を第三者の取次に頼っている場合、記載欄に電話番号を書いた上で「方呼出」と記入します。その際、取次してくれる人の個人名や団体名に対して「様」の敬称は必要ありません。
記載できる電話番号がない場合は、空欄のままにはせず、「なし」と書くようにしましょう。


要注意!履歴書の電話番号欄でやってはいけないNG例
履歴書の電話番号欄の記載において気をつけたいことや、避けるべき事例はほかにもあります。しっかりマスターしておきましょう。
会社から支給されている携帯電話の番号を書く
仕事をしながら転職活動を行っている人にとって、日中いちばんつながりやすい連絡先は、会社から支給された携帯電話ということもあるかもしれません。しかし、会社から支給された携帯電話の番号を履歴書に記載するのはタブーです。
転職活動はあくまで個人の活動です。会社の資産である携帯電話を個人的に利用する行為は公私混同であり、重大なマナー違反とみなされます。
そのような軽率な振る舞いは、在籍中の会社だけでなく、今後転職することを希望している応募企業にも「非常識な人間」というマイナスイメージを与えかねません。履歴書の電話番号欄には、個人名義の携帯か、固定電話の番号を書くようにしましょう。
その上で、多忙で電話がつながりにくい環境にあるのなら、電話に出やすい時間帯を履歴書に書き添えておきます。固定電話の場合は、在宅する家族に現在の状況を詳しく伝えておくなど、転職活動がスムーズになる手はずを整えておくことが大切です。
電話番号の記載がわかりづらい・ミスがある
履歴書を書き終えたら、まずは自分自身でミスがないかチェックしましょう。ただし、「目が慣れて電話番号の間違いに気づけない」などというケースも珍しくありません。何度も自分の目で確認して「これで完璧」と思ったとしても、いったんは手放し、家族や親しい友人など他者の目で改めて確認してもらうことも必要です。
自分で見逃してしまいがちなことといえば、クセ字もそのひとつです。たとえば1と7の区別がつかなかったり、0と6の書き方が似ていたりすると、採用担当者が正しい連絡先に電話をかけてこられない可能性があります。電話がつながらずに採用を逃してしまうことのないようにしましょう。
運よく電話がつながったとしても、今後、仕事に従事するにあたって、記載ミスや極端なクセ字がマイナス評価となってしまう場合があります。
履歴書を作成する際、気をつけたいのは「記載ミス」をしないということです。加えて、見やすい文字で丁寧に書くことを意識しましょう。
履歴書の電話番号欄も侮れない! 正しい書き方で好印象を目指そう
履歴書の電話番号欄には日中つながりやすい番号を書くこと、個人所有の電話がない場合は空欄にせず「なし」と記入すること、見やすい字で丁寧に書き記載ミスをしないことなどが重要です。日中電話に出やすい時間帯を書き添えておくなど、応募先への配慮も欠かせません。
