面接を辞退する必要が生じたとき、応募先の企業にはメールや電話で連絡をします。メールと電話の使い分け方や連絡時のマナーについて説明するので、ぜひ参照してください。また、理由別・タイミング別に面接辞退メールの例文も紹介します。


目次
面接辞退が必要になる理由とは?

「この企業に入社したい」という気持ちを持って求人に応募したものの、何らかの事情で面接を辞退しなくてはならなくなることがあります。よくある理由としては、次のものが挙げられます。
- 他社から内定が出た
- 企業とのミスマッチが判明した
- 体調不良で面接に行けなくなった
- どうしても外せない用事ができた
- 家庭の事情で転職が難しくなった
それぞれの状況について見ていきましょう。
他社から内定が出た
複数の企業を対象に転職活動を進めている場合、面接や内定のタイミングがずれることがあります。ある企業ではまだ面接中のタイミングでも、別の企業からは内定が出ることも珍しくありません。他社から内定が出て、なおかつその企業に転職したいと考えているときは、面接過程にある企業へは面接辞退の連絡をして断っておきましょう。早めに連絡をすることで、企業側も他の面接スケジュールを組みやすくなります。
ただし、他社から内定が出ても、必ずしも面接を辞退しなくてはいけないわけではありません。面接過程にある企業を第1志望としているときや、いくつか内定をもらってから比較して転職先を決めたいときは、辞退せずにそのまま面接を受けます。
企業とのミスマッチが判明した
採用選考の過程で、自分が求めている企業ではないことが分かったときは面接を辞退することになります。早めに面接辞退メールを送信し、企業側に面接を受けない意向を伝えましょう。
ただし、ミスマッチかどうか判別しかねるときは、もう一度面接を受けてみてから判断しても遅くはありません。面接を辞退した後に、「やはり面接を受けたい」と辞退を取り消すのは難しいので、じっくりと考えてから辞退するかどうか決定しましょう。
体調不良で面接に行けなくなった
体調が思わしくなく、面接に行けなくなる可能性もあります。例えば、面接の数日前に大けがをしたときや、高熱で寝込んでいるときなどは、面接に行くことは難しいでしょう。体調不良の場合は、まずは延期してもらえないか担当者に頼んでみましょう。もしかすると別の日に面接を実施してくれるかもしれません。
しかし、延期してまで面接を受けたくはないときは、早めに面接を辞退します。また、ケガや病気が長引きそうで回復の目処が立たないときも、面接を辞退するほうが良いでしょう。
どうしても外せない用事ができた
大切な用事ができ、面接の時間と重なってしまったときは、まずは担当者を通して延期をお願いします。例えば、葬儀に出席することになったり、家族が緊急入院をして付き添う必要が生じたりしたときは、面接の日時を変更してもらえないか頼んでみましょう。
しかし、延期が難しいときは、面接を辞退する選択肢も検討できます。また、家族の入院が長引きそうなときなど、いつなら面接が可能なのか明確ではないときも、延期ではなく辞退を検討するほうが良いでしょう。
家庭の事情で転職が難しくなった
家庭の事情で転職そのものが不可能になることがあります。例えば、家業を継ぐことになった、介護が必要になったなどの事情が生じたときは、早めに面接を辞退するほうが良いでしょう。
ただし、家庭の事情があっても、転職を諦めていないときは面接を辞退する必要はありません。面接を受け、結果を受け取ってから、今後について考えるのも1つの方法です。


面接辞退の連絡はメールでも問題なし!

面接辞退の連絡は、メールでも電話でも問題はありません。しかし、メールのほうが良い状況と電話のほうが良い状況があるので、使い分けるほうが好ましいでしょう。使い分け方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
メールのほうが良い場合
通常は、面接辞退の連絡はメールで問題ありません。面接日が決まっていないとき、あるいは面接日までにある程度の余裕があるときは、面接辞退の連絡はメールで送りましょう。
メールで伝えると、面接を辞退した記録が転職希望者だけでなく採用担当者側にも残ります。面接を辞退したと伝えたはずが、企業側は面接に来るものと思って準備をしていたなどのトラブルも回避できます。
電話のほうが良い場合
メールは送信記録が残るメリットがありますが、担当者がすぐに開封しないときには面接辞退の意思が伝わらないデメリットがあります。そのため、面接日当日や前日などの日程が迫っているときに辞退の連絡をする場合は、メールはあまりふさわしくありません。
当日あるいは前日に面接辞退を伝えるときは、電話を使うようにしましょう。電話に応対してもらえないときは、面接辞退メールを送信し、そのうえで再度電話をかけて直接担当者に面接を辞退する旨を伝えます。
メール+電話で伝えるほうが良い場合
丁寧に感謝の気持ちを伝えたいときは、まずは電話で連絡して感謝と面接辞退を伝え、その後、メールを送ると良いでしょう。
また、面接辞退メールを送ったものの返信が来ないときは、担当者がメールを開封していない可能性が考えられます。面接日の前日までに担当者に電話をかけて、「先日メールでご連絡いたしましたが、ご確認いただけましたでしょうか」と面接辞退の意思が伝わっているか確認しておきましょう。
面接を辞退するときのマナー

面接を辞退すること自体は、特に問題のある行為ではありません。しかし、マナーを守って辞退しないと、企業側に非常識な印象を与えてしまう可能性があります。特に次の3つのマナーは、最低限守るようにしましょう。
- できるだけ早い時点に連絡を入れる
- 今まで時間を使ってくれたことに感謝する
- 特に詳しく追及されないときは「一身上の都合」と説明する
それぞれのマナーについて説明します。
できるだけ早い段階で連絡を入れる
面接に行けないことが分かったときは、できるだけ早い段階で連絡を入れることが大切です。遅くなればなるほど面接の詳細なスケジュールが決まってしまうため、企業側に迷惑をかける可能性が高まります。辞退を決めたらとにかく早く連絡し、迷惑をかけないようにしましょう。
また、延期を依頼するときも同様です。ぎりぎりに連絡するよりも早く連絡するほうが企業側もスケジュールを調整しやすくなるので、少しでも早く連絡するように心がけます。
今まで時間を使ってくれたことに感謝する
面接をするまでに、企業側は応募者に対して長い時間を使ってくれています。例えば、履歴書や職務経歴書を精査する時間、面接のスケジュールを組む時間、面接や採用試験について応募者に連絡する時間など、長大な時間と膨大な手間がかかっているはずです。
面接を辞退することは、これらの時間と手間を無駄にする行為です。単に連絡すれば良いと考えるのではなく、企業側に対して感謝の気持ちを持つようにしましょう。
特に詳しく追及されないときは「一身上の都合」と説明する
面接を辞退する理由については、企業側から特に追及されない限りは詳しく伝える必要はありません。メール・電話を問わず、「一身上の都合」と説明し、詳細な理由を述べるのは避けるようにしましょう。
ただし、選考過程が終盤まで進んでから面接を辞退するときなどには、理由について尋ねられることがあるかもしれません。言っても差し支えのない理由であれば、率直に伝えるようにしましょう。


メールで面接を断るときのマナー

紹介した3つの基本マナーを守ったうえで、メールで面接を断るときにはメール独自のマナーも守りましょう。特に次の3つは重要なマナーなので覚えておいてください。
- 件名に「面接選考辞退のご連絡」と記載する
- 署名と連絡先を記載する
- 返信が来ないときは再度辞退メールを送信する
それぞれのマナーについて見ていきましょう。
件名に「面接選考辞退のご連絡」と記載する
面接を辞退するメールは、重要度の高いメールです。もし、担当者が見逃してしまうと、面接を辞退したい意思が伝わらず、面接日当日に企業側から問い合わせの電話などがかかってくる可能性もあります。
担当者がメールを見落とすことがないように、件名に「面接選考辞退のご連絡」と記載しておくようにしましょう。件名に要件を記載しておくと、担当者はメールを開封しなくてもメールの内容を理解でき、スムーズにキャンセルの手続きを進められます。担当者は日々多くのメールを受け取っていることが予想されます。見落としを回避し、なおかつ担当者の負担を軽減するためにも、件名に要件を明記しましょう。
署名と連絡先を記載する
メール本文の末尾には、誰からのメールか分かるように署名と連絡先を記載しましょう。担当者は多くの求職者とやり取りをしていると考えられるため、すべての求職者のメールアドレスと名前が結びついているわけではありません。署名することで、誰が面接をキャンセルしたいのかが明確になり、スムーズに手続きを行えるようになります。
また、選考過程の最終段階に進んでいるときなどは、面接を辞退するメールを企業側に送信しても、念のために意思を確認されることがあります。メールの末尾に署名だけでなく電話番号などの連絡先が記載されていれば、担当者もスムーズに連絡を取れるでしょう。
なお、メールの末尾に署名と連絡先が必要なのは、面接を辞退するときだけではありません。メールでの少しのやり取りでも、末尾に署名と連絡先の記載は不可欠です。毎回記載する手間を省くためにも、メールの基本設定のページで署名の設定をしておきましょう。
返信が来ないときは再度辞退メールを送信する
通常は、面接辞退メールを送信すると、担当者から受理したことを知らせる返信が届きます。もし返信が来ない場合は、担当者がまだ見ていない可能性があります。また、メールが迷惑メールフォルダに入っている可能性もあるでしょう。
返信が来ないときは、あとでトラブルになることもあるので、確認のためにも再度メールを送ってください。面接日の前日までに返信を受け取れていないときは、電話で担当者に連絡し、メール送信日を告げたうえで、面接を辞退したい旨を伝えましょう。
電話で面接を辞退するときのマナー

電話で面接辞退の連絡をするときも、原則として、早期連絡・感謝を伝える・尋ねられないときは理由を伝えないの3つの基本ルールを守りましょう。そのうえで、次の2つの電話専用ルールも守ってください。
- 特別な場合を除きビジネスアワーに電話をかける
- 当日キャンセルのときは携帯電話への連絡でも問題なし
それぞれのルールを説明します。
特別な場合を除きビジネスアワーに電話をかける
面接日当日などの急いでいるときを除き、9時~17時のビジネスアワーに電話をかけるようにしましょう。また、ランチタイムと予想される12時~13時は避けるほうが親切です。
担当者から電話番号を2つ以上教えてもらっているときは、まずは会社の固定電話に電話をかけます。もし担当者が不在のときは、「中途採用に応募している〇〇です。再度かけ直すと△△さまにお伝えください」と言付けましょう。
当日キャンセルのときは携帯電話への連絡でも問題なし
当日キャンセルのときは、とにかく無断欠席にならないように早く伝えることが大切です。特に朝9時、10時の早い時間帯に面接が予定されているときは、始業前でも構わないので一刻も早く電話連絡してください。
ただし、早朝は会社の固定電話はつながらないことが予想されます。面接担当者の携帯電話でも良いので、面接の時間になる前に確実に伝えるようにしましょう。


理由別!面接選考を辞退・変更依頼するメール例文

面接選考を辞退あるいは日時変更を依頼するときは、時間に余裕を持ってメールで連絡します。面接辞退・変更依頼のメールの例文を紹介するので、ぜひ参考にしてご自身の言葉で担当者に伝えてください。
面接当日に用事があり日を変えてほしいときの例文
面接日に別の用事があるときは、面接を辞退するのではなく、担当者に面接の日時を変えてもらえないか頼んでみましょう。面接辞退のときは担当者に理由を伝える必要はありませんが、日程変更を依頼するときは、差し支えのない範囲で理由を伝えることで誠実な文章に仕上がります。
[件名]面接日ご変更のお願い 株式会社△△ 人事部 △△様 先日、面接のご連絡をいただきました〇〇と申します。〇月〇日〇時よりお約束をいただいておりますが、できましたら日時をご変更いただきたいと思い、ご連絡を差し上げました。 こちらの都合で恐れ入りますが、急な葬儀に出席することになりました。再度、お手を煩わせることになりますが、〇月△日以降でご調整いただけないでしょうか。よろしくお願い申し上げます。 〇〇 090-XXXX-XXXX XX@XXXX.ne.jp |
企業とのミスマッチを感じたときの例文
企業とのミスマッチを感じたときは、面接を辞退する理由を書く必要はありません。理由を記載しないことが不自然にならないように工夫して、文章を書きましょう。
[件名]面接辞退のご連絡 株式会社△△ 人事部 △△様 〇月〇日〇時より面接のお約束をいただいております〇〇と申します。 誠に申し訳ございませんが、貴社に対する理解を深めるなかで、私のスキルでは貴社に貢献できないと判断するに至りました。お時間をとって、スケジュールをご調整いただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけすることになり、お詫びの言葉もございません。 末筆ながら貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。 〇〇 090-XXXX-XXXX XX@XXXX.ne.jp |
家庭の事情で転職できないときの例文
家庭の事情で転職ができなくなったときは、一身上の都合で問題ありません。感謝とお詫びをメールで簡潔に伝えましょう。
[件名]面接辞退のご連絡 株式会社△△ 人事部 △△様 〇月〇日〇時より面接のお約束をいただきました〇〇と申します。 先日の一次面接では、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。今回は、こちらの都合で恐れ入りますが、一身上の都合により、面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。 末筆ながら貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。 〇〇 090-XXXX-XXXX XX@XXXX.ne.jp |
体調不良で面接を辞退・延期してほしいときの例文
体調不良により面接日に出かけることが難しいときは、担当者に面接の延期をお願いすることになります。しかし、企業側の都合もあるため、無理に延期を受け入れてもらう必要はないと考えている方もいるかもしれません。
そのような場合は、ひとまず延期をお願いし、無理なときは辞退したいと考えていることを伝えてください。次のようなメールならば、誠意を伝えつつ、無理のない範囲で日程を調整してもらえるでしょう。
[件名]面接日の変更のお願い 株式会社△△ 人事部 △△様 先日、面接のご連絡をいただきました〇〇と申します。〇月〇日〇時よりお約束をいただいておりますが、妻が緊急入院をすることになり、伺えなくなりました。 誠に申し訳ございませんが、貴社への志望意欲は変わっておりませんので、後日改めて、面接を受けさせていただきたいと思っております。日程のご変更が難しいときは、再度お手数をおかけしますが、ご連絡をいただけないでしょうか。改めて面接辞退のご連絡を差し上げます。勝手なお願いをいたしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。 〇〇 090-XXXX-XXXX XX@XXXX.ne.jp |


タイミング別!面接選考辞退メールの例文

面接選考を辞退するタイミングによっても、適切な文章は変わります。書類選考通過後、1次面接後、最終面接後のタイミングにわけて面接辞退メールの例文を紹介します。
書類選考通過後、面接日が決まっていないときの例文
書類選考通過の連絡を受け取ったものの、まだ面接日が決まっていないときは、次のような文章で面接辞退の連絡をします。
先日、書類選考通過のご連絡をいただきました〇〇と申します。 誠に申し訳ございませんが、一身上の都合により、面接を辞退させていただきたいと考えております。お時間を取ってくださったにもかかわらず、このようなことになり、本当に申し訳ございません。どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。 |
書類選考通過後、面接日が決まっているときの例文
面接日が決まっているときは、とにかく早く担当者に連絡するようにしましょう。早く連絡することで、企業側もスケジュールを組み直しやすくなります。
〇月〇日〇時より面接のお約束をいただいております〇〇と申します。 時間を取って面接日まで決めてくださり、本当にありがとうございました。このようなタイミングで申し訳ございませんが、一身上の都合により、面接を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。 |
1次面接後、2次面接を辞退するときの例文
1次面接通過の連絡をもらった後に面接辞退の連絡をすることもあります。このタイミングでの辞退は、ミスマッチや他社内定が理由になることが多いです。次のようなメールで、面接辞退の意思を伝えましょう。
〇月〇日〇時より、二次面接のお約束をいただいております〇〇と申します。 先日の一次面接では、貴重な経験ができました。本当にありがとうございました。貴社の社風を直接感じられ、大変勉強になりました。熟考したうえで、次回の面接はご辞退させていただきたく、ご連絡をいたしました。どうぞご了承くださいますようお願い申し上げます。 |
最終面接を終え内定後に辞退するときの例文
最終面接を終え、内定が出たあとでも、ミスマッチや他社内定などの理由により辞退するケースもあります。選考過程で多大な時間をかけてもらったことに対してお礼を述べ、丁寧に断ることが大切です。
先日、内定のご連絡をいただきました〇〇と申します。誠に身勝手ではございますが、内定を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。 貴重なお時間を割いて選考していただいたにもかかわらず、このようなご連絡となり、心よりお詫び申し上げます。 |


本当に面接を辞退するべき?お断りメールの前に考えること

面接を辞退する前に、次のポイントを考えてみましょう。
- 迷うときはもう1回面接を受けてみる
- 日程変更をお願いできないか相談する
- 辞退を取り消すことはできない
それぞれのポイントを説明します。
迷うときはもう1回面接を受けてみる
面接を辞退するかどうか迷っているなら、まずは面接を受ける方向で考えていきましょう。面接はいつでも辞退できます。もう一度面接を受けてから、本当に行きたい企業か判断しても遅くはありません。
日程変更をお願いできないか相談する
用事があるなどの理由のときは、すぐに辞退するのではなく、日程変更をお願いできないか担当者に相談してみましょう。日程を調整してもらうことになるため、「一身上の都合」ではなく率直に理由を伝えることが大切です。
辞退を取り消すことはできない
一度辞退すると、取り消せません。後悔することがないよう、しっかりと考えてから面接辞退メールを送信しましょう。
企業に迷惑をかけないように意識してメール・電話で連絡しよう

面接を辞退するときは、とにかく企業側に迷惑をかけないことを意識します。返信が来ないときは、再度メールを送信することに加え、電話でも連絡をすると行き違いがなく安心です。また、日時が迫っている場合にはメールではなく電話で連絡し、確実に面接辞退の意思を伝えましょう。
