日々仕事に追われて疲れ切ってしまうと「楽な仕事に転職したい」と考えてしまうのも無理はありませんが、なにを持って楽と感じるかは人によって異なるのではないでしょうか。
そこで本記事では、一般的に楽といわれる仕事の特徴の他、楽な仕事を探すポイントや考え方によっては楽かもしれない職種について紹介していきます。


目次
一般的に楽といわれている仕事の特徴
楽な仕事と聞いて、具体的にどのようなものをイメージするでしょうか?体力的な負担の軽さを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際は他にも様々な条件があります。
そこでまずこの章では、一般的に楽といわれている仕事の特徴について解説します。
体力的な負担が小さい
先ほども触れた通り、体力的な負担が小さい点は楽な仕事の代表的な特徴です。例えば、社内で1日の大半を過ごすデスクワークは体力的に楽に働ける仕事といえるでしょう。重い荷物を運んだり、長時間作業が続いたり、1日中立ちっぱなしだったり、これらのような体力を要する仕事はとても大変です。仕事が終わった後はすっかり疲れ切ってしまい、帰宅後に自炊などの家事をする気力も起きないかもしれません。そのせいで連日コンビニ弁当が続くような食生活に陥ると、ますます健康面への悪影響が心配されます。
また、肉体的に過酷な仕事は、休日をほぼ丸ごと体力回復のための時間にあて、1日中寝ているという人も少なくありません。せっかくの休みも、体力的な負担が大きい仕事のせいで有意義に過ごせなくなってしまう恐れがあるのです。特に自分の体力に自信がない人は、肉体的に楽な仕事を選ぶようにしましょう。
たとえ若いうちは体力に問題がなかったとしても、年齢を重ねていくにつれてつらくなることもあります。四十肩、五十肩などといわれるように、加齢によって発生する症状は数多く存在しています。
そもそも過度な肉体労働は、年齢問わずケガや病気のリスクに繋がる可能性が高いもの。安全で健やかな毎日を送るためにも、健康面に関わるリスクはできるだけ避けたほうがよいでしょう。
精神的にあまり疲れない
精神的にあまり疲弊しない点も楽な仕事の特徴の1つです。業務上のノルマがなかったり、人と接する機会が少なかったりする仕事はメンタルがあまり強くない人にとっては楽な仕事といえるでしょう。連日のようにハードなノルマに追われ、社内競争も厳しく、人間関係も悪いとなると精神的に削られていくのも無理はありません。特に人間関係はメンタルの調子と直結してくるもの。
社員同士の関係が良好ではない、風通しの悪い職場で働くとなると、業務の連携も取れません。結果的に自分が抱える仕事量が増え、予想以上の負担がかかることもあるでしょう。また、あまり人と接したくないのであれば、顧客対応の必要がある営業や接客などの仕事は避けたほうが無難です。
他にも、役職を持ったり、大金を扱ったりといった責任の重い仕事も精神的負担に繋がる場合があります。プレッシャーに弱い人は、なるべく責任を負わない立場で仕事ができるものを選んだほうがよいでしょう。
精神的に疲れ切ってしまうと、仕事とは関係のない趣味や家事のやる気すらなくなってしまい、プライベートにまで支障をきたす恐れがあります。さらに事態が深刻化すると、鬱病などの精神疾患を発症することもあるので、自分の心を守るうえでも精神的負担が少ない仕事はおすすめです。
仕事内容が難しくない
仕事が楽かどうかは、業務内容の難易度によっても大きく変わってきます。例えば業務内容がマニュアル化されているものなどは、決められた手順に沿って進めるだけでよいので楽な仕事の1つといえるでしょう。変化のないルーティンワークであれば仕事のペースが比較的簡単に掴みやすく、残業する日も少なくなります。
毎日業務時間内で仕事を終えることができれば、プライベートも充実させやすくなるでしょう。基本的に仕事での突発的な対応が発生しにくいため、友人や家族との予定も立てやすくなります。
マニュアルが適用できず、常に自分の頭で考えることが求められる難しい仕事は責任が重くなるものが多いです。具体的な職種を挙げると、営業、企画、マーケティングなどが該当するでしょう。これらは市場の状況や顧客(ターゲット)によって考え方を流動的に変えていかなければいけません。
そのため日々頭をフル回転させることになるので、場合によっては業務外で勉強の時間を設けることも必要になってきます。完全にマニュアル化されたルーティンワークと比べると、プライベートの時間を大きく削らなければいけない場面も増えてくるでしょう。
労働環境が整っている
労働環境が整っていると、比較的楽に働くことができます。日頃の業務が多少忙しかったとしても、労働環境がよいことであまりストレスに感じず、むしろ楽な仕事だと思えることもあります。
例えば、有給休暇などの福利厚生を気軽に使えたり、自分の労働力以上の給料をもらえたりすると、不満を抱かずに納得して働きやすいです。特に有給休暇は、労働者に平等に与えられた権利であるにもかかわらず、取得するだけで社内から文句をいわれるといった事例が少なくありません。休みたいときに休めないのは、精神的にかなり負担がかかります。
また前述の内容にもありましたが、残業が少なく定時で帰れる職場も楽でしょう。仕事とプライベートのメリハリがしっかりとつき、ゆとりある毎日を送ることができます。
他にも、人間関係が良好な職場も労働環境が整っているといえるでしょう。困ったときは助け合うことができるので、1人で追い詰められるといった場面は自ずと少なくなります。逆に、恒常的に参加しなければいけない飲み会があったり、愚痴ばかり飛び交うような職場はあまり心地良いとはいえません。
労働環境がよい職場への転職を検討している場合は、有給は取りやすいか、女性であれば産休がしっかり取れるかどうか、体調不良のときに休みやすいかどうかなどもチェックしておくとよいでしょう。会社によって福利厚生の制度や労働条件は大きく異なってくるので、よく比較検討したうえで、自分にとってより働きやすい職場を見つけるようにしましょう。


楽な仕事を探すときによく考えたいポイント
一般的に楽といわれる仕事の特徴を紹介してきましたが、実際になにが自分にとって楽なのかを見極めるためには自己分析が必要です。
そして、楽な仕事を見つけるためには求人情報を鵜呑みにしない慎重さも欠かせません。ここでは、楽な仕事を探すときにじっくり考えておきたいポイントについて解説します。
自分にとってなにが楽なのか
楽な仕事を探すときに最も重要になるのは、自分にとってなにが楽なのかを見極めることです。まずは自分が仕事をするうえでどのようなタイプなのか、属性を探ってみましょう。次に挙げるものはほんの一部ですが、ぜひ参考にしてみてください。
①体力には自信があるけれどメンタルが弱い
②メンタルは強いけれど体力がまったくない
③体力もメンタルも強いけれど人付き合いが苦手
このように様々なタイプに分かれますが、仕事で楽と感じるポイントはそれぞれ異なってくるでしょう。①であれば「精神的な負担が少ない仕事」、②は「体力的な負担が少ない仕事」、③は「人とのコミュニケーションが少ない仕事」が楽だと感じるのではないでしょうか。
他の人にとってのデメリットが、自分にとってのメリットになることは十分にあり得ます。周りの意見には左右されず、あくまで自分軸での「楽」を見出していきましょう。
また、もし今の仕事がきついようであれば、具体的になにがきついのかを明確にしてみてください。きつい部分を洗い出すことで、自分にとっての楽な仕事が徐々に鮮明になってきます。
自分が仕事で楽だと感じるポイントは、1つか2つ程度に絞るようにするとよいでしょう。あまり多すぎると、逆に仕事の幅が狭まってしまうのでおすすめしません。絞ったポイントを元に仕事を探すことで、より効率よく転職活動を進められます。
求人内容だけを鵜呑みにしない
求人の募集要項だけをみて仕事が楽かどうかを判断するのは非常にリスクがあります。自分にとって楽な仕事の求人を見つけた場合、すぐに応募したくなることもあるでしょう。
しかし、求人での掲載内容と実情が異なるケースは少なくありません。また、求人を出す頻度が極端に多かったり、楽しさや待遇のよさを不自然に押し出したりしているものはブラック企業の可能性があります。
ブラック企業は離職率が高いため、慢性的な人手不足の傾向が強いです。人員が定着しない職場での仕事は、決して楽なものとはいえないでしょう。ブラック企業の求人には、短期離職を防ぐために一見聞こえのいい言葉が掲載されがちなのでくれぐれも鵜呑みにしすぎてはいけません。
実際に応募する前に、実際に働いていた人の口コミを集めたサイトやSNSなどで情報を集めておくとよいでしょう。求人には載っていない、よりリアルな声を参考にすることができます。
さらに、企業に応募して面接まで選考が進んだ際は、自分の気になる条件について入念に質問することも大切です。想定される質問の一例がこちらになります。
残業は月何時間ぐらいしているのか/休日出勤はあるのか/ノルマはあるのか/産休や育休の取得実績はどの程度なのか/時短勤務の制度はあるのか
自分が重視したいポイントと照らし合わせたうえで、疑問点を整理しておくようにしましょう。「休暇や残業などについて聞くと印象が悪くなるのでは?」と不安に思うかもしれませんが、疑問を解消できないまま採用が正式に決まってしまうと、入社してから「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性もあります。
その結果短期離職することになってしまうと、自分にとっても企業にとっても後味が悪いでしょう。気持ちよく仕事をしていくためにも、疑問点は面接の場で直接確かめるようにしましょう。


楽な仕事で働いた場合に発生しがちな問題点
楽な仕事に就くことによって、ストレスを感じず快適に働けるでしょう。楽な仕事のメリットは主に1章でもお伝えしてきましたが、身体的にも苦痛がなくワークライフバランスも整えやすいです。
しかしその一方で、楽ゆえの問題点があるのもまた事実。例えば、楽な仕事はスキルや経験を問わずに誰でもできるものが多いため、収入が少なくなりがちというデメリットがあります。
逆に、業務内容が楽なのに収入が高い仕事は危険である可能性が高いです。このような求人を見つけたときはすぐには応募せず、業務内容をあらかじめよく調べるようにしましょう。
また基本的に楽な仕事は収入が少ないだけでなく、昇進や昇給も期待しにくいです。そのため長年勤めたとしても、収入が変わらずずっと低いままという場合もあります。
さらに昨今では、AIの普及が急速に進んでいます。人を雇用する場合は人件費が発生しますが、AIは初期投資のみで人件費はかかりません。
例えば工場のライン作業などはマニュアル化されていてシステマチックなものが多いため、将来的にはAIやロボットに仕事が奪われるという声も出ています。単調な仕事の担い手がAIに切り替わり、急に仕事を失うといったリスクもあり得るでしょう。
加えて、雇用形態も懸念すべき点です。楽な仕事は正社員ではなく、派遣社員やパートタイマーなどの非正規雇用が多いという特徴があります。雇用形態が不安定だと社会的な信用が得にくく、住宅ローンや自動車ローンなどの審査に落ちやすいです。たとえ今ローンを組む予定がなかったとしても、将来的にいつ必要になるかは分かりません。
結婚を考えている場合は、就いている職業がアルバイトやパートだと相手の家族から反対されるケースもあります。安定した正社員よりも、どうしてもネガティブなイメージを与えてしまうからです。また、前述したようなリスクあるものではなく、業務内容が楽でそれなりに収入もよい正規の優良求人となると倍率はどうしても高くなります。
例えば、有名企業の事務職や受付は応募が殺到しやすいです。そのため選考に通りにくく、なかなか仕事に就けない恐れがあります。楽な仕事を求めすぎると、無職期間が思いがけず長引いてしまう可能性もあるでしょう。
楽な仕事かどうかよりも自分に合っているかどうかが重要
楽な仕事を探す際は自分にとって楽と感じるポイントを見極める必要がありますが、将来性のない仕事を選んでしまうと後悔することも。
楽かどうかにこだわり過ぎるのではなく、「自分に合った仕事を探す」という発想で転職活動をすることも大切です。仕事探しが不安であれば、キャリアアドバイザーへの相談も可能な「PaceBox」を利用してみてはいかがでしょうか。
