転職活動が上手くいくかどうかは面接に左右されるといっても過言ではありません。しかし、面接があまり得意ではない人は多いのではないでしょうか。実は、面接には守っておきたいルールがあります。そのため、慣れていない場合、知らず知らずのうちにNGな行動を取ってしまい、その結果、不採用になることも少なくないのです。そこで、この記事では面接の事前準備の方法や当日に気をつけたいポイントなどについて詳しく解説します。


目次
身だしなみや質問内容をチェック!面接前にしておくこと
面接の事前準備の基本は、当日に持っていく物や身だしなみを確認しておくことです。さらに、あらかじめ面接官から聞かれそうな質問のイメージをしっかりと固めておくことです。そこで、ここでは面接前にしておくことについて解説します。
持ち物の確認
どの企業の面接を受けるにしても、ボールペン、鉛筆、消しゴムなどの筆記用具を準備しておくようにしましょう。なぜなら、面接前の適正テスト、アンケートの回答などで使うことになるからです。また、面接官が話すことをメモしておいたほうがよいこともあります。ビジネスシーンに適した腕時計をしていることも大切です。スマホを時計代わりに使う人は多いでしょう。しかし、面接の際、時間を見るためにスマホを取り出すのは印象がよくありません。
このほか、A4サイズの書類が入る鞄も必要になります。なぜなら、企業から選考書類やパンフレットを受け取ることがあるからです。企業に提出する用の履歴書などを折り畳むことなく持ち運びすることもできます。ちなみに、企業に送付する前に履歴書や経歴書はコピーを取っておくことをおすすめします。面接では履歴書や経歴書に記載したことが質問されることが多いからです。コピーがあると、何を書いたかを面接前に見直しておくことができ、質問にもスムーズに答えられるでしょう。
身だしなみのチェック
面接前に、当日の身だしなみをチェックするようにします。まず、ヘアスタイルは見た目の第一印象を大きく左右するので重要です。業界や職種によってヘアスタイルのルールは多少変わりますが、どこの企業も清潔感があるヘアスタイルをしているかどうかを見ています。髪が顔や肩にかかるようであれば要注意です。ロングヘアならポニーテールやハーフアップにまとめるとよいでしょう。ショートヘアならワックスやムースを使って髪をまとめることをおすすめします。また、明るすぎるカラーは控えたほうが無難です。ただし、元の髪のカラーが明るめだからといって、面接のためだけに髪を黒に染める必要はありません。
次に服装ですが、転職の面接の場合、現職の仕事帰りに面接が実施されることも多いため、普段の仕事の服装でも問題ないケースが多いです。カジュアルな服装で通勤している場合など、服装に不安がある場合は、事前に服装について、問い合わせておくのが良いでしょう。
スーツを指定された場合は、スーツの色は黒や紺といったオーソドックスな色がおすすめです。また、スーツだけでなく、シャツやネクタイも派手にならないように気をつけましょう。シャツにしわがあったり、ズボンの折り目がなかったりすると、面接官の印象も悪くなってしまいます。前日の夜にチェックして、必要であればアイロンがけをしておくようにしましょう。女性の場合、スカートでもズボンでも問題ありません。ただし、スカートを履く場合、短すぎるのはNGです。膝が少し隠れるくらいの丈の長さにしましょう。
面接の際に持っていく鞄は、通勤時に使っているもので基本的には問題ありませんが、リュックなどカジュアルなものを使っている場合は、服装同様、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
聞かれる質問の予測と回答の準備
面接で必ず聞かれる定番の質問があります。こうした質問をきちんと押さえておけば、いざ面接になったとしても落ち着いて回答することができるでしょう。まず「自己PR」は必ず聞かれます。面接官はこの質問によって、応募者の人柄やコミュニケーションスキルなどをチェックしています。そのため、答えるときはだらだらと長くしないようコンパクトにまとめて話しましょう。1分程度、長くても3分以内で話すのがポイントです。そして、面接官によい印象を与えるために、ハキハキとゆっくり話すようにしましょう。
次に、転職する場合は「転職の理由」も必ず聞かれます。その際、気をつけたいのが転職理由を前向きで誠実なものにすることです。いくら前の会社側に問題があっても、上司や同僚の批判や愚痴は言わないようにしましょう。なぜなら、せっかく雇っても前と同じ理由で退職されるのではないかと思われてしまうからです。
「志望動機」も定番の質問です。なぜ応募したのか、その理由を具体的に伝えるようにします。たとえば、自分の目指すキャリアの方向性や軸と重ねたり、企業研究を念入りに行った結果を面接官に示したりすることで説得力が増すでしょう。


最初から最後まで気を抜かない!面接当日に気をつけるポイント
面接の準備の後は当日の立ち振る舞いについてのイメージも固めておきましょう。次から、面接当日に気をつけるポイントについて解説します。
受付の段階で好印象を残す
面接は面接官とのやりとりが始まってからスタートするわけではありません。会社の受付の時点で始まっていると心得ましょう。受付係にぞんざいな態度を取ってしまった場合、それはそのまま面接官に伝わってしまいます。逆に受付係によい印象を与えれば、面接官にもプラスに働くでしょう。言動だけでなく、見た目も大切です。受付場所に行く前に髪が乱れていないか、ネクタイが曲がっていないかなど、身だしなみのチェックも忘れずにしてください。
ギリギリに受付に行くのはよくありません。だからといって早すぎるのも企業側をせかすことになり、よい印象になりません。15分前に面接場所に到着して、5分前に受付を済ませるようにするとよいでしょう。受付のときは大きくはっきり、そして聞き取りやすいようにゆっくりとした口調で、「本日○時に人事部の◯◯様と面接のお約束をしております△△と申します」とあいさつするようにします。受付を済ませた後、控室で待機する場合もあります。控室で貧乏ゆすりをしたりタバコを吸ったりすると悪印象です。控室の中でも面接官に見られていると思って、きちんとした態度を心がけましょう。
マナーをきっちり守る
面接時はマナーを守ることが大切です。まず、面接室に入る際は黙って入らず、必ずノックをします。ノックの回数は3回です。ノック2回は空室を確認するための回数なので、面接時には適切ではありません。ノックをして入室しても、面接官に「おかけください」と言われるまでは椅子に座ってはいけません。着席した際は背筋をピンと伸ばすこと。そして、椅子には浅く座るようにします。次に、話すときの表情は少し緊張した面持ちぐらいがよいでしょう。笑顔は大切ですが、あまりにもヘラヘラとしすぎると逆効果です。また、威圧的な雰囲気になってしまうため、あごを上げながら話すのも避けたほうがいいでしょう。話す際の癖はなかなか自分では気づきにくいものです。何か変な癖はないか、一度動画に撮って確かめることをおすすめします。
面接時に面接官から名刺を手渡されることもあります。その際は「ありがとうございます」とお礼を言い、片手ではなく両手で受け取るようにしましょう。そして、名刺に印字された社名や氏名に指がかからないように注意します。在職中で転職活動をしている場合は、求職者自身も名刺を持っているでしょう。しかし、転職の際の面接では基本的に名刺交換を行わないものです。名刺があっても差し出さないようにしましょう。


1次面接と2次面接で対応を変える
面接には1次面接と2次面接の2種類があります。この場合、面接の目的が変わるため、それぞれに合わせたやり方が大切です。まず、1次面接は人事や採用担当者が対応するケースが大半です。このとき、企業に提出した履歴書の内容に沿った質問が行われることになります。履歴書に何を書いたか忘れないようにして、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。さらに、社会人としてのマナーや業務に支障がないコミュニケーションスキルがあるかどうかも、面接官はチェックしています。
次に、2次面接では実際に働くことになった場合の上司や役員が面接官を務めることがあります。そのため、入社後のキャリアプランや企業理念などについて聞かれることが多いでしょう。スキルや経験については、1次面接よりも深い内容を聞かれる可能性が高いと言えます。さらに、2次面接中にいつ頃から入社できるのかといった確認をされる場合があります。転職活動中でまだ仕事を辞めていない場合は、入社時期の調整は大切です。また、入社意欲の確認をする目的もあるため、できるだけ具体的に返事をすることがポイントになります。
最後の質問で差をつける
面接の最後に聞かれる定番の質問が「何か質問がありますか」です。この質問に対して、どのように答えるかで、面接官の印象も大きく変わってきます。実は、この質問は求職者に自分自身をアピールするためのチャンスを与えるためのものです。加えて、求職者が不安や疑問を持っている場合、きちんと答えておくことで雇用のミスマッチを防ぐという目的もあります。そのため、この質問に対して「何もありません」と答えるのはマイナスです。面接官にあまりやる気がないと思われてしまう可能性があるからです。この質問に対する答えに正解はありませんが、最後にどうしてその企業を選んだのか、入社したらどのようなことをやりたいかなど、言い足りなかったことがあれば、再度アピールすることが大切です。
実際に働くときの自分をイメージして、面接官に「○○の場合、どうなりますか」と質問するのもよいでしょう。面接官に働く意欲をアピールすることができます。ただし、企業HPを確認すれば、すぐにわかる程度のものでは「企業研究がおろそか」と思われてしまい、逆効果です。実際に働いている人間でないとわからないような深い質問にするようにしましょう。もしすべてアピールし尽くして、言いたいことが残っていないようであれば面接官に「本日はお忙しいところ、ありがとうございました。○○のことをお話いただき、大変勉強になりました」などと伝えて、礼儀正しい一面を見せるようにします。
面接が終わっても気を抜かない
面接が終わった瞬間、これまでの緊張が解けてしまう人がいます。しかし、最後まで気を抜かないことが大切です。まず面接官が退出を促したら、椅子から立って、「本日はお忙しい中、お時間をいただき、ありがとうございました」とお礼の言葉を述べます。そして、面接官に向かって一礼します。さらに、ドアの前に立った後に後ろを振り返り、面接官に向かって「それでは、失礼いたします」とお礼の言葉を言ってから、立ち去るようにしましょう。ドアは音を立てず、ゆっくりと閉めます。
面接室を出たからといって油断してはいけません。社内にいる間は誰が見ているかわからないからです。会社を出るまでは面接中だと心得るようにしましょう。会社の廊下やエレベーターで会社の人とすれ違うときは、挨拶したり会釈したりします。その際、ぞんざいな態度だと面接官に伝わってしまう可能性があります。


熱意があっても不採用?面接で失敗する人の特徴
面接で不採用になりやすい人には特徴があります。まず、自信がなさそうにおどおどしている人です。求職者自身は謙遜しているつもりかもしれません。しかし、面接官の目から見ると「この人に仕事を任せて大丈夫だろうか」と不安になってしまいます。面接では、ある程度自信を持って対応することが重要なのです。次に、敬語の使い方が不適切な人もよくありません。特に営業職や接客業など、人と接することが主な業務である仕事の面接の場合、尊敬語と謙譲語を混ぜて受け答えすると、社会人としての基本ルールをわきまえていないと思われてしまいます。
面接では、自分自身をアピールするための熱意が大事です。しかし、それだけで採用が勝ち取れるほど、面接官の目は甘くはありません。いくら「やる気があります」「一生懸命頑張ります」といったところで、具体的なアピールができなければ、口だけの人と思われてしまい、逆にマイナスの評価になってしまいます。自分のこれまでのキャリアや経験をどのように仕事に生かすことができるのか、具体的に話すようにしましょう。このほか、話が長くて要点がよくわからない話し方をする人も不採用になりがちです。逆に、アピールを一言で終えてしまう人もよくありません。
面接は自信をもって最後まで自分をアピールできるようにしよう
面接は何度やっても緊張してしまう人も多いものです。しかし、ここで紹介した事前準備を行い、面接時のポイントを押さえておけば、落ち着いて対応し、よい結果を出すことができるでしょう。自分の魅力を最大限発揮できる面接にすることが大切です。また、会社を出るまでが面接だと心得るようにしましょう。くれぐれも最後の詰めが甘くならないようにすることが大切です。
