〜職種研究〜 「カスタマーサクセス職」年収500万円のリアル

カスタマーサクセス職は比較的新しくできた職種ですが、企業の売上を支えるポジションとして定着しつつあります。
一方でですが、カスタマーサクセスの仕事内容や必要なスキルなど、詳しく知らないという方も多くいるでしょう。
そこでこの記事では、年収500万円のカスタマーサクセス職について、よりリアルな情報を解説していきます。
記事の後半では、未経験からカスタマーサクセスに挑戦する方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。


カスタマーサクセス職とは何か
カスタマーサクセス職は顧客の課題を見つけて、解決方法を考えながら成功を支援していく職種です。
製品やサービスの導入後、ガイダンスやサポートを提供しながら、顧客との長期的な信頼関係を築くことを重視します。
カスタマーサクセス職が働く業界
カスタマーサクセス職が働いている業界は幅広く、様々な企業で活躍していますが、
主にはサブスク型のビジネスをやっている業界や、プラットフォームビジネスを展開している企業などが中心です。
特にサブスク型のサービスは、日本の市場に多く存在するので、他社との差別化を図るために多くのカスタマーサクセス職が働いています。
このように、特定の業界・分野に縛られず、より多くの場所で顧客の成功と満足度向上を支援できるのがカスタマーサクセス職の魅力です。
カスタマーサクセス職のミッション
カスタマーサクセス職の本質的なミッションは、顧客のニーズを理解したうえでサポートをしていくことで、長期的にサービスを利用してもらうことです。
また、より高単価なサービスやオプションプランを利用してもらうことで、顧客単価をあげることも、カスタマーサクセス職のミッションです。
そのためには、製品・サービスの機能、価値を把握したり、フィードバックを収集して改善に努めていくことが重要です。
顧客からの問い合わせや問題に対して迅速に対応し、解決策を提示することで顧客満足度も向上します。
あらゆるサポートを尽くすことで、顧客との信頼関係を構築でき、最終的に企業の利益を向上させるのがカスタマーサクセス職のミッションです。


カスタマーサクセス職には2種類ある
カスタマーサクセス職には大きく分けて2パターンあり、大半は営業パターンです。
カスタマーサクセスという言葉自体が新しいので、具体的な定義がしづらい職種ではありますが、それぞれの特徴について解説していきます。
担当顧客を持つ営業パターン
営業のようにノルマを持ちながら担当顧客に対してサポートや提案を行うのが、一般的なカスタマーサクセス職です。
製品・サービスを利用中の顧客に、初期設定や機能追加のフォローや運用サポートを行い、長期的に活用いただけるよう促します。
新しいサービスが開発されれば、さらに追加導入していただくよう提案を行うこともあります。
また、業務プロセスの改善やチーム作りに主体的に携われるのも魅力の1つです。
業務内容は他業種の営業と近しいことも多いので、スキルや経験があれば未経験からでも活躍できるでしょう。
全体品質を向上する企画パターン
企業によっては、既存製品の改善担当をカスタマーサクセスと呼ぶこともあります。
主な業務イメージとして、開発・マーケティング部門と連携しながら、製品・サービスの計画を立案したり、サポート業務の設計などを担当します。
また、ユーザー視点での要件定義や仕様のレビューを行い、製品の品質向上に繋げていきます。
他業種のマーケティングや企画に近しいこともありますが、カスタマーサクセス職の中ではかなり稀なケースでもあります。


カスタマーサクセス職の特徴
カスタマーサクセス職と似ている職種は多くありますが、業務内容や目的は大きく異なります。
ここでは、よく比較されるカスタマーサポート、営業との違いについて解説していきます。
実際に比較することで、カスタマーサクセス職にしかない独自の特徴が分かります。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスは自ら顧客のもとにアプローチするのに対し、カスタマーサポートは顧客からの問い合わせに対応するという違いがあります。
カスタマーサクセスは、顧客に満足してもらえるよう提案をして、製品・サービスの価値を高めることに重きを置いています。
一方でカスタマーサポートは、顧客の問題や疑問を解決することで、満足度を高めていくことを目的としています。
カスタマーサクセスは攻め、カスタマーサポートは受け身のイメージで、それぞれ顧客対応を行います。
カスタマーサクセスと営業との違い
カスタマーサクセスと営業も似ていますが、仕事の目的がそれぞれ異なります。
営業は製品やサービスの契約獲得が目的であるのに対し、カスタマーサクセスは、顧客との継続的な関係を築くことを目的としています。
具体的には、一般的な営業は契約時点で売り上げが発生しますが、カスタマーサクセスは契約時点では売り上げは立っておらず、継続利用してもらうことで、定期購入費用として売り上げを得られる、ということになります。
営業は契約を獲得するのがゴールであるのに対し、カスタマーサクセスは契約を獲得してからがスタートという違いがあります。


年収500万円クラスのカスタマーサクセス職の仕事内容
年収500万円クラスのカスタマーサクセス職の仕事内容として、ここでは以下の4つを紹介していきます。
・オンボーディング
・活用サポート
・契約更新のフォロー
・新たな商品の提案
製品・サービスの導入から利用継続、新商品の提案まで、様々なサポートをしながら顧客との信頼関係を築いていくのが大きな特徴です。
オンボーディング
オンボーディングとは製品・サービスの導入支援のことを指し、後々のフォローや提案をするうえで重要な役割を果たします。
オンボーディングでは教育や育成プログラム、活用方法などをレクチャーし、顧客に製品・サービスについて理解してもらえるようサポートします。
活用方法などが分からず解約に繋がってしまうのを防ぐためにも、オンボーディングは非常に重要な業務です。
活用サポート
製品・サービスの導入後には、今後も活用できるようサポートや利用状況のチェックをします。
活用事例の共有、テクニカルサポート、ミーティングの実施、コミュニティの運営など、あらゆる手段を用いて活用のサポートをします。
活用度のチェックをしながら、それぞれの顧客に合わせたより良い提案をしていくのを目的としています。
契約更新のフォロー
製品・サービスの解約率増加を防ぐ方法として、契約更新のフォローを行います。
契約更新のタイミングで解約されるケースも多いため、ヒアリングをしながら課題や問題点を解決していきます。
契約更新の数か月前から活用状況を確認するなどの、事前準備をすることで、急なトラブルにも対応することができます。
新たな商品の提案
製品やサービスを長期間利用している顧客に対しては、さらに新たな商品、機能などを提案します。
購入を検討している商品の上位モデルをすすめたり、別の商品をセットとして販売するなどして、さらに単価を上げていきます。
サポートやフォローを通じて、信頼関係が構築できているからこそ、新しい商品を前向きに検討してもらいやすくなります。


カスタマーサクセス職に向いている人
カスタマーサクセス職に向いている人の特徴として、ここでは以下の3つを紹介していきます。
・コミュニケーション能力に優れている人
・チームワークが得意な人
・学びながら成長していくのが好きな人
これらの特徴に当てはまる人は、カスタマーサクセス職として活躍することもできるでしょう。
コミュニケーション能力に優れている人
顧客との信頼関係を築いていくうえで、コミュニケーション能力は欠かせません。
カスタマーサクセスは、製品やサービスの魅力を伝えたり、相手の要望やニーズを聞いたり、顧客との対話で仕事を進めていきます。
コミュニケーション能力があれば、お互いが快適に交渉できるので、売上や成果にも直結してくる要素になります。
チームで働くのが好きな人
カスタマーサクセスの場合、チームを組んで1つのクライアントを担当することもあります。
チームのメンバーや関連部署など、協力して仕事を進める職種であるため、チームワークを発揮できる人は向いています。
自分の担当企業だけでなく、お客さま全体としての課題を見つけることができれば、改善プロジェクトなどのリーダーとして仕事に携わることも出てくるでしょう。
学びながら成長していくのが好きな人
カスタマーサクセスは比較的新しい職種であるため、トレンドやニーズは日々変化しています。
学びながら成長していくのが好きな人は、新しいスキルを積極的に取り入れることができるので、日々の変化にも柔軟に対応することが可能です。
自ら課題を見つけて、適切なアプローチで解決できるので、問題解決能力の向上にも繋がっていきます。


カスタマーサクセス職に必要なスキル
カスタマーサクセス職に必要なスキルとして、以下の3つを紹介していきます。
・営業・顧客折衝スキル
・マネジメントスキル
・専門分野での業務経験・知識
これらのスキルを伸ばしていくことで、カスタマーサクセス職としてより大きな成果を出すことができます。
カスタマーサポートや営業での経験が評価されることもあるので、柔軟に幅広いスキルを身につけていきましょう。
営業・顧客折衝スキル
カスタマーサクセス職として働くには、営業などの顧客との折衝スキルが求められるケースが多いです。
実際の募集求人では、営業での実務経験(特に法人営業)や実績などが条件として記載されているものが多いですが、顧客と一緒に課題解決をした経験があれば、スキルを活かせる可能性があります。顧客とのコミュニケーションを通じて提案をする職種であるため、類似した経験は活かすことができるでしょう。
プロジェクト管理能力
カスタマーサクセス職でより大きな成果を出すためには、プロジェクト管理能力も必要です。
プロジェクトを進めるうえで、他のチームと連携してオンボーディングをしたり、複数のクライアントを同時進行で進めるということがあります。
そのような時に、スケジュールを組み立てながら予定通り遂行することで、カスタマーサクセスとして管理能力を活かすことができます。
専門分野での業務経験・知識
販売する商品によっては、その分野での業務経験や知識が必要になるケースもあります。
自社の商品やクライアントの業務について熟知していなければ、活用方法や機能を顧客に伝えることができません。
医療や人材派遣、ソフトウェアなど、扱う商品・サービスの分野によって求められる知識が全く異なります。もし、何らかの業務知識を持っているのであれば、カスタマーサクセス 職で活かせる可能性があります。


未経験からカスタマーサクセス職にチャレンジするには
未経験からカスタマーサクセス職にチャレンジするには、以下のようなステップで進めていきます。
・企業・職種研究をする
・未経験可の求人に応募する
・キャリアアドバイザーに相談する
自分の強みやスキルを分析しながら転職活動を進めていけば、未経験からでも働くことは充分可能です。
企業・職種研究をする
働きたい企業やカスタマーサクセスの仕事内容について研究していきます。
今の自分にはどんなスキルがあり、カスタマーサクセス職にどう活かせるかを考えていくことで、挑戦するための具体的なステップが分かります。
採用選考で適切にアピールするためにも、まずは企業や職種について研究し、自己分析をすることから始めていきましょう。
未経験可の求人に応募する
企業・職種研究が完了した後は、未経験でも可能な求人に応募しましょう。
カスタマーサクセス職の求人数は比較的少ない傾向にあるので、理想の求人を見つけるのに苦労することもあります。
応募する際は、カスタマーサクセス職への意欲のほか、これまでの経験で培ったスキルや業界知識、カスタマーサクセス職を選んだ動機などを積極的にアピールすることが重要です。
キャリアアドバイザーに相談する
未経験からの転職に不安を抱えている方は、キャリアアドバイザーに相談しましょう。
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