転職者の約6割は「転職先選びにテレワークは影響しない」と回答!テレワークの実態【転職者調査】

転職者の約6割は「転職先選びにテレワークは影響しない」と回答!テレワークの実態【転職者調査】

新型コロナウイルスの登場により、一気に加速が進んだテレワーク。通勤の負担が減り、どこからでも会議に参加できるなど、テレワークのメリットは数多くあります。企業によっては勤務地に縛られない多様な人材の採用や、企業のブランドイメージ向上などを狙いとして、テレワークを導入しているケースもあるようです。では、テレワークの有無は、転職先を選ぶ決定要因になるのでしょうか。そこで今回は、過去1年以内に正社員として転職した経験を持つ方を対象にアンケート調査を行い、テレワークの実施状況や転職活動への影響について聞いてみました。

【調査概要】
調査名:「転職者に関する調査」
調査機関:マクロミル
調査対象者: 「正社員1年以内に転職経験あり」と回答した333名
調査期間:2022年6月20~6月30日

転職者の約6割は「転職先選びにテレワークは影響しない」と回答!テレワークの実態

【テレワークの実施状況】3名に1名がテレワークを実施

まず、転職経験者に対して、現在テレワークを実施しているかどうかを聞いてみたところ、34%の方が「実施している」と回答。働き手の3名に1名がテレワークを実施していることが分かりました。なお、企業の人事・採用担当者に聞いたアンケート調査では、「自社にテレワークを導入しているか」という質問に対して、およそ6割の企業が「テレワークを導入している」と回答しています。

次に、「テレワークを実施している」と回答した方に、テレワークの実施頻度も聞いてみました。回答は、「週5日程度実施している(24%)」「週4日程度実施している(11%)」「週3日程度実施している(32%)」「週2日程度実施している(19%)」「週1日程度実施している(10%)」「月に2~3日程度実施している(2%)」「月に1日以下の頻度で実施している(2%)」という割合になりました。95%の人が週に1日以上テレワークを実施しているようです。

テレワークのメリット・デメリット

働き手のテレワークのメリットはどのようなことが挙げられるのでしょうか。メリットとデメリットについて聞いてみました。

テレワークのメリットの第1位は「移動時間・通勤時間の削減(42%)」

テレワークのメリットの第1位は「移動時間・通勤時間の削減(42%)」でした。「移動時間・通勤時間の削減」という回答は、企業の人事・採用担当者へのアンケート調査でも第1位となっています。移動時間だけでなく、会議や取引先などの打ち合わせ、営業活動などもオンラインで完結することは、時間短縮だけでなく、会議室などのオフィスにかかるコストも削減することができます。働き手も企業も、移動時間・通勤時間は、テレワークがもたらした大きなメリットだと感じているようです。

※参考:企業の人事・採用担当者に聞いたテレワークのメリット

テレワークのメリット

企業向けの調査では、テレワークのメリットとして、「勤務地に縛られない多様な人材を確保・定着(28%)」が挙げられましたが、働き手の回答としても、「勤務地に縛られない企業選び(31%)」は高い数値となっています。通勤という物理的なハードルがあり、これまでは採用が難しかった人材も、テレワークの推進によって採用可能性が見出せるようになりました。

テレワークのデメリットは「運動不足」「コミュニケーションへの支障」

一方、テレワークのデメリットを聞いてみたところ、通勤時よりも体を動かさなくなることによる「運動不足(30%)」、顔を合わせなくなることによる「社内のコミュニケーションに支障が出る(30%)」が同率首位となりました。「社内のコミュニケーションに支障が出る」は、企業の人事・採用担当者へのアンケート調査でも第2位となっており、働き手と企業の双方が社内のコミュニケーションに課題感を抱いているということが分かります。

※参考:企業の人事・採用担当者に聞いたテレワークのデメリット

転職経験者の声

アンケートコメントでは、コミュニケーションに関する具体的な課題が多く寄せられました。

  • オンとオフのメリハリが無くなり、勤務時間が長くなりがち。ちょっとしたコミュニケーションが面倒になり、思わぬミスの原因になる(48歳 メーカー系[素材・医薬品他] マーケティング)
  • みなし労働のため、かえって業務時間は長くなった。コミュニケーションが取りづらい(49歳 サービス系 営業)
  • 人間関係が既に構築されているなら良いが、そうでない場合はオンライン上だけでは人間関係を構築するのが難しいと感じている(35歳 メーカー系[電気・電子・機械系] 管理)
  • 人と会えないため、個人的に寂しい。どうしてもこちらの状況が相手に伝わりにくい(31歳 商社系[電気・電子・機械系] プロジェクト管理)
  • 居住地の選択肢が広がる一方で、全く出社しないとコミュニケーションが捗らないので週3回は出社している(26歳 流通・小売系 デジタルマーケティング)

テレワークの実施有無が、転職先選びに影響した割合は14%と少数派

テレワークのメリットで第3位となっていた「勤務地に縛られない企業選び(31%)」ですが、転職経験者は、実際に転職先選びにテレワークを重視したのでしょうか。アンケート調査によると、「テレワークを実施していない企業には転職をする気がなかった」と回答したのは14%と、テレワークが必須条件となっていた転職者はそれほど多くはありませんでした。

なお、「できればテレワークを実施している企業が良いが、他条件次第で妥協可能な条件だった(23%)」と回答した方は、どのような理由で転職先を決めたのでしょうか。そこで、「できればテレワークを実施している企業が良いが、他条件次第で妥協可能な条件だった」と回答した方に、転職先を決めた理由を聞いてみたところ、1位は「経験・スキルの幅を広げられそうだから(33%)」でした。テレワークを希望していたとしても、他条件でメリットを感じることができれば、妥協できる転職者も一定数いるようです。

※「できればテレワークを実施している企業が良いが、他条件次第で妥協可能な条件だった」と回答した人が対象

最後に

勤怠管理やコミュニケーションに課題が残るテレワークですが、通勤や移動時間の効率化やオフィスのコストダウンなど、メリットが多いワークスタイルです。採用職種や業種によってテレワークは向き不向きがあるので、自社に合った働き方を検討してみましょう。

ライター:只野 志帆子
記事を書いた人
kaneko-eri
金子絵里

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