履歴書の作成に不可欠な証明写真。職務経歴書も含め応募書類の内容に問題がなくても、適切なサイズの写真を貼らなければ印象が悪くなる可能性があるので注意したいところです。本記事では、履歴書に適したサイズや、好印象を与えるための基本的なマナー、Webエントリー時のサイズまで、転職時に必要な写真について解説します。履歴書の写真に関する情報を、ここで一通り把握しておきましょう。


目次
履歴書に貼る写真サイズは何cm?
履歴書に貼る写真のサイズは、縦4cm×横3cmが基本です。これは、履歴書用紙のサイズなどで変わることはありません。また、履歴書のタイプが異なっても、貼る写真はこのサイズのものを選びましょう。市販の履歴書を見ると写真を貼る箇所に「縦3.6~4cm、横2.4~3cm」などと記載されていることが多いのではないでしょうか。縦4cm×横3cmは最大の大きさであり、それよりも数ミリ程度であれば小さなサイズの写真を貼っても問題はありません。ただし、できる限り枠線に綺麗にはまるサイズの写真を用意することをおすすめします。
履歴書写真で好印象を与えるには?4つの基本ルールを紹介
履歴書の写真には、基本的なルールが存在しています。ビジネスマナーにも関わることなので、応募先の企業に好印象を与えるためにも必ず押さえておきましょう。
写真は「3ヶ月以内」に撮影したものを使用する
履歴書に貼る写真は、履歴書作成日から3ヶ月以内に撮影したものを使用します。これは、履歴書の写真と面接時の本人の姿とにギャップが生じないようにするためです。事前に履歴書を送付したり面接前に書類選考があったりする場合は、採用担当者が履歴書の写真を見てイメージしながら選考等を行います。書類による選考を通過し、いざ本人を面接に呼んでみた際、履歴書の写真と大きく印象が異なれば面接官や採用担当者は違和感を抱くことになるでしょう。
人によってはまったく変わらない人もいますが、3ヶ月の間に髪型が変わる、体重が変わる、表情や顔つきが変わるなどの可能性は否定できません。履歴書の写真は、あくまでも採用担当者が応募者の容姿や雰囲気などを確認するために貼るものです。毎日自分の顔を見ている自分自身の判断で、「大して変わっていないから問題はないだろう」と、3ヶ月以上も前に撮影した写真を貼ることは避ける必要があります。ただし、3ヶ月以内に撮影した写真であっても、履歴書作成時に髪型などが大きく変わっている場合には撮り直すことをおすすめします。
背景色は「グレー・ブルー・白」の3色がベスト
証明写真機を利用した際など背景の色を選択できる場合は、グレー、ブルー、白のいずれかを選びましょう。写真館を利用する場合や、スマートフォンのアプリを利用して履歴書用の写真を撮影する場合でも、もし背景色が選択できるのであれば、この3色の中から選ぶことをおすすめします。色味の薄いブルーやグレーは表情が鮮明に、かつ顔色もよく写る効果が期待できるため、迷ったときにはブルーかグレーを選択するとよいのではないでしょうか。
もちろん、白い背景を選択しても問題はありません。ただ、白い色が強すぎると、背景とのギャップで顔色や表情が少し暗く写ってしまうことがあるので要注意です。グレーやブルー、白であれば担当者も見慣れているため、履歴書を見たときに違和感を覚えることもないでしょう。違和感は、その後の採否の判断に影響を与える可能性を生じさせます。履歴書の写真で目立とうと、他の色を選択することがないようにしてください。当然ながら、無地の背景を選ぶことも忘れてはいけません。


写真館での撮影なら印象UP
履歴書写真の撮影手段は、写真館、証明写真(スピード写真)、スマートフォンなどでの自撮りの3つが考えられます。カメラマンの家族や知人に撮影してもらう、アウトソーシングサービスでカメラマンに依頼して撮影してもらうなどの方法も考えられますが、一般的には最初に挙げた3つの中から選ぶことになるでしょう。最もおすすめの撮影手段は、写真館の利用です。街中にあるボックスタイプの証明写真サービスやスマホの写真アプリも進化しており、綺麗に撮れるものが増えてはいますが、写真館でプロのカメラマンに専用の機材で撮影してもらうほどのクオリティの高さは期待できません。
写真館での撮影は、料金も他の方法と比べると2倍ほど、場合によってはそれ以上かかります。しかし、写真から受ける印象次第で履歴書や職務経歴書の印象も変わり、書類選考などに大きな影響を与える可能性は十分に考えられるでしょう。応募先企業の採用担当者にできる限りよい印象を与えるための投資としては、決して高いとはいえないのではないでしょうか。後悔しないよう、写真のクオリティには最大限こだわることをおすすめします。
写真の裏には名前の記載を忘れない
意外と忘れてしまいがちなルールが、写真の裏に自身の名前を記載することです。履歴書にしっかりと写真を貼り付けたと思っていても、郵送中や採用担当者が閲覧している際に剥がれ落ちてしまうケースが考えられます。そのようなときに写真の裏に名前が書かれていれば、誰の写真かをすぐに判断することが可能です。履歴書を企業へと送付しているのは、自分だけではありません。不慮の事態が起きた際にも、できる限り迷惑をかけないような配慮が応募者には求められます。しっかりと糊付けできていない点に関しては採用担当者にネガティブな印象を持たれかねませんが、写真の裏に名前がしっかりと書かれていれば、その印象を和らげることにつながるはずです。


履歴書に貼る写真の注意点とは?運転免許の写真は使ってもいい?
ここまで、履歴書に貼る写真のサイズや背景色などについて解説しました。履歴書に貼る写真を選択する際には、さらにいくつか意識しておくべき注意点があります。履歴書の写真次第で、採用担当者に伝わる応募者の人柄が変わることも珍しくはありません。応募先企業にとっては非常に重要な情報源となるため、ここで紹介する注意点もしっかりと押さえたうえで写真を用意しましょう。
パスポートや運転免許の写真は使わない
自分自身の証明に使われる写真には、例えばパスポート用の写真や運転免許証用の写真があります。転職活動前に、これらを撮影し余った写真が手元にあるという人もいるのではないでしょうか。しかし、パスポート用や運転免許証用の写真を、履歴書に貼ることは避けなければいけません。なぜなら、サイズが異なるからです。パスポート用の写真は、縦4.5cm×横3.5cmのサイズで撮影されます。履歴書用のサイズと比べると、少し大きいことがわかるでしょう。周囲を5mmほどずつカットすれば、履歴書の写真枠の中に収めることは可能です。しかし、これをすると自分自身のサイズが大きくなりすぎ背景とのバランスが不自然となるため、受け取った採用担当者は違和感を覚えてしまいます。
運転免許証の写真は、縦3cm×横2.4cmとなっているので、履歴書用の写真と比べると小さなサイズで撮影されます。履歴書に貼った際には余白が大きくなり、やはり採用担当者に違和感を抱かせてしまうでしょう。余計な先入観を抱かせずに履歴書や職務経歴書に目を通してもらうためには、写真で違和感を与えることがあってはいけません。手元にある写真を使って楽をしたくなりがちですが、採用担当者にネガティブな印象を与えないためにも、適切なサイズの写真を用意することが大切です。
適切ではないサイズの写真を貼った場合は、必ず1からやり直す
もし、履歴書に適していないサイズの写真を貼ってしまった場合は、履歴書自体を最初から書き直しましょう。写真を無理に剥がそうとすると紙に不自然なシワが入ったり、表面の紙が剥がれたりしかねません。そのままの状態で写真だけ適切なサイズに貼り替えたとしても、採用担当者によい印象を与えることにはつながらないはずです。むしろ、シワや剥がれのある履歴書を見れば、マイナス評価になる可能性が高いでしょう。書き直しが面倒だ、履歴書がもったいない、などと感じるでしょうが、綺麗な状態の履歴書を送ることを優先してください。そのためにも、事前に適切なサイズの写真を用意し、失敗や書き直しがないように準備を整えておくことが大切です。


Webエントリーの写真サイズとは?データ容量にも注意すべきか
ここまで、履歴書に実際に貼る写真に関して解説してきました。ここからは、Webエントリーの際の写真の選び方や注意点に関して解説します。同様に採用担当者の抱く印象に大きく影響すると考えられるため、サイズやデータ容量などには十分に注意しましょう。
適切な「写真サイズ」と「データ容量」
Webエントリーでは、写真のサイズはcmではなく基本的には「ピクセル」が用いられます。まずは、この単位を間違わないようにしてください。多くの企業では、「縦560ピクセル×横420ピクセル」「縦600ピクセル×横450ピクセル」のどちらかを指定しているはずです。縦横の比率は4:3で、この点に関しては履歴書に貼る写真と変わりません。細かな写真のサイズは企業の募集要項に必ず記載されています。入念に確認をし、指定されたサイズに調整したうえで送りましょう。データ容量に関してですが、こちらもサイズと同様に募集要項に書かれている指示に従ってください。一般的には2MBまでであれば、問題なくアップロードできるのではないでしょうか。
写真サイズやデータ容量を小さくしたい場合
Webエントリー用の写真を、指定されたサイズやデータ容量に変更したいケースも出てくるでしょう。その場合には、画像編集ソフトなどを使用することで、適切なサイズや容量に調整することが可能です。パソコンやスマートフォンには、簡単な画像編集が可能なソフトやアプリがあらかじめ入れられていることも多いので、それらを利用して調整してみましょう。適切なものがない場合には、Googleなどで「写真サイズ 編集」「データ容量 圧縮」と検索することで、調整可能なソフトなどを見つけることができます。その中から使いやすいものを選んでください。
写真館で撮影する場合には、撮影データを受け取れるかどうか事前に確認することをおすすめします。データとして受け取ることができれば、それをWebエントリーにも使用することが可能です。また、一部の証明写真機でもスマートフォンの専用アプリで画像データを受け取れます。同様にWebエントリーにも活用できるため、複数の企業へと応募する予定のある人は今後のことも考え、データも同時に入手・用意しておくとよいでしょう。


よくある質問
履歴書用の写真に関して、よくある質問と回答をまとめます。
「自撮りやアプリで撮った写真を、履歴書写真として使うのはダメですか?」
極力、避けた方がよいでしょう。スマーフォトンなどを使用すれば、それなりの写真を撮影することは可能です。しかし、履歴書の閲覧を日々行っている企業の採用担当者は、貼られている写真が写真館で撮られたものか、証明写真機で撮られたものか、スマートフォンなどで自撮りされたものかの判別は容易にできます。「手を抜いている」「意思や思いが弱いのではないか」「常識がない」などと捉えられてしまう可能性は否定できないでしょう。確かに手軽で便利であり、お金もかかりませんが、マイナスの印象を抱かれやすいため、やはり避けるべきです。応募期限が迫っており、写真館や証明写真機で撮影する時間がないなど特別な理由がない限りは、自撮りの写真を履歴書写真として使うことはおすすめしません。
「履歴書写真の服装はスーツですか?私服や白シャツではだめですか?」
基本的には、黒か紺のスーツで撮影しましょう。アパレル業界やIT業界、クリエイター職などは私服での勤務が多いため、応募の際の履歴書写真も私服で構わないとしている企業も少なくありません。ただし、その場合は企業の募集要項に、面接も含め私服でも構わない旨が必ず記載されています。募集要項を確認し、そのような記載がないのであればスーツでの撮影が無難です。白シャツでも悪い印象は与えないケースが多いものの、やはりジャケットは着用すべきでしょう。スーツを持っている場合は着用して撮影することをおすすめします。写真館などではジャケットを貸してくれるところもあるため、持っていない場合は、そのような写真館を利用してはどうでしょうか。
「履歴書写真と違う服装、髪型で面接に行ってもいいのですか?」
結論としては、問題はありません。面接に適した服装や髪型であれば、履歴書写真と異なっていても特に問題はないでしょう。眼鏡に関しても同様です。履歴書写真で眼鏡をかけていなかったから面接でもかけてはいけないというルールはありません。その逆も然りです。メイクに関しても同様で、多少変わっていても問題は生じません。重要なポイントは、履歴書写真や面接にふさわしいかどうかです。それぞれのシチュエーションにマッチしていれば、変化があってもネガティブな印象を抱かれることはないでしょう。
履歴書の写真サイズは厳守!面接の一部だと思い真摯に対応しよう
履歴書に貼る写真のサイズは、非常に細かいことではありますが、採否の判断に影響を与えかねない重要な要素となります。サイズだけではなく、適切な場所や服装などで撮影することにも気を配る必要があります。履歴書写真に写る服装や髪型、写真の貼り方などでマナーや一般教養はもちろん、人柄をアピールすることも可能です。面接の一部であると強く認識し、丁寧に撮影や貼り付けを行うことをおすすめします。
