第二新卒として転職活動を始める人に、ベンチャー企業を転職先として考える人は少なくありません。本記事では、第二新卒者がベンチャー企業へ転職するメリットを紹介します。押さえておきたい、転職を成功させるコツや注意点も分かるので、キャリアチェンジ成功を目指せるでしょう。


目次
ベンチャー企業の特徴とは
「ベンチャー企業」という言葉に聞き覚えはあっても、実際にどのような企業がそれに該当するのかハッキリは分からない人は多いのではないでしょうか。ベンチャー企業とは、市場が成熟していない新しいビジネスやサービスの展開に挑戦する、新興の企業を指します。また、ベンチャー企業のなかでも成長が早い企業を指して、「スタートアップ企業」と呼ぶこともあります。
詳しくは後述しますが、ベンチャー企業には、大手や中堅企業とは異なる特徴や、転職先に選ぶメリット・デメリットがあります。ベンチャー企業への転職を成功させるには、その点をよく把握したうえで決断することが重要です。
第二新卒がベンチャー企業に転職する3つのメリット
「やりがい」や「成長の実感」などを大切にしたい第二新卒の人にとって、ベンチャー企業に転職することは魅力的な選択肢です。ベンチャー企業に転職する主なメリットには、以下の3つが挙げられます。
メリット1.新しいビジネスやサービスにチャレンジできる
ベンチャー企業とは、これまでになかったビジネスモデルやサービス、新しい技術などに挑戦している企業です。したがって、ベンチャー企業に転職すれば、革新的な技術や手法を使って、新しいビジネスモデルやサービスの誕生に携われる可能性があります。
今後、その市場がさらに成長していくとしたら、先んじてそのビジネスに関わった経験や知識は自分のキャリアにとっても大きな武器にすることが可能です。会社の成長と自分のキャリアアップが密接にリンクしていることは、ベンチャー企業ならではの魅力です。
メリット2.仕事の範囲が広くやりがいや自己成長につながる
大企業や中堅企業だと、各社員の仕事は分野ごとに分業化・専門化されているのが一般的です。特定の業務だけに集中すればいい環境はたしかに効率的で働きやすい面もありますが、他方で自分のキャリアや可能性を知らず知らずのうちに狭めてしまう恐れもあります。
その点、ベンチャー企業は少数精鋭で仕事をするケースが多いため、各社員の業務範囲や裁量権が広くなりやすく、さまざまな業務経験を積めます。場合によっては、若いうちからリーダーやマネージャーのポジションも務められるかもしれません。職種に縛られず広範な業務経験を積むことで、自分のできることは大きく広がり、やりがいや成長の実感を強く感じられます。
メリット3.社員や経営者とコミュニケーションが取りやすい
ベンチャー企業は小規模な組織なので、ほかの社員や経営者との距離感が近く、コミュニケーションを円滑に取りやすいのも魅力です。ベンチャー企業は経営者も含めて20代、30代の若い年齢層で構成されていることが多いです。そのため、第二新卒なら年齢的な意味でも組織に馴染みやすく、自分の意見やアイデアを施策へ反映できる機会も多いと期待できます。
また、経営者の近くで働くことも多いベンチャー企業では、経営者の考え方や経営ノウハウを学ぶ機会が多いです。将来的に独立などを考えている人にとって、こうした機会や人脈を得ることは自分のキャリアにおける大きな財産になります。


第二新卒でベンチャー企業に転職する場合の3つの注意点
上記のように、ベンチャー企業に転職することは大きな成功や成長につながる可能性もあります。一方で、ベンチャー企業に転職するということは、以下のようなリスクも負うことであると十分に理解したうえで、応募するか判断することが重要です。
注意点1.体制が整っておらず安定性に欠ける
大手や経営歴の長い中小企業と比べ、発展途上のベンチャー企業はさまざまな面で不安定です。組織の管理体制や福利厚生が十分に整っておらず、快適な労務環境とは言い難いかもしれません。それどころか、事業がうまくいかなかった場合は、倒産したり事業縮小したりしてしまい。再び転職活動をしなければいけなくなるリスクもあります。「自分が会社を成長させる」という覚悟を持っているのでなければ、安定を重視した会社選びにシフトした方がいいかもしれません。
注意点2.前職より月収や年収が下がる可能性がある
収益が安定していないベンチャー企業に転職した場合、前職よりも収入が下がる恐れがあります。例えマネージャーや管理職などのポストに着けた場合でも、大企業に転職した場合以上の収入を得られるとは限りません。
ただし、ベンチャー企業ではストックオプションや成果報酬などのインセンティブを用意している企業も存在します。収入について考える際は、こうしたインセンティブの存在も確認するようにしましょう。
注意点3.個人の対応範囲や量が多く負担がかかりやすい
「各社員の業務範囲が広い」という先述のメリットは、デメリットにもなりえます。小規模なベンチャー企業では、1人あたりの仕事量が多かったり、不慣れな仕事を任されたりすることも多いかもしれません。しかも管理体制や教育体制が整っておらず、誰かに教えを乞うこともできないまま、自分だけで手探りに仕事を進めなければいけないことも予想されます。したがって、ベンチャー企業で仕事をこなしていくためには、体力面・精神面でのタフさや、常に新しいことを学び続ける意欲が必要です。


第二新卒でベンチャー企業への転職が向いている人とは?
上記のように、ベンチャー企業には一長一短の特徴があるので、そこへ転職する人にも向き不向きがあります。そこで、第二新卒でベンチャー企業に転職する人にはどのような特性があった方がいいのか解説します。
チャレンジ精神旺盛で柔軟に対応できる人
ベンチャー企業への転職は、さまざまな面でリスクがあるのが現実です。新しい事業が成功して会社が長期的に存続していけるかどうかは、誰にも保障はできません。したがって、ベンチャー企業へ転職するのは、そうしたリスクを呑み込んで冒険ができる人、これまで先例がないような新しいことにも進んでチャレンジできる人が向いています。
また、成長途中のベンチャー企業では、戦略の転換や組織体制の刷新など、さまざまな変化が起こりやすいです。ベンチャー企業で働く人には、そうした変化を柔軟に受け入れ、対応していける高い適応能力が求められます。
積極的に仕事を担い、楽しめる人
ベンチャー企業では、年齢や経験も関係なく、責任ある仕事を任されやすいです。そうした仕事を振られるのを積極的に楽しめるか、それとも苦痛に思うかでベンチャー企業に転職する適性は分かれます。
自分の職分を厳密に定めて、その範囲内で働きたいと願うのは悪いことではありませんが、ベンチャー企業の社員としては不向きです。反対に、自分の立場に関係なく積極的に仕事を覚えて働いていたような人であれば、ベンチャー企業に転職しても苦に感じにくいと考えられます。
裁量権を持って働きたい人
実力主義のベンチャー企業では、能力次第で若いうちから大きな裁量権を持って働くことが可能です。大手に就職した場合に比べ、成果次第でスピード出世できることも期待できます。こうした点を踏まえると、自分の意思や決定権をある程度持って仕事をしたい人にとって、ベンチャー企業へ転職することは一考の価値がある選択です。また、大きな裁量権を持つということは、それだけ大きな責任を負うということでもあるので、途中で仕事を投げ出さない粘り強さがある人にも適しています。
将来的に独立を目標にしている人
将来的に独立を目指している人は、ベンチャー企業に転職して経験を積むことがおすすめです。ベンチャー企業では経営者の近くで仕事ができるため、経営に関するノウハウや考え方を間近で学べます。また、独立したときには営業から事務作業まで、さまざまな仕事を自分でこなさなければならなくなることが考えられますが、その際にもベンチャー企業で広範な業務を行ってきた経験を役立てることが可能です。さらに、ベンチャー企業で大きな裁量権を持って仕事を成功させた経験を積み重ねていけば、独立の自信にもつながります。


第二新卒がベンチャー企業への転職を成功させる4つのコツ
第二新卒者がベンチャー企業への転職を成功させるには、そのほかの一般企業への転職活動とは少し異なったコツが必要です。ベンチャー企業の特有の性質やリスクをふまえた上で転職活動をおこなうことが重要になります。
コツ1.あらかじめキャリアプランを設定しておく
ベンチャー企業で活躍する人の多くは、自分のキャリアプランを明確に持ち、強い目的意識を抱えて働いている人達です。少数精鋭で仕事を回していく傾向の強いベンチャー企業では、漠然と仕事をしているようでは評価されません。自分が仕事で何を成し遂げたいのか、将来的にどのようなキャリアを歩みたいのか、将来に対する考えを面接で明確に説明できるようにすることで採用の可能性が高まるので、転職活動を開始する前にキャリアプランを明確にしておくのがおすすめです。
コツ2.企業の情報収集を徹底する
ベンチャー企業へ転職する際には、一般企業以上に企業研究を徹底的におこなうことが重要です。その会社には本当に将来性があるのか、諸々のリスクを呑み込んででもそこへ転職する魅力があるのか十分に検討したうえで判断しないと、入社後に後悔する可能性が高まります。その際に重点的にチェックすべきなのは、「採用活動を活発に行っているか」「ビジネスモデルに共感できるか」の2点です。
まず、採用活動が活発な企業は比較的順調に事業を拡大していると判断できるので、成長性についての判断材料にできます。また、ベンチャー企業だと経営者と距離が近い分、その方針やビジネスモデルに共感できないと強い不満につながりがちなので、この点でミスマッチが生じる心配がないかの確認も重要です。
そのほかでは、業務内容の確認も欠かせません。自分のやりたくない業務・苦手な業務ばかりをこなさなければいけないようでは仕事を続けるのは難しいはかz脳性があるので、業務内容が自分の希望や適性とどのくらいマッチしているか確認することは大切です。こうした詳細な情報を求人情報だけで把握するのは難しいため、ホームページや企業見学など多角的な手段を使って情報収集することをおすすめします。
コツ3.転職理由はポジティブな内容で具体的に伝える
第二新卒は、現職(前職)の勤続歴が短いため、転職先企業に「堪え性がなく、すぐ辞めてしまう人では?」と思われることがあります。ベンチャー企業では特に、「変化に柔軟に対応できる人」が必要とされており、何かあったらすぐ辞めてしまうのでは?と思われるのは不都合です。
そのため、面接で転職理由を質問された際の受け答えでは、前の会社の不満や愚痴をそのまま伝えるのは避けなければなりません。たとえば「前職は給料が低かった」などのネガティブ要素も、「実績や頑張りを、より評価してもらえる環境で働きたい」と転職先への期待にポジティブ変換します。
また、退職理由や転職理由を説明する際は、退職には正当な理由があったことや前職の経験を活かして貢献したいことなどを伝え、入社の意欲や自分の強みをアピールすることが重要です。
コツ4.ベンチャー企業で働きたい理由を明確にする
面接では、なぜベンチャー企業へ応募したのかを聞かれることも多くあるので、その回答も事前に準備しておくのがおすすめです。その会社の将来性への期待や、ビジネスモデルへの共感、仕事のやりがいなど、入社への熱意が伝わる理由にすることが基本になります。自己分析で自分のやりたいことやできること、強みなどを把握し、退職理由と関連付けながら志望動機を考えてみましょう。
第二新卒でベンチャー企業への転職を成功させるには
第二新卒でベンチャー企業へ転職する場合は、ベンチャーならではのメリットとリスクを把握したうえで応募を検討することが重要です。自身の希望を相談できるキャリアアドバイザーのいる「PaceBox」などの無料転職サービスの利用を検討するのもおすすめです。
