30代で年収700万円を目指すなら、自身が所属する企業の実情を数字で把握しておくことが大切です。
たとえば、役職ごとの年収や業界の平均年収などです。30歳で務められる役職や業界の年収が700万円に遠く及ばない場合は、転職を検討してもいいかもしれません。
この記事では、年収を上げる方法や30歳の収入に関する情報を紹介します。


目次
30歳で年収700万を稼ぐ5つの方法
厚生労働省が公開する「2021年(令和3) 国民生活基礎調査の概要」によると、1世帯当たりの平均所得金額は546.3万円でした。全年代が調査対象になっており、世帯年収は同居する家族の年間収入を合計した金額であるため、個人が30歳で年収700万円に到達するのは容易ではありません。
30歳で年収700万円を稼ぐ方法は、以下の5つの方法などがあります。
参照:厚生労働省 「2021(令和30年)国民生活基礎調査の概要」
昇進や昇格
今いる会社で昇進や昇格をし、年収を上げる方法です。勤続年数の長さと年収は比例する傾向にあり、年収アップを長期的に考える必要があります。業務やプロジェクトで結果を残せば昇進や昇格のチャンスを増やせるため、年収アップにつながります。
ただし、30歳で務められる役職の年収が、700万円に設定されていることが前提です。40歳で役職の年収が500万円では、その会社に勤めたまま30歳で年収700万円を達成する可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
転職
年収を早く上げたいなら、転職が適しています。前記の「昇進」や、後記で紹介する「起業」は年収が上がるまでに時間がかかります。経験のある職種に就くのか、未経験の職種に就くのかでも年収は変わりますが、転職が成功すれば一気に年収700万円に到達する可能性もあるでしょう。
たとえば、同じ業界であっても、企業の規模が大きくなると年収アップが見込めます。年収が高く、興味のある業界があるなら、それにチャレンジしてみるのも1つの選択肢です。
在職中に転職活動をする場合は、転職支援サービスを利用すると良いでしょう。普段の業務をこなしながらの転職活動は、体力や時間に制限がかかります。転職支援サービスに登録しておけば、折々で希望する条件に合った企業を絞り込むことができたり、企業側からスカウトが来たりするため、限られた時間の中で効率的に転職活動が進められます。
年収の高い職種や業界を取り扱う転職支援サービスとして挙げられるのが「PaceBox(ペースボックス)」です。20代から30代をターゲットに、企業側からスカウトが来る「オファー型」の転職サイトなので、登録するだけで転職活動が進められるという利点があります。


副業
今いる会社では30歳で年収700万円は難しい、けれども転職にも二の足を踏んでしまう、とそんな場合には、副業に取り組むのも1つの方法です。副業を認める企業も増えつつある現在、複数の収入源を確保する方法としても有用です。クラウドソーシングサイトなど、副業に取り組みやすい環境が整っていることも普及が進む要因となっています。
ネット上に掲載される文章を作成する「webライター」や、ホームページの制作を請け負う「webデザイナー」はクラウドソーシングサイトに多くの案件が掲載されています。期限までに納品すればいいので、就業時間の前後や休日を利用して取り組みやすいのも魅力の1つです。
ただし、大切なことは本業とのバランス。副業が本業の負担になってしまっては意味がありません。生活のなかで、どう副業を取り入れていくのか、を考えることが大切になります。
起業
収入アップを目指すもう1つの方法に、起業するという選択があります。仕事を立ち上げ、自らが経営者になれば、努力と裁量次第では従業員としての収入より高い収入を得ることも可能です。
しかし、実労働が収入に即反映されるとは限りません。起業するにあたって、気をつけなければならないこともあります。その1つは、起業直後は会社員時代より年収が下がる可能性がある、ということです。軌道にのれば2倍3倍の年収も可能かもしれませんが、通常、起業直後から順調に事業が進むことは珍しいといえます。現実的な事業計画書を作成し、資金体力がある間にいかに経営を軌道にのせるか、を見通すことが大切です。
もう1つの注意点は、起業には失敗のリスクがある、ということです。起業した人がすべて成功するわけではありません。借り入れがある場合なら、借金も背負うことになります。会社員時代から開業資金を貯蓄し、借り入れに大きく頼らないことや、休日を利用したサイドビジネスから段階を経て取り組むことが、リスクを最小限に抑えられることにつながります。
資格取得
勤める会社の昇進に影響する資格や、転職の際に有利になる資格を取得すると年収アップにつながります。
また、業種に関係なく、年収アップが期待できる資格としてTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)が挙げられます。グローバル化が進み、英語力の重要性が増しているからです。経営戦略を海外に向ける企業や海外の人材の確保に取り組む企業が増えています。TOEIC600点以上を管理職に就く条件に挙げている企業も多く、年収アップのためには有用な資格です。
高い年収が期待できる資格には以下のものが挙げられます。
- 合格率10%未満の社会保険労務士(社労士)
- 合格率15%前後の宅地建物取引士(宅建)
- 学科の合格率が約16%のファイナンシャルプランナー(FP)2級
- 学科合格率約12%のファイナンシャルプランナー(FP)1級


年収700万を目指しやすい職業
年収700万円に到達できる可能性がある3つの職業を紹介します。
- エンジニア
- コンサルタント
- 営業
3つの職業の特長については、以下のとおりです。
エンジニア
エンジニアはIT需要の高まりを背景に、将来的にも高い年収が期待できるでしょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やIoT製品の開発普及によって、エンジニアの需要が高まっています。
しかし、経済産業省が公開する「IT人材需要に関する調査(概要)」によると、2018年時点でおよそ22万人のIT人材が不足しており、2030年にはおよそ45万人が不足すると予想されています。
IT人材は需要に対して供給が不足し、状況の悪化が予想されているため、企業はIT人材の確保に向け待遇面の改善を進めるでしょう。
また、プログラミングスキルはエンジニアにとって必須ですが、ビジネスの交渉の場で活用される「顧客折衝」スキルがあると、年収アップや転職の際の武器になります。
コンサルタント
クライアントが求める課題や問題を解決し、経営戦略のサポートを担うコンサルタントは、年収の高い職業として知られています。経営やITなど専門に関する深い知識や高いコミュニケーション能力が求められ、拘束時間も長く激務と言われていることがその理由です。
特に外資系コンサルタントは年収が高い傾向にあり、20代で年収1000万円以上を稼ぐ人もいます。
営業
通常の給料に加えインセンティブ(報奨金)が支給される場合が多いため、営業職は成績によっては高い年収が期待できます。営業で高い年収が期待できるのは、専門知識が求められる以下の業界です。
- 医療系業界
- 金融業界
- IT業界
- 不動産業界
それぞれについて解説しましょう。
「医療系業界」
医療系業界の営業(医薬情報担当者・通称MR)は医療に関する専門的な知識が求められ、業界として安定しているため年収が高くなっています。資格がなくても就けますが、MR認定証を取得すると収入や就職合格率のアップにつながるでしょう。
「金融業界」
投信や投資の顧問に就くと年収が高くなる傾向にあるのが金融業界です。競争率が低く、利益率も高いことが年収が高い理由として挙げられます。
「IT業界」
IT技術はさまざまな分野に波及し、市場の拡大が顕著な業界です。そのため、IT業界の営業職も年収が高くなっています。
「不動産業界」
1件の契約の単価が高いことから不動産業界の営業職は年収が高く、トップ営業マンになると年収2000万円も珍しくありません。


年収700万以上を稼ぐ30~34歳の割合は3%強
被雇用者で30代前半の人のうち、年収700万円以上稼ぐ人の割合は3%強です。厚生労働省が実施した調査結果を参考にしています。
このデータは、従業員10人以上の規模の企業に勤める男女を対象にしており、個人事業主は対象外です。また、対象者の年収には、株や不動産から得られた収入は含まれていません。残業手当やボーナスなどを含まない所定内給与が、年収の約8割と想定して算出されています。
2021年(令和3)に、年収600万円超から700万円以下だった人の割合は全年代の6.7%でした。同年、年収700万円超から800万円以下だった人の割合は全年代の4.6%です。
参照:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の第3表・年齢階級、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値」
年収700万の生活とは
年収700万円は、厚生年金や健康保険、所得税などが引かれた手取り額にすると500万円強です。ボーナスを考慮しない場合は、月収40万円強となります。総務省が実施する「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)」によると、単身世帯の1カ月の支出額は15万5,046円です。月収40万円強であれば、レジャーや貯蓄にお金をまわす余裕があります。
前述のように、30歳で700万円以上稼ぐ人の割合は3%強であり、実現するのは簡単なことではありません。しかし、年収を上げる方法として転職を選択するのであれば、オファー型転職サイト「PaceBox」への登録が現実的で有効です。登録の際は、自分が希望する年収や勤務地などの譲れない条件を具体的に設定しておくことで、仕事を続けながら、自分の希望に沿ったオファーのみを受け取ることができます。
参照:総務省 「家計調査年報(家計支出編)2021年(令和3年) 単身世帯
30歳の平均年収はどのくらい?
調査によると、2021年の30~34歳の平均年収は413万円です。男女別では、男性472万円、女性322万円となっています。男女で年収に150万円の開きがありますが、ともに年収700万円には届いていません。
30歳の平均月収は?
厚生労働省の資料によると、2021年の30~34歳の平均月収は30万9,100円です。この金額には残業代などの所定外給与も含まれています。
男性は、33万1900円、女性は、26万6700円です。
30歳のボーナス平均支給額は?
前出の厚生労働省の「令和3年 賃金構造基本統計調査」には、2021年の夏と冬を合計したボーナスは77万8,400円と記されています。このデータは30~34歳の男女合わせた平均支給額であり、男性は87万7,000円、女性が59万4,900円です。


業種別でみる30歳の平均年収
前出の国税庁のデータによると、2021年における、30~34歳の平均年収の上位5業種は以下のとおりです。
- 「電気・ガス・熱供給・水道業」 603万9,000円
- 「金融業・保険業」 599万4,000円
- 「情報通信業」 506万2,000円
- 「建築業」 463万円1,000円
- 「製造業」 456万円
唯一「電気・ガス・熱供給・水道業」の30~34歳の人が年収600万円を超えましたが、年収700万円に達した業種はありませんでした。
企業規模別の30歳男性平均月収と平均ボーナス
前出の厚生労働省が実施した「令和3年 賃金構造基本統計調査」のデータから、2021年の30~34歳の男性の平均月収と平均ボーナスを紹介します。
従業員10~99人の企業は平均月収約29万円、夏冬合わせた平均ボーナスは57万6,400円です。従業員1000人以上の規模の企業になると、平均月収約37万円、平均ボーナスが約110万円となっています。企業の規模で平均月収に約8万円の差があり、平均ボーナスにいたっては倍近く差が開いています。年収では100万円以上の差です。
参照:令和3年分民間給与実態統計調査結果(国税庁)
企業規模別の30歳女性平均月収と平均ボーナス
30~34歳の平均年収は男性が472万円、女性が322万円であったことから、女性の平均年収は男性の約68%です。同様に女性の平均ボーナスも男性の約68%となっています。
企業の規模による30~34歳の女性の平均月収と平均ボーナスを推計すると、従業員10~99人の企業では平均月収は約19万7,200円、夏冬合わせた平均ボーナスが39万1,952円です。従業員1000人以上の企業になると、平均月収約25万1,000円、平均ボーナス約74万8,000円です。
参照:令和3年分民間給与実態統計調査結果(国税庁)


学歴別でみる30歳の平均月収と平均ボーナス
30~34歳男女の最終学歴の違いによる平均月収と平均ボーナスの差を紹介します。データは前出の厚生労働省の「令和3 賃金構造基本統計調査」を参照します。男性の最終学歴ごとの平均月収と平均ボーナス、年収の推計は以下のとおりです。
- 中卒 平均月収29万7,300円 平均ボーナス44万3,100円 年収推計401万0,700円
- 高卒 平均月収30万5,600円 平均ボーナス73万9,900円 年収推計440万7,100円
- 専門学校卒 平均月収29万5,800円 平均ボーナス65万2,600円 年収推計420万2,200円
- 高専・短大卒 平均月収32万9,700円 平均ボーナス96万2,500円 年収推計491万8,900円
- 大学卒 平均月収35万5,500円 平均ボーナス100万8,100円 年収推計527万4,100円
- 大学院卒 平均月収40万1,700円 平均ボーナス142万1,700円 年収推計624万2,100円
30~34歳の女性の場合は以下のようになっています。
- 中卒 平均月収21万5,200円 平均ボーナス24万1,000円 年収推計282万3,400円
- 高卒 平均月収22万5,200円 平均ボーナス40万8,100円 年収推計311万0,500円
- 専門学校卒 平均月収26万1,000円 平均ボーナス51万5,200円 年収推計364万円7,200円
- 高専・短大卒 平均月収25万3,600円 平均ボーナス64万3,600円 年収推計368万6,800円
- 大学卒 平均月収29万8,200円 平均ボーナス77万7,600円 年収推計435万6,000円
- 大学院卒 平均月収35万5,900円 平均ボーナス102万6,800円 年収推計529万7,600円
男性の大学院卒がもっとも年収が高く、約624万円となっています。
雇用形態別でみる30歳の平均月収と平均ボーナス
雇用形態の違いにおける30~34歳男性の平均月収と平均ボーナス、年収の推計は以下のとおりです。
- 正社員 平均月収33万8,000円 平均ボーナス93万2,200円 年収推計498万8,200円
- 正社員以外 平均月収24万6,000円 平均ボーナス10万5,600円 年収推計305万7,600円
30~34歳の女性の雇用形態による収入の違いは以下のようになっています。
- 正社員 平均月収27万7,800円 平均ボーナス69万3,800円 年収推計402万7,400円
- 正社員以外 平均月収21万2,600円 平均ボーナス11万2,600円 年収推計266万3,800円
データは厚生労働省の「令和3 賃金構造基本統計調査」を参照しており、男女ともに正社員の平均年収が高くなっており、特に平均ボーナスの支給額の差が顕著でした。年収アップを目指す場合は、正社員を目指すべきでしょう。
年収アップを目指して転職活動をするならPaceBox(ペースボックス)
30代前半で年収700万円以上稼ぐ人の割合は3%強です。少ない割合ですが、実現できない世界ではありません。
年収の勝ち組に自分も、と願うなら、まず在籍する企業の給与体系や世間の平均値を確認することから始めましょう。年収アップを目指して、転職を決めたら、自分に合ったオファーが受け取れる転職サービス「PaceBox」を利用するのもおすすめです。
