「職歴が浅い」「実績が少ない」など、第二新卒の転職活動では、経験不足を理由に自己PRが上手にできない、強みが見つからないと悩むことが多いかもしれません。
第二新卒向けの自己PRの書き方やポイント、NG例などを解説します。
第二新卒で実績がない方も使える自己PR例文も紹介するので、第二新卒として転職活動をする際の参考にしてください。
目次
第二新卒の転職における自己PRの重要性
第二新卒とは、一般的に学校卒業後に就職し、数年以内に離職・転職活動をおこなう若手の求職者のことを指します。
経験が浅いことから実績や強みがないと思われがちな第二新卒ですが、新卒と同様に若手としての将来性に期待できる点や新しいことに挑戦できる適応力を評価する企業も多く、第二新卒ならではの強みもあります。
しかし、第二新卒でも転職の際は自己PRは重要になります。
第二新卒だから無条件でポテンシャルを評価されるわけではありませんし、これまでの経験も加味される部分があるからです。
第二新卒の転職でも自己PRが重要になる理由を確認していきましょう。
第二新卒でも自己PRは採用結果に直結するため重要になる
応募書類に記載する自己PRは、第二新卒にとって採用結果に直結する要素のひとつです。
転職における自己PRでは、一般的に社会人として経験した業務や実績、身につけたスキルをアピールします。
採用担当者は、応募者が企業や業界にとって有益な人物か、採用しても問題ない人柄なのかを自己PRで確認しています。
採用担当者が応募者のイメージをつかむのに自己PRは確認される項目と言えますので、自己PRは第二新卒の転職においても重要といえるでしょう。
自己PRは書類選考から面接まで必要になるため重要になる
転職活動における自己PRは応募から書類選考・面接といった、あらゆる過程で見られることになります。
応募書類に決まったフォーマットはありませんが、職務経歴書や履歴書で自己PRの記載が求められることが多く、独自のものを考えて記入する必要があります。
また、面接でも、簡単な学歴・職務経歴などの紹介と自己PRを求められることが一般的で、その内容に沿って質問が進むことが多いでしょう。
ちなみに、応募書類の記載と、面接で話す自己PRの内容は重複していても問題ありません。
ただし、異なる企業で自己PRの内容を同じにするのは避けましょう。
汎用的な内容に留まり、どこの企業に対しても同じアピールをしているように見なされれば、採用される努力をしていない、意欲の低い人材であると判断される可能性があります。
その企業の特色にあわせて内容を検討し、採用担当者に有益だと感じてもらえるようなアピールが必要です。
第二新卒の自己PRに企業が求めていることとは?
企業が第二新卒の自己PRで求めていることは、自社と相性が良い人柄をもっているか、入社への意欲が感じられるかなどです。
特に過去の業務経験や実績に関するエピソードが盛り込むと、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなります。
応募先の会社が求める人材像を想定し、それに合った内容を選ぶことでこれらの要求を満たしていることをアピールできます。
また、自己PRを書く際に重要なのは、アピールポイントが分かりやすい内容になっていることです。
自身の実績や経験を具体的な数字やエピソードで示すことで、採用担当者は評価しやすくなるでしょう。
第二新卒の自己PRのポイントは?
自己PRをおこなう際には、第二新卒ならではのポイントを押さえることが大切です。
第二新卒の自己PRを考える際のポイントを確認していきましょう。
フレッシュさと基礎能力
第二新卒者は社会人経験が数年以内の若手であるため、フレッシュさが大きな強みとなります。
素直に業務に取り組める、社風や制度に溶け込めることに加えて、社会人経験があるため、すでにビジネスマナーが身についています。
基本的なマナーが備わっていれば、あとは業務の内容を覚えるだけでよいことや、経歴と志望先によっては即戦力として実務に当たれることをアピールできる場合もあります。
フレッシュさだけでなく基礎能力があることを示すことができれば、職業意識が高く、責任感があることなども強みとして伝えることができるでしょう。
ポテンシャルとやる気
採用企業側は第二新卒者にやる気とポテンシャルを求めています。
第二新卒の方の場合は、必ずしも派手な実績は必要なく、仕事への向き合い方を確認したいと考えているのです。
仕事への向き合い方は、現職もしくは前職をどのような気持ちで取り組んでいたかで判断します。
そのため、自己PRの内容から職種とミッションが合致しているかが重要視されます。
入社後にも成長が見込めて、仕事に一生懸命取り組めることをアピールしましょう。
学生時代の経験や仕事の実績
自己PRでは、学生時代の経験や仕事の実績を具体的なエピソードを交え、根拠を示しながら伝えることで自分の強みをアピールできます。
経験から得られた実績やスキルを企業でどのように発揮し、活躍や貢献が可能なのかをいかにイメージしてもらえるかが大切です。
また、第二新卒であっても仕事の実績でアピールできる部分は積極的にアピールするといいでしょう。
あくまで第二新卒の方の場合は、ポテンシャルや将来性を評価されやすい傾向がありますが、実績がある場合はそちらを評価された方が印象はより高まるでしょう。
第二新卒の自己PRにおけるNGポイントは?
第二新卒者は自己PRにおいて以下の点に注意しましょう。
- 自分の強みと企業の特徴に接点がない
- エピソードに説得力がない
事業内容や方針といった企業の特徴と、アピールの内容に接点がなければ、企業はその人材を必要と思えません。
特に「明確な志望動機がない」「現職が嫌で転職活動をしている」といったケースでは注意が必要です。
現職を辞める理由を聞かれた際に、不満ばかりを口にするのは避けましょう。
また、キャリアアップを理由として挙げる際にも、志望先の企業の特徴を掴みきれていないと実際にどのような成長ができるのかがアピールできず、計画性がないと捉えられます。
的を射た自己PRをするためには、とにかく企業研究をしっかりとおこなう必要があります。
企業の特色を掴み、自分の強みと企業の特徴に接点をもたせることを意識してください。
「エピソードに説得力がない」と見なされるよくある状況は、話を大袈裟にしてしまうことです。
実績を大きく見せるより、小さなことでもしっかりとした強みを探しましょう。
具体性の高いエピソードは誠実な印象を与えられ、採用担当者の信頼を得やすいでしょう。
第二新卒が自己PRを作成する際の手順
自己PRは、ポイントを分けて整理することで書きやすくなります。
第二新卒の方が自己PRを考える際に自身の強みを見つけ出し、アピールできる内容にブラッシュアップするまでの手順を解説します。
過去の業務を書き出す
自己PRを書く際には、いきなり文章として書き出すのではなく、記載できそうな事柄を整理することから始めます。
まずは前職・現職での経験を箇条書きにしていきましょう。
- 営業部門の先輩の補佐で、資料作成をおこなった
- 記事の校閲や添削
- 煩雑になっていたタスクをまとめ、ツールを使って業務管理の一元化をおこなった
- システムエラーが発生した際に先輩社員と共同で原因究明をおこない、発見・修正した
- 業務知識を会得するために、毎朝1時間前に出社して学習の時間を取った
このように、初めておこなった業務や、先輩から教わって実践した経験などを挙げていきます。
なお、実務経験がまだ少なければ、かわりに学生時代の経験を挙げてください。
即戦力が期待される中途採用に比べて、第二新卒は学生としての評価も得やすい傾向です。
評価されたことや取り組んだことを見つける
自身の経験をただ述べるだけでは、自己PRにはなりません。
書き出した経験に、その状況に至った背景や、取り組みながら考えたこと、結果的に身についたスキルなどを加えていくことでエピソードの具体性を高めます。
その経験で周囲から得られた評価や、客観的に確認できる成果などがあれば大きなアピールポイントとなります。
結果として評価に結びつかなかったことでも、具体的な取り組みの内容から意欲を伝えることが重要です。
応募企業で貢献できることをアピールする
エピソードが複数あったとしても、ひとつの自己PRですべてを紹介することはできません。
採用担当者の印象に残りやすい、有効なアピールができるものを選ぶ必要があります。
そのためには、企業研究をおこなって、応募先の企業ごとに求められている人材像を明確にしましょう。
例えば、チームでの仕事が多い企業に対しては、先輩や同僚とともに業務に当たった経験を自己PRに選ぶことでチームワークを重視していることを示せます。
特に経験の深さやスキル面では、中途採用に比べて第二新卒者が不利になります。
若手であることを強みとしてもつ以上、仕事への意欲や成長の方向性が、企業のやり方や方針と合致していることは重要です。
企業の求める人材像に沿ったアピールができれば、企業への理解度をはじめ、積極的に情報を集める意欲の高さや分析力を示すことができます。
そのため企業研究に力を入れて、適切な自己PRの内容を選ぶとともに、自身の強みを活かせる企業を探してください。
実績がない場合でも使える第二新卒の自己PR例文
第二新卒の方が参考にできる自己PRの例文を紹介します。
実績がない場合でも、第二新卒の方向けの例文を参考にすれば考えやすくなるので、参考にしてください。
情報収集能力にフォーカスした第二新卒の自己PR例文
労災保険営業部の先輩社員の資料作成を手伝った際、参考になる事例やエビデンスの収集を担当しました。
厚生労働省の発表から「フリーランスのフードデリバリー配達員に関する、労災保険の特別加入についての資料」を収集するよう指示され、情報を集めました。
その結果、フリーランスの配達員は労災保険加入が可能になったものの、保険料が自己負担になることに不満の声があることが分かりました。
この際、指示の期限内に厚生労働省の情報だけでなく、追加で調査資料を収集・整理して提示したことで、先輩からは「想定より早く完成できた」「現場の視点を盛り込んだ厚みのある内容になった」と好評を得られました。
迅速な収集能力に加え、さらに自分で考えて指示内容を深掘りし、必要な情報をあらかじめ用意していたことが評価に繋がりました。
このようなスキルは、顧客ニーズの把握や市場調査に力を入れている貴社に、貢献できるものと考えています。
指示に従うだけでなく、自分で考え、それ以上の成果を挙げられたことをアピールしています。
些細なことでも役に立つかもしれないとアンテナを張れる、必要な情報は何かを常に考えられるという強みは、営業や商品開発の業務で活かせるでしょう。
コツコツと取り組む力にフォーカスした第二新卒の自己PR例文
前職では、インタビュー記事の校閲・添削の業務に取り組んできました。
ライターから上がってきた原稿に誤字脱字がないか、事実と異なっていないかを、音声ソフトや資料を用いてチェックします。
この業務は膨大な文字をひたすら読み続けることになりますが、不自然な文章を修正したり、誤字脱字の漏れがないか事細かにチェックすることは自身の性に合っていると感じました。
そのため、事務仕事においては、数値の誤りが許されない入力作業やチェック業務でも、集中して取り組むことができると考えています。
また、WordやExcelのMicrosoft Office Specialistの資格も保有しているため、基本的な事務作業を担うことができます。
こちらは、編集者などの前職から、事務職に転職するパターンです。
事務職では地道なルーティン作業が多く、単純作業や気長にコツコツ進める必要がある作業に関するエピソードを組み込んでいます。
実務面のアピールになりそうな材料がなければ、保有資格について記載したり、資格取得のために勉強中であることなどを付け足すと良いでしょう。
問題解決能力にフォーカスした第二新卒の自己PR例文
前職の入社から約1年経った頃、割り振られる業務が増えたことで、タスク対応の漏れや、遅延が起こるようになりました。
状況を改善するために、タスクが一目で分かれば業務の並行しやすくなると考え、管理ツールを使ってまとめはじめました。
前職では、タスク管理は各人にゆだねられており、同様に先輩や同僚も対応漏れに悩まされている状況でした。
そこで、自分だけでなく複数人で利用できるタスク管理表を作成し、部署全体で共有しました。
この表を用いてタスクを一元化することで、滞っている業務状況が分かるようになり、進捗管理を担当する上司からは、誰に振り分けるかの検討・判断がしやすくなったと、評価を受けられました。
この経験から、情報管理の重要性を理解し、効率的な管理を実現するツールに興味をもちました。
貴社の提供するシステム・ツールを広めることで、より多くの現場で状況を改善する喜びを伝えられると考えています。
実際の現場でツールの導入から業務効率化までをおこなった経験を活かせると考え、営業部を志望しました。
自ら動いて問題解決できることや、人の役に立つ喜びを見出せることが強みとなっています。
ここでは、「同様の感動を体験できる企業に就職したい」という点を志望理由として紐づけていますが、問題解決能力はコンサルタントやシステムエンジニア、研究職などにも役立つでしょう。
仕事への熱意にフォーカスした第二新卒の自己PR例文
自社で取り扱うスキンケアアイテムをルート営業先に売り込むために、化粧品の基礎知識や有効成分に関する知識が必要だと考え、勉強しました。
毎日1時間早く出社して勉強時間を取り、時には先輩に指導を仰いだことで、同期の中でもかなり早い段階で営業としてアウトプットができるようになりました。
取り入れた知識を活かせば、商品の魅力をより強くアピールできるようになることが嬉しく感じ、さらに勉強を続けてきました。
私は、貴社の商品を1年間使い続けています。
美容の知識を取り入れたことで、御社の製品の素晴らしさを知りました。
自分で愛用できる商品を、熱意をもってより多くの人に伝えたいです。
もっている知識を活かすことで御社のお役に立てると考えています。
自分が会社のために熱意をもって業務に取り組めること、そのために勉強する姿勢があることをポイントとしています。
実際に企業が提供している製品を使用していることや、自分の知識が売り上げに貢献できると示すことで、企業に合う人材だとアピールが可能です。
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第二新卒者は社会人としての経験や実績が少なくても、小さなことから具体的に伝え、自分の基礎的な能力や労働意欲をアピールすることが重要です。
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