平均年収を基準に考えると、年収650万円は高収入に分類されます。この記事では、年収650万円を目指す方には、どのような職種やスキルが必要か、また副業や投資などで収入を増やす方法も紹介します。
また、手取り額や生活レベルについても具体的に説明し、年収650万円の実現に向けて必要なことを紹介します。


目次
年収650万円の人口割合は?
国税庁による令和3年分民間給与実態統計調査によると、日本における年収650万円以上の人口の割合は、全体の2割程度です。
男性と女性でその割合は異なっており、年収650万円以上の男性の割合は3割程度、女性の割合は1割未満となっています。
この調査では100万円単位での年収分布統計を取っているため、600万超~700万以下の割合の部分は、そのうちの半分を年収650万円~700万円以下として計算しています。
参考:令和3年分民間給与実態統計調査 (国税庁)
日本の平均年収はどのくらい?
平均年収は年代、性別によって大きく異なっています。
20~39歳までの男女別平均年収は下記のとおりです。
- 20~24歳:269万円(男性→287万円、女性→249万円)
- 25~29歳:371万円(男性→404万円、女性→328万円)
- 30~34歳:413万円(男性→472万円、女性→322万円)
- 35~39歳::449万円(男性→533万円、女性→321万円)
年齢問わず、日本全体の平均年収は443万円(男→545万円、女性→302万円)です。そこから鑑みても、年収650万円は高収入だといえます。
年収650万円の手取り額は?
年収650万円の手取り額について詳しくみていきましょう。
一般的に、年収650万円の手取り額はおよそ500万円前後です。この金額は、社会保険料や税金、社会保険料控除後の額です。
月の手取り額に換算すると、42万円ほどになります。ただし、ボーナスの有無や支給額によって、手取り額に差が生じます。ボーナスが50万円~100万円だと仮定すると、月の手取り額は35万円前後になるでしょう。つまり、ボーナスの有無で手取り金額に5万円ほどの差が出るということです。
ただし、年齢や家族構成などで手取り額は変動するので、紹介したケースはあくまでも一例です。


年収650万円の生活レベルは?
同じ年収でも、生活環境や扶養家族の有無によって生活レベルは大きく異なってきます。
いくつかのパターン別に、生活レベルについてみていきます。
独身で実家暮らし
実家暮らしをする場合は、基本的に家賃、生活費や光熱費がかからないため、余裕のある豊かな生活が送れます。
娯楽費・衣服費・交際費など、支出を多めに見積もっても、月々の出費は20万円強ほどといったところでしょう。計算上では、収入の半分、毎月20万円ほどの貯蓄ができるため、余裕をもって生活することができます。
独身で一人暮らし
一人暮らしをする場合は、先ほどの実家暮らしの場合に加えて家賃、食費、光熱費などの大きな支出が加わります。支出を多めに見積もった場合、月々の支出は27万円ほどとなり、毎月14万円以上の貯蓄ができる計算になります。交際費などを節約すれば、さらに貯金額を増やすことができるでしょう。
夫婦二人暮らしで子ども無し
結婚し扶養する家族が増えると、配偶者控除によって所得控除が受けられるため、単身者と比較すると手取り額が多くなります。しかし、それまで単身で生活をしていたときと比べると支出も多くなることから、何にどのくらいのお金を費やすのかを意識して生活する必要があります。夫婦二人のモデルケースでは、月の支出は35万円程度と想定され、毎月7万円ほど貯蓄ができる計算です。
夫婦二人に子どもあり
家庭内年収が650万円で子どもがいる場合、あまり贅沢ばかりはできないものの、共働きをしなくても暮らしを維持することは可能です。
1点忘れてはならないのが、子どもの教育費です。
日本政策金融公庫が発表した調査によれば、高校入学から大学卒業までには約942万円の教育費が必要とされています。この金額は、公立・私立平均での費用であり、私立学校のみに通う場合はさらに高額になります。
それを踏まえ貯蓄をするには、ある程度節約を意識した生活が求められます。常に家計の収支を見直し、毎月の支出を把握することが大切です。
年収650万円の家賃や住宅ローンの目安は?
住宅を借りる、もしくは建てたり買ったりする場合、収入に応じた適正な家賃や住宅ローンの借入額を考慮する必要があります。一般的には、手取りの1/3程度を家賃や住宅ローンの返済に充てることが適切とされています。
たとえば、年収650万円の場合、月収手取りが約42万円。このケースでは、適正な家賃は月額14万円以下とされます。家賃がこの額を超えると、生活費や貯蓄額などの面で厳しい状況に陥る可能性があります。
住宅ローンを組む場合にも、手取り収入の1/3程度を返済に充てることが適正だとされていることから、望ましい月々の返済額も、家賃の目安と同じく14万円以下です。仮に返済期間を30年とすると、適正な住宅ローンの借入額は4300万円程度です。
ただし、これらの数字はあくまでも一般的な目安であり、個人の生活スタイルやライフプランに合わせて検討することがとても重要です。また、住宅購入にあたっては、将来の収入や家計状況の変化なども考慮しながら慎重に検討しましょう。


年収650万円の税金対策とは?
任意の自治体に寄付をし、返礼品を受け取れるふるさと納税は、節税対策としてもとてもうれしい制度です。
ふるさと納税を行うと、寄付した金額から自己負担額2000円を差し引いた金額をもとに、所得税や住民税の控除を受けることができます。
iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度を活用することも、資産形成を進めつつ税金を節約する方法のひとつです。
iDeCoは、個人型確定拠出年金のことであり、将来の年金受給額を確保するために自己負担で積み立てる制度です。積み立てた資金や運用益が非課税となるため、将来の年金受給額を増やしつつ、税金を節約することができます。
また、つみたてNISAは、株式や投資信託などの投資をすることで、将来の資産形成を目指す制度です。つみたてNISAについても、積み立てた資金や運用益が非課税となるため、資産形成を進めつつ、税金を節約することができます。
これらの非課税制度を活用することで、資産形成を進めつつ税金を節約することができますが、それぞれの制度にはそれぞれのルールがあります。始める前に制度の詳細や運用方法などをしっかりと理解したうえで、自分に適した方法で活用することが大切です。
年収650万円を目指すには?
ここからは、年収650万円を目指す策について解説します。
昇進昇格で目指す
年収650万円を達成するには、好待遇の大手企業に入社し、昇進や昇格によって年収をアップさせていく方法があります。企業によっては勤続年数に応じて昇給する制度があるため、長く務めることで年収アップを図ることが可能です。
また、常にキャリアアップを心がけ、会社からの評価を高めていくことで昇給し、年収650万円の目標をクリアできる可能性が高まるでしょう。
就職や転職の際は、昇進や昇格の機会が多い業種や職種を選ぶとよいでしょう。上場企業であれば、その企業の事業や設備、財務状況などがわかる「有価証券報告書」や、あらゆる企業の特色や業績、株価の動きなどもチェックできる「会社四季報」で、従業員の平均年齢や平均年収を調べることができます。平均年収が高く、勤続者の平均年齢が若い業種・職種を選ぶことが望ましいです。
高年収を目指せる職種に転職する
「高収入を得るためにはどのような方法があるのか?」と考えたとき、ひとつの選択肢として転職が挙げられます。転職によって、現在よりも高い収入を得られる可能性があります。
転職によって得られる高収入の職種としては、コンサルタント、ITエンジニア、営業職、専門職(医師、投資銀行業務など)、士業(公認会計士、弁護士など)、インフラ系などがあります。これらの職業は、多くの場合、平均年収が700万円を超える高収入な業種とされています。これらの職種に転職することで、年収の大幅アップが期待できます。
仕事内容は同じでも、勤める企業の規模や業界が異なる場合、給与のアップが見込めるため、転職は現実的な選択肢のひとつ。特に専門的な知識やスキルを持っている人にとって、転職は年収650万を達成する近道です。
副業を始める
年収650万円を達成させる方法として、副業を始めることも有効な手段です。最近は副業を認める企業も増えてきましたが、まだまだ禁止している会社も少なくありません。のちのトラブルを引き起こさないためにも、まずは自分が勤めている会社が副業を許可しているかどうかを確認しましょう。
手軽な副業の始め方として、クラウドワークスやランサーズといったジョブ型マッチングサービスに登録し、オンラインで仕事を得る方法があります。そのほかにも、ECサイトへの出品や、ブログ運営(アフィリエイト)などで収入を得る方法もあります。
YouTuberやインスタグラマーとして活躍することで大きな報酬を得る人もいます。ただし、時間を削って稼ぐ仕事は、体力的な負担が増えるだけでなく、本質的な収入アップにつながらない場合もあります。自分自身の価値を上げるためには、現在の仕事につながるものや、将来的にフリーランスへの転身、起業、転職につながる副業を選ぶのが無難です。
投資する
余剰資産を投資に回すことは、資産を増やす方法のひとつとして注目されています。
投資信託は利益が得やすいといわれていますが、元本保証のない金融商品のためリスクがつきものだということです。そのため、投資を始める前には慎重にリスクを考慮したうえで、適切な情報収集を行うことが重要です。
投資は将来の収益を目的とするものであり、必ずしも成功するとは限りません。株価や為替相場などの変動により、資産が減少することもあります。そのため、余剰資産全てを投資に回すのではなく、自己防衛のためにも十分な現金を確保しておくことが重要です。


年収650万円を目指すのにおすすめの職業は
年収650万円を目指せる仕事はたくさんありますが、ここでは主な仕事を紹介します。
営業
営業職は、男女問わず高収入を得られるおすすめの職業です。特に、金融や不動産など高額な商材を扱う営業職であれば、年収650万円以上を目指すことができます。
営業職の特徴として、成果報酬型の給与制度が挙げられます。成果に応じて報酬が決まるため、自分の頑張りが報酬につながり「やりがい」も感じることができるでしょう。入社年数に関係なくインセンティブが付与されることもあり、若い年代でも比較的高収入を得られるケースが多いのが魅力的です。
ITエンジニア
IT業界で最も求められている職種のひとつであるエンジニア職は、年収650万円以上を目指す方にとっておすすめの職業です。現在のIT業界では、エンジニア不足が続いており、企業はエンジニアを採用することで、自社サービスや製品の開発・改良を加速させることができます。そのため、エンジニア職に対する需要が高く、給与水準も高く設定されています。
エンジニア職は、開発経験やスキルによって年収が算定されます。経験を積むことで徐々にスキルアップし、若いうちから年収を上げることができます。
年収650万円を目指せる転職支援サービスPaceBox(ペースボックス)
PaceBoxは、転職希望者にとって非常に便利なサービスです。このサービスでは、自分が望む条件や年収のオファーのみを受け取ることができます。これは、ほかの転職サイトとは大きく異なるPaceBoxの特長であり、自分が本当に求める転職先を見つけるためには非常に有用です。
さらに、PaceBoxでは転職成功に向けてアドバイスをしてくれる、キャリアアドバイザーという心強い味方がいます。転職活動は、自己分析や企業研究など多くの手間や負担がかかるものですが、キャリアアドバイザーが的確な提案や助言をしてくれるため、負担を減らしながら効率的に転職活動を進めることができます。
また、転職活動を行ううえでの不安や疑問点についても、キャリアアドバイザーがしっかりとサポート。安心して転職活動を進めることができます。
年収650万円の生活を実現するなら転職も検討を
年収650万円は、誰にでも到達できるチャンスはあり、その方法も多数あります。
今就いている仕事でキャリアアップを心がけたり、副業や投資を始めたりするだけでなく、自分にとってより良い環境への転職も、前向きに検討することをおすすめします。
